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横浜元町&みなとのみえる丘公園_バラ:20121020 [横浜街歩き]

改札口を出て左に折れると、ふと軽い目眩のようなものを感じた。

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エッシャーの街

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キリコの街

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シュールな感覚。

足早に脳裏をかすめて行ったのは、流れる薄い灰色の雲。

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表通りの分まで、  
狭い通りの上一面を覆うような黒い直線たち。

横浜元町、仲通り。

ここを通る時、いつも感じる不思議な感覚です。
10月20日、薄曇りの朝早く。

そんな感覚をいつもより強く感じました。

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少しの心配事と悲しい出来事。

心配事もまだ解決ははしていないのですが、何より思いがけない友との別れ。


告別式で最後のお別れをしたものの、まだじぶんのこころは納得してくれません。

理性では分ったつもりでも、感覚、感情と言うものはなかなか理解するものではないのですね。
事故で片腕をなくされた方が、ない腕の痛みを感じるかのよう。

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大学のクラブ関係で仲の良かった同期が8人いました。

卒業してかなりの時間が経ちましたが、まだいってしまうには早すぎる年なのに、5年前に親友を、そして、今回また一人大切な仲間を失ってしまいました。

かけがえのないもの、それは自分にとっては友達です。
交友関係が広い訳ではないし、どちらかと言うと人見知りをするので、新しく友達を作るのは不得手な方です。
まして、酒を一晩中飲みながら語りあって、いまのじぶんのベースを形作ったときの大切な仲間。

本当に、かけがえのない仲間。どんなことをしても再び巡り合うことなどできません。

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8人が6人になってしまった。

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どうして、もっと話をしておかなかったんだろう・・・。

後悔が、心の痛みが、ずうっと続いています。

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好きな音楽を聴いていても、何かに覆われていて、心の奥までは響いて来ませんでした。

何かの本で「年をとるということは、上手にお別れをすることができるようになること」と読んだことがありますが、どんなに年をとっても、上手にお別れなどできそうもありません。

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もうすぐ49日。

もう一度、お線香をあげながら、色々と話をしてこようと思います。

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心が欠けたエッジはまだ鋭くて、少しでも触れると血も出そう。

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横浜、みなとのみえる丘公園のバラたち。

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秋のバラは少し寂しげな感じがしました。

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春の豪華さはなくても、

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秋の空のように澄んで、

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清楚です。

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素敵なバラたちに会うことが出来た。



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「えの木てい」さん。

歩いて渇いた喉に、甘くてよい香り。

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みなとのみえる丘公園、色々な思い出のある場所。

オフコースの「秋の気配」、親友が好きな曲でした。

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なぜか、友を思うとき、口ずさむのはオフコースです。

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小田さんの曲。

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風、

横浜の海の風。

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「風の坂道」

君とはじめて会った その時から
じぶんが 変わっていくのがわかった・・・

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「風のように」

そして僕は 君のために 何ができるかと考える
そして僕は 強くなるより 優しくなりたいと思う
優しくなりたいと思う

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小田さんの、風の歌が心にしみます。

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ご心配をおかけして、コメントやメールを頂いて、ほんとにありがたかったです。

ありがとうございます。

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少し時間が経ったこと、そして、話ができて、心が幾分軽くなったように思います。
心の中の思いを外に出すことが出来て。


季節は秋。

今日は一時間くらいですが、北鎌倉を歩くことが出来ました。
竜胆、小菊、北鎌倉にも秋がゆっくりと訪れていました。


一つずつ失って、青春の時は遠く、少なく・・・、こうやって年をとるものなのですね。

でも、心のエッジは痛いけれど、その鋭さは、なくしたくはないなと思いました。この痛みは彼の分。


心地よい風たち。横浜の風、やはり大好きです。

" 2012/10/20 Yokohama Minatono Mieru Okakoen "


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鎌倉瑞泉寺_彼岸花&Mozart Piano Concerto No.27 K.595 Pires:20121006 [鎌倉]

