三菱一号館美術館ヴァロットン展:20140809 [絵画]
3月にビアズリーを唯美主義展で見て、
バルテュス展を4月に見て以来、美術展には行っていませんでした。
友達と展覧会に行こうと約束をしていたのですが、友達のお母さんの具合が悪くしばらく行けそうにありません。
高校生の頃から色々とお世話になったお母さんです。
一緒に行けるようになるまで、展覧会はやめようと思っていたのですが、そんなことはしないで行っての一言。
こだわるのもかえって良くないなと思い、今年3つ目の展覧会に出かけてきました。
10時の開館時間に合わせ、
いえ、それよりも少し早めに家を出ました。
三菱一号館美術館がある東京丸の内近辺、休みの朝の感じはとても素敵です。
東京駅がすぐそばにあるとは思えない、静かで落ち着いた雰囲気、柔らかい優しい木漏れ日の似合うところ。
美術館に入る前に相棒の520を連れて30分ばかり散歩をしてしまいました。
フェリックス・ヴァロットン(1865年~1925年)、
スイス出身、パリで創作活動を続けたナビ派に属する画家。ヴァロットン展、初めて見る絵画たちでした。
今年はバルテュスと言い、はじめての出会いの画家が多いです。
ヴァロットン展に行こうと思ったきっかけは、この≪ボール≫をポスターで見たから。
小さな少女が赤いボールを追いかけていて、とても可愛いなと思い実際の画を見てみたいと思いました。
確かに実物は可愛いと思ったのですが、
≪ボール≫ 1899年 オルセー美術館
良く見てみると少女が追いかけている赤いボールの他に、左下の方に褐色のボール? がもう一つあるのを見つけました。
あれっ? どうしてボールが2つあるの?
そう思って改めて画を見始めると、可愛かった画が違って見えるようになりました。
時間とかパースペクティヴとかが一定でない感じです。
どこかゆがんだ感がして、これは単に可愛いと見る画ではないのかもしれない、ヴァロットンってそういう画家ではないなと思いました。
≪夕食、ランプ≫の一部分ですが、結婚したガブリエルと連れ子達とヴァロットンの食事の光景。ヴァロットン自身は手前に大きなシルエットとして描かれていて、正面に向かい合っているのは女の子。
ぱっちりと目は大きく開かれているのですが、何を見ているのでしょう? 虚ろな感じ?
食事を楽しんでいるようにも寛いでいるようにも見えません。
≪夕食、ランプの光≫ 1899年 オルセー美術館
コの字型のソファで帽子をかぶりコートを着たまま、二人の男性と向い合っているシュザンヌは、娼婦だそうです。
≪貞節なシュザンヌ≫の飾られているところから、前の展示室の≪夕食、ランプの光≫の少女が、黒い目が見えました。
ぼくが見ているのではなくて・・・、
2枚の画から見られているような不思議な感じがしました。
≪貞節なシュザンヌ≫ 1922年 ローザンヌ州立美術館
この頃の西洋の画家達の多くが影響を受けたように、ヴァロットンも日本絵画の影響を受けていたようです。
自信、浮世絵も何点か所蔵していたようで、今回それも展示されていました。画かれた画の中にも浮世絵が作中画として登場したりしています。
≪残照≫ 1911年 カンベール美術館
肖像画、裸婦、静物画 etc etc ・・・、色々なジャンルの画が展示されていましたが、ヴァロットンの風景画も気に入りました。
上の≪残照≫は象徴主義の絵画のように思えます。 なぜだか惹かれてしばらく前にたたずんでいました。
きっとヴァロットンの風景画は見たままを画くのではなくて、一度心で咀嚼してそれから書き始めるのでしょう。
思いっきりデフォルメした木々は彼の得意な版画にも通じているように思えます。
≪カーニャの俯瞰的眺望≫は構図と言い色彩と言い、日本画の様でした。
ジャポニズムってある意味すごい。こんなにも影響を与えているのですね。
≪カーニュの俯瞰的眺望≫ 1921年 ローザンヌ州立美術館
裸婦もヴァロットンの作品の中で数多く画かれたものだそうです。実際今回の展覧会でも、多くの裸婦の作品が展示されていました。
どれも特色のある作品ですが、アングルの画いた裸婦に質感も肌の画き方も etc etc ・・・良く似ています。
≪休息≫ 1911年 シカゴ美術館
それもそのはず、ヴァロットンはアングルの裸婦を見てとても衝撃を受けたとのことです。この画、≪トルコ風呂≫もアングルの系譜をたどることができる感じです。もっともアングルのような異国趣味もないし女性の官能的な色気も感じられませんけれど。
犬がいたり、左手の女性は手拭のような模様のタオル?を持っていたり、外反母趾のような脚の女性もいたり 笑。
≪トルコ風呂≫ 1907年 ジュネーヴ美術・歴史美術館
それにしても、どこかよそよそしさを感じる女性たち・・・。
ヴァロットンは裸婦を画く時、デッサンだけして、後はモデルなしにアトリエで画いていったようです。
また、時にはモデルもいなくて裸婦の写真をもとに画いていったとか。
そんなことも影響しているのかもしれませんが、裸婦画であるにもかかわらず、冷静でどこか冷めた感じがする女性たち。
裸婦画、男性にとっては最も美しくて、神秘的なカーヴ、究極の曲線です。そんなに冷静には画けないとは思うのですが?
