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ブリヂストン美術館 ≪ 筆あとの魅力 ― 点・線・面 ≫ ブリヂストン美術館コレクション展 印象派から抽象絵画まで20130112 [絵画]

3連休の初めの土曜日、家族は学校やコンサートやらそれぞれの予定あり。

それなら、じぶんもどこかへ ?

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あれやこれやと考えて行き着いたところは、「やっぱり絵」ということでした。
フェルメールショックから早く抜け出して、2013年も色々と開催される展覧会に備えないといけないなと (笑) 。

チケットはいくつか持っているのですが、見たいグレコはあいにく19日からだし、ではやはりあの絵を見に行こうということで、京浜東北線に乗って東京駅まで。

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相変わらず、東京駅はすごい人です。すっかり、観光スポットになってしまったようですね。
皆さん、駅舎に向かってカメラ、カメラです。

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じぶんは絵を見に行く前に、一箇所行きたかったところがありました。

ランチ代わりにと、一軒のお店に向かいました。

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パティスリー・サダハル・アオキさんです。

甘いもの好きな友達から聴いていて、一度行ってみたいと思っていました。

「デザイン」、
ケーキでデザインって言うのは変なのかもしれませんが、そのフォルムがとても素敵で、並んでいるところが一度見たい、
そして、味も確かめてみたいと思っていたのです。

青木定治さんは、元TBSアナウンサー、雨宮搭子さんのご主人。パリで修行をされて2001年にパリに店を構えました。
その後、日本に逆輸入?
今ではここ丸の内をはじめ5店ものお店が東京にあります。

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ケースを見ると綺麗に細長い四角いケーキ、どれも同じ大きさの何種類かのケーキが整然と並んでいました(写真はお試しセットなので、それぞれ1つは実際のものの1/4 ほどの大きさです)。

スマート、精悍さも感じます。どれも食べてみたいのですが、全部を食べるのは無理なので、イートインコーナーでお試しセット?
6種類を少しずつ頂けるセットをオーダーしました。お茶はセイロンティー。

どれも個性的な味 ♪ 美味しかった、満足です。  ^^

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お腹もいっぱいになったので、それでは本日のメインに ♪

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この界隈、本当に素敵なところになりました。

歩いていると、日本ではなく、どこかヨーロッパの街でも散歩しているような感覚になります。

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行ったのはブリヂストン美術館。

2013年の初めての美術館はやっぱりここ、東京八重洲にあるブリヂストン美術館にしました。

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ちょうど企画展をやっていました。

≪ 筆あとの魅力 ― 点・線・面 ≫ ブリヂストン美術館コレクション展 印象派から抽象絵画まで

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~ 絵画に残された「筆あと」に注意を向けてみると、色のついた「点」を並べていたり、「線」が強調されていたり、「色面」が塗り重ねられているなどの特徴があることに気づきます。それぞれの筆あとから、画家の手の動きや息づかい、画面に刻まれたリズムや身体性などが生き生きと伝わってくることでしょう。 ~  パンフレットより

なるほど、
筆使いに注目して絵画を見てみるのも面白いのかもしれません。
点描も印象派もフォービズムにも特有の描き方があるし、画家それぞれにも個性がありますよね。
筆使いを通して、自分が好きな画家との距離がより近くなるのかもしれません。

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パンフレットを見ていて気が付いたのですが、3月23日からの企画もとても楽しみです。
好きな佐伯祐三の絵を何枚か見ることができるかもしれません。

≪ PARIS 、パリ、巴里 ― 日本人が描く 1900-1945 ≫ これも絶対に見逃せません。

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学生の頃から良く通ったブリヂストン美術館。
どうしてだろう? どこよりも落ち着きます。こじんまりとしていて、それでいて収蔵されている作品のクオリティーはとても高い。

何より旧知の友達に会うような感じ、いつもの絵画たちが待っていてくれます。


でも、このロートレックは、はじめて見たかもしれません。たぶん比較的、新しい収蔵品なのでしょう。
版画でもないし、どうしてモノクロ ?
初めての出会いですが、とてもひかれました。黒と白なのですが、じっと見ていると色を色彩を感じます。ピエロと馬の向こう側に光を感じます。

どうしても気になって、帰って来てからネットで調べてみました。

この作品、ロートレックが23歳の頃に書いたものだということ、当初の署名は「トレクロー Treclau」だったことが分りました。
画家になることを父親から反対されていたロートレック、じぶんの作品だと分からないように反対の署名をしたのですね。