乾いた軽めの空気をいっぱい吸い込んで、

八幡宮から清泉小学校の前を通り、秋の鎌倉の道を歩きます。 雪ノ下のあたりも良いところ。
お洒落なお店があちらこちらに。

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カフェ・ラルゴさん。

喉が渇いたので、コーヒーを頂きたかったのですが、11時からでした。 

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鎌倉宮へ向かう途中の喫茶店、店が変わっていました。

" mogura " さん。 Beer & Wine 。 すごく、興味あり (笑) 。

今度、誰かと入ってみたい。 コーヒーも良いし、ビールならなお良いです。

テニスコートの横を通り、獅子舞の谷との分かれ道を右へたどります。

パンの良いにおい。

天然酵母のパン屋さんがあるのですが、この日はパン教室だけ開いているとのこと。美味しそうなパンの匂いがするのですが、買うことは出来ません。 朝食前の胃にダイレクトに甘くて香ばしい匂い・・・。そんな・・・。 ^^;

帰りには、パンを買おう。

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瑞泉寺にたどり着きました。

良く来るようになったのは、高校生の頃から。 それからだと・・・大変だ・・・ウン十年。 ^^;
年取るはずです。

北鎌倉なら、東慶寺。
鎌倉なら、瑞泉寺。 じぶんの好きなお寺。

瑞泉寺も花の寺。いつ来ても、季節の花たちが待っていてくれます。

2012年の彼岸花のラストはここにしました。

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今年の彼岸花、東慶寺、八幡宮、そして、瑞泉寺もちょうど咲きたての頃に会うことが出来ました。

彼岸花も、咲いてすぐの色と少し経ってからの色では色味が違います。

咲きたての鮮やかな赤色リボンが好きです。

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咲いている環境も違うし、光の当たり方も違った3つの場所。

それぞれ、独特の素敵な表情で楽しませてくれましたが、

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一番落ち着いて会えたのは瑞泉寺だったのかもしれません。

薄曇の二階堂の瑞泉寺。若い頃のじぶんの鎌倉といえば、ここ瑞泉寺でした。鎌倉のお寺らしく、山寺、質実剛健、鎌倉武士の雰囲気が色濃く残っているところ。
山門に向かう丸く磨り減った古い石の階段にも、古からの時が刻み込まれています。

この日、季節の山野草が咲くこの庭で会った彼岸花たちは、他のところで見たものたちとは少し雰囲気が違っていました。

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誰もいない山門下の庭で、しばらく彼岸花たちとファインダー越しに話をします。

静寂、
ただ、山の音が聞こえるだけ。

しばらくの間、Walkman のスイッチを切りました。

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黒いアゲハが2頭、ぼくの背よりも高いピンクのムクゲの花の上で、ひらひらと舞っています。
1頭は少し翅が痛んでいますが、ベルベットの黒い衣装が揺らいで、優雅な飛翔。 

ヒカゲチョウもぼくの周りをひらひら。草花と間違えたのか足にとまります。

セセリチョウも、ときはとまったかのよう。

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静謐、

時はゆるやかに流れ、木漏れ日、彼岸花。

胡蝶の夢。

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静かな空気の中で咲きたての彼岸花たち。

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ここでは、ピカピカのまつげではなくて、緑の中にふわっと柔らかく浮かんでいる、

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その素敵な色彩を楽しみました。

写真は自分の腕ではとても難しいのですが、でも、彼岸花、近寄っても、ひいても、とても趣のある花。

今年は、色々な表情を見ることができました。

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瑞泉寺、芙蓉と彼岸花と、そしてこの日はシュウメイギクも綺麗に花を咲かせていました。

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シュウメイギクは、瑞泉寺が一番だと思います。

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このお寺の雰囲気にとても合っている花だと思います。

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白とピンクのものと、こんな八重のシュウメイギクもあるのですね。これは本当にキクに似ています。