≪赤い絨毯に横たわる裸婦≫ 1909年 プティ・パレ美術館
ヴァロットンは若い頃、版画家として登場したのだそうです。
今回の展覧会の一つの目玉として、三菱一号館美術館が所蔵するヴァロットンの版画コレクションが展示されていました。 これだけシリーズものがちゃんと揃ったコレクションはないとのこと。
じぶんは版画というと、ビアズリーが好きなのですが、ヴァロットンの版画を見て、これもすごいなぁ~と思いました。
白と黒。大胆で、風刺がきいていて動きもすごく感じます。
≪学生たちのデモ行進 <息づく街パリ>Ⅴ≫ 1893年 三菱一号館美術館
アングル、フレーミングアウト、デフォルメされたフォルム etc etc ・・・、素晴らしい。
≪街頭デモ≫ 1893年 三菱一号館美術館
絵画とはすこし違うヴァロットンがここにはいました。
≪突風≫ 1894年 三菱一号館美術館
今年3つ目の展覧会、いつもの年よりもずっと回数は少ないですが、ゆっくりと初めてのヴァロットンの絵たちと会うことができました。
美術館の中はとてもひんやりしていて、長くいると半袖一枚では寒くなるほどでした。展示室の入り口にはショールが置かれていて「ご自由にお使いください」との用意もあるほど。
外に出て歩いていても、しばらくは暑さを感じませんでした。 ^^;
本当に暑い夏です。 そして、まだまだ続きそうです。
かき氷やスイカを食べるのも良いですが、三菱一号館美術館で冷え冷え~ !! になるのも良いかもしれません 笑
フェリックス・ヴァロットン、
はじめて見た画家でしたが、≪ボール≫を見て気付いた様に、見終わってみるととても不思議さを感じる画家でした。
ナビ派の絵画はいくつか見たことがあり、その中には暖かさを感じるものがたくさんありました。でも、ヴァロットンの絵画は暖色系の色彩を使っていても決して暖かみを感じません。
何かな? 不安感?
黒くてもやもやしたもの、
春樹さんの小説に登場してくる、どこか違う世界から不可思議な穴を通って暗闇から現れる小人や形の定かでない怪物のようなものたち、そんなものが静かに息をひそめどこかに隠れているかのような・・・。
生きているだけで不安になるような何か。 明日への不安、存在することさえの不安・・・。
また、ヴァロットンの作品には女性がたくさん画かれていますが、
手放しで可愛いとか、 綺麗とか、
または色っぽいとか、エロスを感じるとか、
そんな女性は感じられませんでした。
潜在意識の中に人に対する不安感があるのかな?
女性に対しての不安感なのかな?
資産家の娘である3人の子連れのガブリエルとの結婚生活はどんなものだったのでしょう?
幸せだったのかな ? ヴァロットン。
どうして、前の恋人と別れたのかな?
ヴァロットンの画、不思議でよく分からなくて、今ももやもやしています。
見たらよけいに分からなくなって、底なし沼に脚を踏み入れたかのようです。
バルテュスを見た時もそうでしたが、良き時代の絵画たちとは違って、現代に近づくにつれて複雑になって、違う視点を持たないと絵画たちと話ができないのかもしれません。
美はやはり色々なものが混じり合っているのかな。
バルテュスとかヴァロットンとか、これらを十分に鑑賞するには、画と一枚一枚話をするには、感性を磨くこと、色々なものを見たり聴いたり知識を得たりすることも大切なことなのだと、改めて思いました。
今年も早、折り返し点を過ぎてしまいましたが、季節は秋と冬に向かっていきます。芸術鑑賞の季節ももうすぐです。
これからはコンサートだけではなくて、もう少し展覧会へも足を運びたいと思います。
友達とも、また一緒に展覧会に行って、帰りに美味しいビールを頂きたいです。 ^^v
ヴァロットン展を見た後、ブリックスクエァのエシレで久しぶりにクロワッサンを買ってきました。
午前中ならまだ売り切れていません。
ここのクロワッサン、やはり美味しいです。
心の栄養と一緒に、やはり体にも栄養。 ^^
展覧会のことと東京丸の内界隈の優しい光たちの余韻に浸りながら、そして、少し消化不良のヴァロットンの画のこと
もう一度考えながら、ワインとチーズと一緒に頂きました。
謎が深まるのはますますいい? 笑
" 2014/08/02 Mitsubishi 1gokan Museum Valloton "
バルテュス展を4月に見て以来、美術展には行っていませんでした。
友達と展覧会に行こうと約束をしていたのですが、友達のお母さんの具合が悪くしばらく行けそうにありません。
高校生の頃から色々とお世話になったお母さんです。
一緒に行けるようになるまで、展覧会はやめようと思っていたのですが、そんなことはしないで行っての一言。
こだわるのもかえって良くないなと思い、今年3つ目の展覧会に出かけてきました。
10時の開館時間に合わせ、
いえ、それよりも少し早めに家を出ました。
三菱一号館美術館がある東京丸の内近辺、休みの朝の感じはとても素敵です。
東京駅がすぐそばにあるとは思えない、静かで落ち着いた雰囲気、柔らかい優しい木漏れ日の似合うところ。
美術館に入る前に相棒の520を連れて30分ばかり散歩をしてしまいました。
フェリックス・ヴァロットン(1865年~1925年)、
スイス出身、パリで創作活動を続けたナビ派に属する画家。ヴァロットン展、初めて見る絵画たちでした。
今年はバルテュスと言い、はじめての出会いの画家が多いです。
ヴァロットン展に行こうと思ったきっかけは、この≪ボール≫をポスターで見たから。
小さな少女が赤いボールを追いかけていて、とても可愛いなと思い実際の画を見てみたいと思いました。
確かに実物は可愛いと思ったのですが、
≪ボール≫ 1899年 オルセー美術館
良く見てみると少女が追いかけている赤いボールの他に、左下の方に褐色のボール? がもう一つあるのを見つけました。
あれっ? どうしてボールが2つあるの?