でもでも、
展覧会に出品する際、「ロートレックLautrec」に書き換えたのだそうです。

この絵って、ロートレックが厳格な父親の反対を振り払って、画家になろうと決意したその証の作品だったのです。

なるほど・・・、静かに、でも強い決意がこもった作品だったのですね。
モノクロですが、すごく輝いていて見えたのは、展覧会で輝いていたのは、そのせいなのですね。

やっぱり絵ってすごいや。

< サーカスの舞台裏 > ロートレック 1887年 67×60
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ブリヂストン美術館で好きな絵はたくさんありますが、この絵もその一つ。

岡鹿之助も好きです。特にこの絵はいいなぁ~。

~ 特徴は、第一にカンヴァスの凹凸を生かして細かい筆触を重ねてつくりだす柔らかなマチエールである。第二に、1910年代後半の藤田嗣治や、アンリ・ルソーのパリ風景に影響を受けてつくりだされた素朴で親密な風景という主題である。第三に、時間が止まったかのような一瞬を想起させる無時間性、あるいは永遠性である。第四に、遠近法を無視したことによって生じる不可思議な奥行き感である。 ~ ブリヂストン美術館解説より

色々と見方はあるのかもしれませんが、じぶんは、この構図にフェルメールのデルフトの眺望を重ねてしまいます。
ある種、止まった時、永遠の時間、静寂・・・、静謐・・・。そんなものを感じます。ルソーもどこかにいるなぁ~。

< セーヌ河畔 > 岡鹿之助 1927年 60×73
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ブリヂストン美術館の岡鹿之助といえば、この絵も忘れることは出来ません。

1957年、現代美術日本展最優秀賞を受賞した作品です。電信柱、すごく存在感がありますよね。

ポッキーみたい、かじりたくなるのは内緒です。

< 雪の発電所 > 岡鹿之助 1956年 72.8×90.9
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そして、大好きな佐伯祐三。

わずか30歳でこの世を去ってしまった佐伯祐三。でも、残した作品はすごいです。いいなぁ~。
日本の近代の画家の中で一番好きかもしれない。

向かって右上に「UZO SAHEKI/ A PARIS/ NOV 27/ HOTEL DU MARCHE」って書いてあるんです。
確か、1928年8月16日になくなっているので、その前年の1927年の11月の作品だということが分ります。

大阪に佐伯祐三のまとまったコレクションがあるとのこと。是非、一度見てみたい。

<テラスの広告> 佐伯祐三 1927年 54.2×65.4
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ブリヂストン美術館、すごい作品でいっぱいですが、

この日、会いに来たのはこの2枚です。

この郊外のキリスト、優しい。
満月の夜、道の奥には大きな煙突。

ルオーの筆のあと、パレットナイフ。こんなに黒色が優しい絵って、ほかには見たことありません。

<郊外のキリスト> ジョルジュ・ルオー 1920年~1924年 92×73.6
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そして、やっぱりこの絵。

何回会いに来ているんだろう。もう何十年も通い続けている。

ジョルジュ・ルオーの中ではもちろん一番ですが、今までに見た全ての絵の中でも、とっても気に入っている絵の中の一枚。

優しくて静かで、美しくて、哀しくて、夜明けの湖のように、こころが少しずつ明るく澄んでいくよう。
ずっと一緒にいたい、そんなことをいつも思うルオーの「ピエロ」。
単なるピエロではないな。
全ての優しいものと哀しいものがこの小さなキャンバスの中に詰まっている、そんな感じがします。持って帰りたい。

<ピエロ> ジョルジュ・ルオー 1925年 75.2×51.2
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どのくらい経ったのでしょう ?

外に出ると、夕暮れの街。

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静かに今日の日の余韻を感じながら、東京駅まで歩きました。甘くて美味しくて、優しくて哀しくて良い 一日。

何よりも好きな絵に会うことが出来た充実感でいっぱいです。。

好きな絵に電車に乗ればいつでも会えるのってすごいことだなと改めて思いました。

フェルメールショックも幾分薄れた気がしました(笑)。

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絵ってやはり良いです。
2013年、去年よりもたくさんの絵、展覧会を見たいと思いました。

円空展、王義之展、エル・グレコ展のチケットがあります。 今週末は先ずはエル・グレコかな ?

でも、北鎌倉の梅の具合も気になるのでした。  ^^;

【2013 New Year Episode Ⅲ】
" 2013/01/12 Bridgestone-museum & pâtisserie Sadaharu AOKI "
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