でも、シュウメイギク、
キクって名前が付いていますが、菊の仲間ではなくてアネモネの仲間なのだそうです。

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これ、これです。 笑

シュウメイギクの茎のアート、いつ見てもすごいと思います。

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木立を通り抜ける爽やかな風。

一人きりの瑞泉寺の境内。鬼瓦も何種類かあるお寺です。久しぶりの鬼瓦フェチ (笑)

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音楽は、Mozart Piano Concerto No.27 K.595  Maria Joao Pires ピアノ& Abbado 指揮 を連れて行きました。

27番のコンチェルトは、Mozart 最後のピアノコンチェルト。
1791年12月にMozart はなくなるのですが、その同じ年の1月に作曲された曲です。

他のウィーンで作曲されたコンチェルトとは違って、予約演奏会用に、即ち、お金を直接稼ぐのを目当てには作られていません。
Mozart の他の晩年の曲、クラリネット5重奏やコンチェルトなどと同じようにとても静謐な・・・書き過ぎかもしれませんが、諦念の感情さえ曲の間に聴くことができると思います。特に第二楽章・・・。
晩秋の澄んだ空、乾いた空気、明るいのだけれど、どこか物悲しい、そんな感じがする曲です。

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ぼくは、K.595、何種類かCD とアナログレコードを持っていますが、情感たっぷりに諦念、悲しさなどをダイレクトに感じるのは、内田さんの演奏です。

そして、もっと感情を抑えて、客観的に静謐さ・・・でも、その中を覗くと一音一音に空の薄い青色が透けて見える、そんな感じのする演奏は、今回のPires の演奏でした。

もっとも、Pires の最近の演奏は聴かなくても? 全部好きな自分なので、贔屓目も多少あるのだと思いますけれど。

Pires のピアノの音、一つ一つが好きです。
鍵盤の重さ、質量を感じさせない、レースのカーテンにそよぐ風のような音達。
この音達に包まれて、ずうっといられれば。そんな音色。

今回の散歩にとても似合っている曲だと思いました。

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今回、K.595を改めて何種類か聞いてみましたし、少し調べてもみました。
巷では、バックハウスとカール・ベームの演奏が一番とのこと。

ならばと、緊急に、Amazon のサイトでポチッ。 今日届くのだと思います。バックハウスはどんな演奏なんでしょう。
これも楽しみ。

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瑞泉寺で彼岸花とシュウメイギクを見て、流石にお腹がすきました。 ^^;

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帰りに、Bigot の店 " モン・ペシェ・ミニョン " さんで、クロワッサンを2つとバゲットを買いました。

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岐れ道交差点から、ずーっとパンの香ばしい匂い。

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帰りの横須賀線の中でもずーっと・・・。

家まで我慢するのはとても辛かった (笑)。

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成城石井さんで、山梨ワインのヌーボーも一本買ってきたので、
これとでパンを美味しく頂きました。ヌーボーはとてもフルーティー。ジュースみたいで軽くて、ついつい、くいくいでした。

そう言えばボジョレーももうすぐですね。実りの秋、これも楽しみがいっぱいです。

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冷蔵庫から、6Pチーズ。このチーズが一番癖がなくて美味しい。

バゲットは塩気が幾分大目かな? という感じ。
焼き加減もいい感じ、クラストはパリッとしていて、クラムは気泡がたくさん入っています。

ワインとの相性、抜群の美味しいバゲットでした。

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色々とあって、精神的に少し疲れています。
アップもやめようかと思ったのですが、瑞泉寺の彼岸花たちに悪いので、簡単にアップしました。

K.595 今日もゆっくり聴こうと思います。

" 2012/10/06 Kamakura Zuisenji & Pires Mozart Piano Concerto No.27 K.595 "
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鎌倉八幡宮_彼岸花:20121006 [鎌倉]

ようやく・・・
秋らしくなって来ました。 10月ですものね。

でも、今朝も半袖と短パン 笑 。

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先週は、北鎌倉、東慶寺の小さな秋に会いに行きましたが、
鎌倉にも、もちろん秋は来ているはず。