そう思って改めて画を見始めると、可愛かった画が違って見えるようになりました。
時間とかパースペクティヴとかが一定でない感じです。
どこかゆがんだ感がして、これは単に可愛いと見る画ではないのかもしれない、ヴァロットンってそういう画家ではないなと思いました。
≪夕食、ランプ≫の一部分ですが、結婚したガブリエルと連れ子達とヴァロットンの食事の光景。ヴァロットン自身は手前に大きなシルエットとして描かれていて、正面に向かい合っているのは女の子。
ぱっちりと目は大きく開かれているのですが、何を見ているのでしょう? 虚ろな感じ?
食事を楽しんでいるようにも寛いでいるようにも見えません。
≪夕食、ランプの光≫ 1899年 オルセー美術館
コの字型のソファで帽子をかぶりコートを着たまま、二人の男性と向い合っているシュザンヌは、娼婦だそうです。
≪貞節なシュザンヌ≫の飾られているところから、前の展示室の≪夕食、ランプの光≫の少女が、黒い目が見えました。
ぼくが見ているのではなくて・・・、
2枚の画から見られているような不思議な感じがしました。
≪貞節なシュザンヌ≫ 1922年 ローザンヌ州立美術館
この頃の西洋の画家達の多くが影響を受けたように、ヴァロットンも日本絵画の影響を受けていたようです。
自信、浮世絵も何点か所蔵していたようで、今回それも展示されていました。画かれた画の中にも浮世絵が作中画として登場したりしています。
≪残照≫ 1911年 カンベール美術館
肖像画、裸婦、静物画 etc etc ・・・、色々なジャンルの画が展示されていましたが、ヴァロットンの風景画も気に入りました。
上の≪残照≫は象徴主義の絵画のように思えます。 なぜだか惹かれてしばらく前にたたずんでいました。
きっとヴァロットンの風景画は見たままを画くのではなくて、一度心で咀嚼してそれから書き始めるのでしょう。
思いっきりデフォルメした木々は彼の得意な版画にも通じているように思えます。
≪カーニャの俯瞰的眺望≫は構図と言い色彩と言い、日本画の様でした。
ジャポニズムってある意味すごい。こんなにも影響を与えているのですね。
≪カーニュの俯瞰的眺望≫ 1921年 ローザンヌ州立美術館
裸婦もヴァロットンの作品の中で数多く画かれたものだそうです。実際今回の展覧会でも、多くの裸婦の作品が展示されていました。
どれも特色のある作品ですが、アングルの画いた裸婦に質感も肌の画き方も etc etc ・・・良く似ています。
≪休息≫ 1911年 シカゴ美術館
それもそのはず、ヴァロットンはアングルの裸婦を見てとても衝撃を受けたとのことです。この画、≪トルコ風呂≫もアングルの系譜をたどることができる感じです。もっともアングルのような異国趣味もないし女性の官能的な色気も感じられませんけれど。
犬がいたり、左手の女性は手拭のような模様のタオル?を持っていたり、外反母趾のような脚の女性もいたり 笑。
≪トルコ風呂≫ 1907年 ジュネーヴ美術・歴史美術館
それにしても、どこかよそよそしさを感じる女性たち・・・。
ヴァロットンは裸婦を画く時、デッサンだけして、後はモデルなしにアトリエで画いていったようです。
また、時にはモデルもいなくて裸婦の写真をもとに画いていったとか。
そんなことも影響しているのかもしれませんが、裸婦画であるにもかかわらず、冷静でどこか冷めた感じがする女性たち。
裸婦画、男性にとっては最も美しくて、神秘的なカーヴ、究極の曲線です。そんなに冷静には画けないとは思うのですが?
≪赤い絨毯に横たわる裸婦≫ 1909年 プティ・パレ美術館
ヴァロットンは若い頃、版画家として登場したのだそうです。
今回の展覧会の一つの目玉として、三菱一号館美術館が所蔵するヴァロットンの版画コレクションが展示されていました。 これだけシリーズものがちゃんと揃ったコレクションはないとのこと。
じぶんは版画というと、ビアズリーが好きなのですが、ヴァロットンの版画を見て、これもすごいなぁ~と思いました。
白と黒。大胆で、風刺がきいていて動きもすごく感じます。
≪学生たちのデモ行進 <息づく街パリ>Ⅴ≫ 1893年 三菱一号館美術館
アングル、フレーミングアウト、デフォルメされたフォルム etc etc ・・・、素晴らしい。
≪街頭デモ≫ 1893年 三菱一号館美術館
絵画とはすこし違うヴァロットンがここにはいました。
≪突風≫ 1894年 三菱一号館美術館
今年3つ目の展覧会、いつもの年よりもずっと回数は少ないですが、ゆっくりと初めてのヴァロットンの絵たちと会うことができました。
美術館の中はとてもひんやりしていて、長くいると半袖一枚では寒くなるほどでした。展示室の入り口にはショールが置かれていて「ご自由にお使いください」との用意もあるほど。
外に出て歩いていても、しばらくは暑さを感じませんでした。 ^^;
本当に暑い夏です。 そして、まだまだ続きそうです。
かき氷やスイカを食べるのも良いですが、三菱一号館美術館で冷え冷え~ !! になるのも良いかもしれません 笑
フェリックス・ヴァロットン、
はじめて見た画家でしたが、≪ボール≫を見て気付いた様に、見終わってみるととても不思議さを感じる画家でした。
ナビ派の絵画はいくつか見たことがあり、その中には暖かさを感じるものがたくさんありました。でも、ヴァロットンの絵画は暖色系の色彩を使っていても決して暖かみを感じません。
何かな? 不安感?
黒くてもやもやしたもの、
春樹さんの小説に登場してくる、どこか違う世界から不可思議な穴を通って暗闇から現れる小人や形の定かでない怪物のようなものたち、そんなものが静かに息をひそめどこかに隠れているかのような・・・。
生きているだけで不安になるような何か。 明日への不安、存在することさえの不安・・・。
また、ヴァロットンの作品には女性がたくさん画かれていますが、
手放しで可愛いとか、 綺麗とか、
または色っぽいとか、エロスを感じるとか、
そんな女性は感じられませんでした。
潜在意識の中に人に対する不安感があるのかな?
女性に対しての不安感なのかな?
資産家の娘である3人の子連れのガブリエルとの結婚生活はどんなものだったのでしょう?
幸せだったのかな ? ヴァロットン。
どうして、前の恋人と別れたのかな?
ヴァロットンの画、不思議でよく分からなくて、今ももやもやしています。
見たらよけいに分からなくなって、底なし沼に脚を踏み入れたかのようです。
バルテュスを見た時もそうでしたが、良き時代の絵画たちとは違って、現代に近づくにつれて複雑になって、違う視点を持たないと絵画たちと話ができないのかもしれません。
美はやはり色々なものが混じり合っているのかな。
バルテュスとかヴァロットンとか、これらを十分に鑑賞するには、画と一枚一枚話をするには、感性を磨くこと、色々なものを見たり聴いたり知識を得たりすることも大切なことなのだと、改めて思いました。
今年も早、折り返し点を過ぎてしまいましたが、季節は秋と冬に向かっていきます。芸術鑑賞の季節ももうすぐです。
これからはコンサートだけではなくて、もう少し展覧会へも足を運びたいと思います。
友達とも、また一緒に展覧会に行って、帰りに美味しいビールを頂きたいです。 ^^v
ヴァロットン展を見た後、ブリックスクエァのエシレで久しぶりにクロワッサンを買ってきました。
午前中ならまだ売り切れていません。
ここのクロワッサン、やはり美味しいです。
心の栄養と一緒に、やはり体にも栄養。 ^^
展覧会のことと東京丸の内界隈の優しい光たちの余韻に浸りながら、そして、少し消化不良のヴァロットンの画のこと
もう一度考えながら、ワインとチーズと一緒に頂きました。
謎が深まるのはますますいい? 笑
" 2014/08/02 Mitsubishi 1gokan Museum Valloton "
東京都美術館バルテュス展:20140420 [絵画]
じぶんだけの感覚かもしれませんが、綺麗と美とは違うかな、特に芸術に関して。
綺麗は形が整い、見ていると心地よさを感じるもの。
美はもっと複雑で、
色々なものがごちゃごちゃに混じり合っている感情のカオス、
心地よさも、ときめきも、静けさも、暖かさも、それだけではなくて、醜さや忌み嫌うべきものも、不安も、恐れもetc etc・・・が混じり合っている中から、
ごく一握りの特別に選ばれた人によって、それが必然であるかのように抽出されたもの。
それが結実した作品には美が宿っています。
アーティストが内面的必然性によって抽出した作品と出会うと、じぶんたちは作品に宿ったそれらを感じることになりますが、たぶん綺麗という感情の幅はそれ程は大きくないと思うのですが、美の方はかなり広い。
ある人は美しいと感じるものも、ある人はただ不安を感じるものでしかないなどということも。
前置きが長くなってしまいましたが、
4月20日(日)、東京都立美術館で開催中の(6月22日迄)バルテュス展に行ってきました。
初日マニアの自分としては初日である19日に行きたかったのですが、土曜日は用事があってどうしても行けず、二日目の
20日になったもの。
展覧会が始ったばかりだったからでしょうか?
開館9時半に合わせていきましたが、写真の通りとても空いていて、リュカさんに教えて頂いてから楽しみにしていたバルテュスの作品たちに、ゆっくりと会ってくることができました。
≪夢見るテレーズ 1938年 150×130 メトロポリタン美術館≫
1908年生まれで2001年に亡くなったバルテュス、かのピカソに「20世紀最後の巨匠」と評されたそうですが、ピカソのように、作品は同じ画家が描いたものなのかな? と思うほど画風にはバリエーションが多いと思いました。
≪決して来ない時 1949年 97.7×84.4 フランシス・リーマン・レープ・アート・センター≫
その中でも主題というか扱われている多くの物は、駅貼りのポスター≪夢見るテレーズ≫の中にもに画かれている少女と猫。
特に少女は、バルテュスが生涯最も関心を持ったモチーフ。それは、絵画的にも私的にもそうであったようです。
≪美しい日々 1944年-1946年 148×199 ハーシュホーン博物館と彫刻の庭≫
シャシー時代のモデルであり同居していた義理の姪のフレデリック、後に結婚する出井節子さん、ともにバルテュスとは30歳ほど離れていて、親子くらいの年の差です。
義理の姪と二人っきりで住んでいたことも、肩がはだけて胸があらわになった、または脚を無防備に開いた大人でない少女を描くことも、タブーを犯すようなスキャンダラスなことだったんだろうと思います。
なぜ、バルテュス?