出来れば、八幡宮と瑞泉寺の彼岸花が見たい。

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色々と心配事はあるし、悲しいこともあったのですが・・・、
だからこそ、良い空気、爽やかな風をこころに入れたい。

すべきことは全部後回しにして、一番付き合いの長い相棒のE-510、レンズは50-200と14-42mm を連れて鎌倉へ散歩に出かけることにしました。

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カリカリのトーストに、シャウエッセンを焼きレタスとはさんだ朝食を食べてから、8時17分の横須賀線に飛び乗りました。

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結構混んでいます。
土曜日なのに勉強かな? 学生さん。

家族連れ、何組かの友達どうしのグループ、笑い声も楽しそう。秋の鎌倉を楽しまれる方達なのでしょうね。

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小町通はのんびり。
鳥居の横のペコちゃんポコちゃんもゆっくりと、目覚めたばかり。

人力車のお兄さんたちもまだいません。

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日中はすごい混雑で、この通りにどんな店があるのか良く分らない状態ですが、この時間だと、駅の方からずーっと見通すことが出来ます。
ああ、この店はこういう外観なのだなと、今更ながらに納得したりします。

そんな空間を音楽を聴きながら、あっちを見てこっちを覗いて、そぞろ歩き。

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混んでいないと小町通らしくありませんが、されど、こういうのも早朝ならではの光景です。

朝からですが、ワイン飲みたい、このくらいたくさん飲みたい等と歩きながら・・・。

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八幡宮の境内を抜けて鎌倉宮の方へ向かう側から出てみると、

咲いてました。八幡宮の彼岸花たち。

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塀と道路の間の狭い土手ですが、ずーっとかなりの距離、彼岸花の独特の赤い色が続いています。

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この色、なんともいえない素敵な朱色、緑の中にぽつぽつと明るい絵の具を落としたよう。

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血の色をイメージするからでしょうか?  
生け花や茶花等では使ってはいけない花のようですし、和歌などにも使われていないようです。

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咲いている場所? 咲き方のせい ?  どうしてだろう?

そういう事を考えずに、ただこうして向かい合ってみると、素敵な色彩なのですけれど。

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綺麗な花ってないのかもしれません。

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花を見て綺麗と思うぼくたちがいるから花は美しい。

もちろん、古からの鑑賞の仕方、鑑賞のDNA のようなものは必要なのだと思いますが、それらにあまりとらわれる必要はないのかな?  などとも思います。

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じぶんの心の持ち方によって、ものって違って見えますよね。

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ぼくの彼岸花の鑑賞方法、

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どうしてもルージュとか、長いまつげとか、

サイバーチックなシャイニングカラー ♪ をイメージしてしまいます。

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秋に彩を与えてくれる可愛くて綺麗な花。
彼岸花、Lycoris radiata 。

邪道かな? 妖艶、艶やか、情念 etc etc ・・・。本当は彼岸花ってそういうイメージなんですよね。

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蕾はほとんどなかったので、全ての花たちが開花していたのだと思います。
早いものはもう、花を散らしていました。

休みしか来ることの出来ないじぶんにとっては、今年の八幡宮の彼岸花たち、ぎりぎりで間に合ったというところ。
鎌倉、花暦、彼岸花、一枚繰ることが出来ました。

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この後、瑞泉寺に向かったのでしたが、長くなるので別の記事にしたいと思います。
瑞泉寺の彼岸花たちも綺麗に咲いていましたし、シュウメイギクも素敵な長い茎を見せてくれました。予告編です 笑 。

Mozart Piano Concerto No.27 K.595 ピリスの新譜が届いていたので、このCD を聴きながらの鎌倉散歩、
静謐、透明感、秋の空・・・、Mozart 最後のピアノコンチェルト・・・、秋の散歩にはぴったりです。これも次に。
前半部分おしまい。

" 2012/10/06 Kamakura Hachimangu & Lycoris radiata "
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