この絵はとても印象に残りました。斉藤真一の津軽じょんがら節のポスター等、瞽女を思い出しました。
≪朱色の机と日本の女 1967年-1976年 145×192 ニューヨーク、ブレント・R・ハリス・コレクション≫
展覧会を見てきて、なんだかすっきりしませんでした。
良かったのか? そうではなかったのか? こころの奥底をざらっとした感触のするものでなでられたようにも、何か今まで感じたことのない光るものを見たような感じにも思えていました。
そんな中で、「すとん」と良い絵だなと胸に収まったのは、シャシー時代の風景画たち。
明るくて広がりがあって素敵な絵たちです。前景のうわっと指を伸ばしたような? 木が良いですね。
≪樹のある大きな風景(シャシーの農家の中庭) 1960年 130.5×162 パリ、ポンピドゥー・センター、国立近代美術館≫
それからこの肖像画もとても良かったです。
画家アンリ・マチスの孫娘のジャクリーンを描いた肖像画。マルセル・デュシャン夫人が購入したものだとか。
全体のブルーの色彩、ジャクリーヌがとっても可愛いです。
≪ジャクリーヌ・マティスの肖像 1947年 100×80.6 個人蔵≫
空いていてゆっくりと鑑賞することがてきました。
でも、なぜ バルテュス? と思っていて、ブログにも書くことができませんでした。
テレビでも2つのバルテュスの番組を見ました。
BSプレミアム「バルテュスと彼女たちの関係」
日曜美術館「バルテュス 5つのアトリエ」
図録でも読み、二つの番組を見ることで、バルテュスの人となり、人生等を展覧会の時よりも良く知ることができました。
6月7日(土)からは、三菱一号館美術館で「バルテュス 最後の写真―密室の対話」展が開催されます。
バルテュスは、晩年に手の自由がきかなくなると、絵筆をポラロイドカメラに持ち替えて、デッサンに代えてモデルを撮影したとのこと。遺作を画くために撮られた写真も含み、日本で最初の公開なのだそうです。
気になって仕方のないバルテュス、こちらも是非、見に行かねばと思っています。
少女から大人の女性へと変る一瞬の刹那の光。
光を愛し、死ぬまで、アトリエに差し込む光にまでこだわったバルテュス。
外光と共に、終生追い続けた少女の体内から発せられる一瞬の刹那の光。
バルテュスのような絵画と向かった時、タブーとか倫理とかコモンセンスとか、そういうものは忘れ去って、
純粋にただ純粋に絵と向き合わなければ、その美には会うことができないのだなと、なんとなくですが少しだけ自分なりに思えるようになってきました。
人間には、男と女がいます。
村上春樹さんの「女のいない男たち」を読んだ時にも思いましたが、女性の方はバルテュスの作品を見られて、どう思われるのでしょう?
少女から大人になる時の刹那の美・・・って、男性には分かる気がするのです。
我が国にも源氏物語の紫の上みたいなこともあります。
ぼくら男性と同じように女性の皆さんもバルテュスの作品を見るとき思うのでしょうか?
この一週間ほど、喉が痛くて鼻もおかしく、気が付くと高熱を出していました。久しぶりに会社も休みました。
フーフー言っていましたが、少し熱がひけば色々と考えるには良い時間。まとめて何冊か本も読みました。
アルコールも久しぶりに一週間近く抜けたし、体重も3kgほど減です。
たまには、熱を出すのも良いかも (笑)
" 2014/04/20 Retrospective Balthus "
綺麗は形が整い、見ていると心地よさを感じるもの。
美はもっと複雑で、
色々なものがごちゃごちゃに混じり合っている感情のカオス、
心地よさも、ときめきも、静けさも、暖かさも、それだけではなくて、醜さや忌み嫌うべきものも、不安も、恐れもetc etc・・・が混じり合っている中から、
ごく一握りの特別に選ばれた人によって、それが必然であるかのように抽出されたもの。
それが結実した作品には美が宿っています。
アーティストが内面的必然性によって抽出した作品と出会うと、じぶんたちは作品に宿ったそれらを感じることになりますが、たぶん綺麗という感情の幅はそれ程は大きくないと思うのですが、美の方はかなり広い。
ある人は美しいと感じるものも、ある人はただ不安を感じるものでしかないなどということも。
前置きが長くなってしまいましたが、
4月20日(日)、東京都立美術館で開催中の(6月22日迄)バルテュス展に行ってきました。
初日マニアの自分としては初日である19日に行きたかったのですが、土曜日は用事があってどうしても行けず、二日目の
20日になったもの。
展覧会が始ったばかりだったからでしょうか?
開館9時半に合わせていきましたが、写真の通りとても空いていて、リュカさんに教えて頂いてから楽しみにしていたバルテュスの作品たちに、ゆっくりと会ってくることができました。
≪夢見るテレーズ 1938年 150×130 メトロポリタン美術館≫
1908年生まれで2001年に亡くなったバルテュス、かのピカソに「20世紀最後の巨匠」と評されたそうですが、ピカソのように、作品は同じ画家が描いたものなのかな? と思うほど画風にはバリエーションが多いと思いました。
≪決して来ない時 1949年 97.7×84.4 フランシス・リーマン・レープ・アート・センター≫
その中でも主題というか扱われている多くの物は、駅貼りのポスター≪夢見るテレーズ≫の中にもに画かれている少女と猫。
特に少女は、バルテュスが生涯最も関心を持ったモチーフ。それは、絵画的にも私的にもそうであったようです。
≪美しい日々 1944年-1946年 148×199 ハーシュホーン博物館と彫刻の庭≫
シャシー時代のモデルであり同居していた義理の姪のフレデリック、後に結婚する出井節子さん、ともにバルテュスとは30歳ほど離れていて、親子くらいの年の差です。
義理の姪と二人っきりで住んでいたことも、肩がはだけて胸があらわになった、または脚を無防備に開いた大人でない少女を描くことも、タブーを犯すようなスキャンダラスなことだったんだろうと思います。
なぜ、バルテュス?
この絵はとても印象に残りました。斉藤真一の津軽じょんがら節のポスター等、瞽女を思い出しました。
≪朱色の机と日本の女 1967年-1976年 145×192 ニューヨーク、ブレント・R・ハリス・コレクション≫
展覧会を見てきて、なんだかすっきりしませんでした。
良かったのか? そうではなかったのか? こころの奥底をざらっとした感触のするものでなでられたようにも、何か今まで感じたことのない光るものを見たような感じにも思えていました。
そんな中で、「すとん」と良い絵だなと胸に収まったのは、シャシー時代の風景画たち。
明るくて広がりがあって素敵な絵たちです。前景のうわっと指を伸ばしたような? 木が良いですね。
≪樹のある大きな風景(シャシーの農家の中庭) 1960年 130.5×162 パリ、ポンピドゥー・センター、国立近代美術館≫
それからこの肖像画もとても良かったです。
画家アンリ・マチスの孫娘のジャクリーンを描いた肖像画。マルセル・デュシャン夫人が購入したものだとか。
全体のブルーの色彩、ジャクリーヌがとっても可愛いです。
≪ジャクリーヌ・マティスの肖像 1947年 100×80.6 個人蔵≫
空いていてゆっくりと鑑賞することがてきました。
でも、なぜ バルテュス? と思っていて、ブログにも書くことができませんでした。
テレビでも2つのバルテュスの番組を見ました。
BSプレミアム「バルテュスと彼女たちの関係」
日曜美術館「バルテュス 5つのアトリエ」
図録でも読み、二つの番組を見ることで、バルテュスの人となり、人生等を展覧会の時よりも良く知ることができました。
6月7日(土)からは、三菱一号館美術館で「バルテュス 最後の写真―密室の対話」展が開催されます。
バルテュスは、晩年に手の自由がきかなくなると、絵筆をポラロイドカメラに持ち替えて、デッサンに代えてモデルを撮影したとのこと。遺作を画くために撮られた写真も含み、日本で最初の公開なのだそうです。
気になって仕方のないバルテュス、こちらも是非、見に行かねばと思っています。
少女から大人の女性へと変る一瞬の刹那の光。
光を愛し、死ぬまで、アトリエに差し込む光にまでこだわったバルテュス。
外光と共に、終生追い続けた少女の体内から発せられる一瞬の刹那の光。
バルテュスのような絵画と向かった時、タブーとか倫理とかコモンセンスとか、そういうものは忘れ去って、
純粋にただ純粋に絵と向き合わなければ、その美には会うことができないのだなと、なんとなくですが少しだけ自分なりに思えるようになってきました。
人間には、男と女がいます。
村上春樹さんの「女のいない男たち」を読んだ時にも思いましたが、女性の方はバルテュスの作品を見られて、どう思われるのでしょう?
少女から大人になる時の刹那の美・・・って、男性には分かる気がするのです。
我が国にも源氏物語の紫の上みたいなこともあります。
ぼくら男性と同じように女性の皆さんもバルテュスの作品を見るとき思うのでしょうか?
この一週間ほど、喉が痛くて鼻もおかしく、気が付くと高熱を出していました。久しぶりに会社も休みました。
フーフー言っていましたが、少し熱がひけば色々と考えるには良い時間。まとめて何冊か本も読みました。
アルコールも久しぶりに一週間近く抜けたし、体重も3kgほど減です。
たまには、熱を出すのも良いかも (笑)
" 2014/04/20 Retrospective Balthus "
The Beautiful 英国の唯美主義 1860-1900 & Beardsley & Bylsma Bach Cello Suites -Sonatas :20140308 [絵画]
30年も昔に買ったのですが、
岩波文庫 オスカー・ワイルド作 福田恒存訳 「サロメ」、
本棚の一番奥において、大切にしています。
マタイ福音書で語られているお話しを元に、ワイルドが戯曲にしたもの。
踊りの褒美に
イエス・キリストに洗礼を与えた聖ヨハネの首を望んだサロメのお話し。
ワイルドの戯曲も優れたものだと思うのですが、
ビアズリーの挿絵が好きで何度も読み返してきた本です。
土曜日、
展覧会から帰ってきてワインを頂いて、ビルスマの バッハ無伴奏チェロ組曲一番を聴きながら、久しぶりに読み返しました。
バッハ、
まだそこまで達していない気がして?、あまり聴いてはいません。
きっともう少し音楽を聴き進めたならば分かるのだろうな。
じぶんとバッハの関係は、じぶんと日本酒の関係のような感じがします。酒は好きですが、まだ本当の酒の味が分かっていない、みたいな・・・。
でも、ビルスマの無伴奏はとても心にしみてきます。
ワインが美味しい 笑。
展覧会、
今年は3月になるのに、まだ一度も行っていませんでした。
美術館にこんなに長い間行かないなんて、ここ数年ではなかったのですが、絶対に行きたいと思う展覧会に、色々とバタバタしていたせいか?
バタバタし過ぎていて感受性のアンテナが鈍くなっていたせいか? 出会えていませんでした。
それでもそろそろと思い、ネットで展覧会を探していて
「ザ・ビューティフル 英国唯美主義 1860-1900 」 東京 三菱一号館美術館。
耽美主義も嫌いではないし、
ロセッティーとかバーン・ジョーンズ、ムーアとかも、もちろんですが、ビアズリーが何枚か来ているのです。
しかも、サロメの挿絵。
いてもたってもいられなくなって、
これも久しぶりに友達を誘って土曜日の9時50分東京駅集合で、今年初めての展覧会です。
耽美主義、唯美主義の絵画と工芸品、ブローチやネックレスまで、色んな角度からこの美術の活動を見せてくれた展覧会でした。
唯美主義らしい、ムーアの作品。
唯、美しく・・・、美しい女性は彫刻のよう。静けさ、唯美主義の絵画は静けさを感じます。そこには死というものがすぐそばにいるかのようです。
美と死は隣りあわせかのよう。
【≪真夏≫ アルバート・ムーア 1887年 ラッセル=コート美術館 】
唯美主義の運動が建物や調度品、部屋にまで影響を与えて行ったとのこと。
ちょうど、前日に見に行かれたリュカさんが気に入られた作品。
アンナは当時17歳。画家のローレンス・アルマ=タデマの娘さん。流石画家の娘さんですね。17歳で水彩画でここまで描くなんてすごいです。
【≪タウンゼンド・ハウス応接間 1885年9月10日≫ アンナ・アルマ・タデマ 1885年 ロイヤル・アカデミー・オヴ・アーツ】
この絵もとてもひきつけられました。
クリムトみたいで、青木繁みたいで、東洋的で、
展覧会では無表情ですましている女性の絵が多い中で、どこか不気味さも漂わせるギリシア神話の魔女メディア。
ヒキガエルの二段重ね、その横は何なんでしょう? カブトガニ? その不思議さにしばらくずっと釘づけでした。
【≪メディア≫ フレデリック・サンズ 1866-68年 バーミンガム美術館 】
装身具、アクセサリーも何点か出展されていましたが、中でもこのブローチは素敵でした。七宝細工を施した金にトルコ石、
珊瑚、真珠、ルビーを象嵌したもの。
唯美主義では、ひまわりは男性、ゆりは女性、そして孔雀は芸術の気高さを表すそうです。孔雀の絵がとても多かった。
【≪ブローチ≫ エドワード・バーン・ジョーンズ 1885-95年 個人蔵 】
そして、オーブリー・ヴィンセント・ビアズリーです。
こんな顔をしていたんだ。鼻と口と、それに手がとても大きいですね。
1872年イギリス、ブライトンで生まれ、25歳で結核で亡くなった画家です。
創作活動の期間はきっととても短かったんだと思います。せいぜい、4年~5年くらいでしょうか?
【≪サロメの化粧≫ オーブリー・ビアズリー 1907年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫ではP73の挿絵
ビアズリーの線ってすごく好きです。
ペンで一筋に、繊細で、潔くて、
【≪預言者ヨカナーンとサロメ≫ オーブリー・ビアズリー 1907年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫ではP37の挿絵
簡潔で、それでいて余計な線は一本もありません。
それに白と黒の絶妙な配合もすごいなぁ。
そうそう、印象的なヴィオラ・ダ・ガンバ? の演奏者にも、実物に出会うことができました。 このキャラはどういう思考過程で生まれるのでしょう? まるで我が国のアニメとか、イラストの元祖のようですね。
【≪ベリー・ダンス≫ オーブリー・ビアズリー 1907年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫ではP79の挿絵
これと次の2枚も、ほぼ同じ構図で描かれていて、それでいて雰囲気が異なります。
【≪お前の口に口づけしたよ≫ オーブリー・ビアズリー 1893年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫ではP4の挿絵
ああ、あたしはとうとうお前に口づけしたよ、ヨカナーン、お前の口に口づけしたよ。お前の唇はにがい味がする。血の味なのかい、これは?・・・・・・いいえ、さうではなくて、たぶんそれは恋の味なのだよ。恋はにがい味がするとか・・・・・・でも、それがどうしたのだい? どうしたといふのだい?あたしはとうとうお前に口づけしたよ、ヨカナーン、お前の口にくちづけしたのだよ。
一條の月の光がサロメを照らしだす。
【≪クライマックス≫ オーブリー・ビアズリー 1907年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫P93の挿絵
吠える獣はアーサー王伝説に登場する怪物。頭と尾がヘビ、胴体は豹で尻はライオン、足は鹿という形をしているそうです。
この絵は初めて見ましたが、うーーん、ビアズリー、さすが~、そして、すごーーい。
この画像では分からないと思うのですが、書き込みの緻密さ、というか、線の多さが半端ではありません。
隅から隅まで見るのにかなりの時間、この絵の前で釘づけでした。今回の展覧会では一番はまってしまったかもしれません。
ビアズリーのペンの冴え、是非、見て頂きたいです。
また、画家のデッサンの一本の線って、それだけですごく主張してきます。ぼくらが一本の線を引いてもこうはなりません。でも、その中でもビアズリーの線は特別です。
ビアズリー、やっぱりすごい。そして、この線の一つ一つがやっぱり好きだな。
【≪アーサー王が吠える獣を見たこと≫ オーブリー・ビアズリー 1893年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】
じっくりと、会いたかったビアズリーに会うことができました。
展覧会は唯美主義の展覧会。全体的にも唯美主義の活動の奥深さを感じられて、良い展覧会だと思いましたが、自分にとっては、ビアズリーとの出会いの展覧会でした。
この後、友達が買い物があるというので、秋葉原に出ました。
本当は寒かったし、じゃんがらラーメンをしばらくぶりにいただきたかったのですが、ゆっくりと話もしたかったので、いつもの喫茶店「PLACE」さんへ行きました。
ランチは950円。スープとサラダ付き。何年間通っているのだろう? 大盛りのスパゲッティーは食べがいがあります。
ありすぎでお腹いっぱい。 笑
秋葉は、相変わらずの賑わい。
キャンペーンのお姉さんたちも元気。
友達の買い物に付き合って、秋葉のPC のパーツ屋さんを何軒かハシゴしました。それにしても、何年か前の秋葉とは印象がかなり異なっています。
表通りを見るとアニメとメイド喫茶、「ひざまくらで耳ほり」とか「リラックス」とか? の文字が目につきます。
電脳のメッカだったあの頃の面影はあまりなくなってしまいました。それでも、この街に来るとどういう訳かわくわくします。それは変わらない。
ジャンク通りとか、ぶらぶらと歩くのは楽しい。怪しげな東洋のおもちゃ箱をひっくり返したような? そんな感じがします。 笑
ビルスマの11枚組のCD を聴いています。
色々と入っているのですが、2種類のバッハの無伴奏が入っていて、一つはバロックの古楽器での演奏、そして、もう一つはストラディヴァリウスでの演奏です。
どちらも良い演奏で、甲乙つけがたいのですが、今日の感じは、ストラディヴァリウス ♪
でも、聴くとまた飲みたくなって困ります 笑
今年初めての展覧会、思いがけなく長い間ずっと会いたかったビアズリーに会うことができました。
ネットで探してみて良かった。ビアズリーがせっかく来てくれたのに見逃してしまうところでした。
しばらく、美術館に行っていませんでしたが、行ってみると、やっぱり良いです。美術館、どんなに混んでいても、素敵な所です。はまると、絵と自分だけになれるところです。
今年はコンサートばかりでしたが、やはり絵は好きです。
また、何か見つけて見に行きたいと思います。
" 2014/03/08 ART FOR ART'S SAKE THE AESTHETIC MOVEMENT 1860-1900 & Beardsley & Bylsma Bach Cello Suites -Sonatas "
岩波文庫 オスカー・ワイルド作 福田恒存訳 「サロメ」、
本棚の一番奥において、大切にしています。
マタイ福音書で語られているお話しを元に、ワイルドが戯曲にしたもの。
踊りの褒美に
イエス・キリストに洗礼を与えた聖ヨハネの首を望んだサロメのお話し。
ワイルドの戯曲も優れたものだと思うのですが、
ビアズリーの挿絵が好きで何度も読み返してきた本です。
土曜日、
展覧会から帰ってきてワインを頂いて、ビルスマの バッハ無伴奏チェロ組曲一番を聴きながら、久しぶりに読み返しました。
バッハ、
まだそこまで達していない気がして?、あまり聴いてはいません。
きっともう少し音楽を聴き進めたならば分かるのだろうな。
じぶんとバッハの関係は、じぶんと日本酒の関係のような感じがします。酒は好きですが、まだ本当の酒の味が分かっていない、みたいな・・・。
でも、ビルスマの無伴奏はとても心にしみてきます。
ワインが美味しい 笑。
展覧会、
今年は3月になるのに、まだ一度も行っていませんでした。
美術館にこんなに長い間行かないなんて、ここ数年ではなかったのですが、絶対に行きたいと思う展覧会に、色々とバタバタしていたせいか?
バタバタし過ぎていて感受性のアンテナが鈍くなっていたせいか? 出会えていませんでした。
それでもそろそろと思い、ネットで展覧会を探していて
「ザ・ビューティフル 英国唯美主義 1860-1900 」 東京 三菱一号館美術館。
耽美主義も嫌いではないし、
ロセッティーとかバーン・ジョーンズ、ムーアとかも、もちろんですが、ビアズリーが何枚か来ているのです。
しかも、サロメの挿絵。
いてもたってもいられなくなって、
これも久しぶりに友達を誘って土曜日の9時50分東京駅集合で、今年初めての展覧会です。
耽美主義、唯美主義の絵画と工芸品、ブローチやネックレスまで、色んな角度からこの美術の活動を見せてくれた展覧会でした。
唯美主義らしい、ムーアの作品。
唯、美しく・・・、美しい女性は彫刻のよう。静けさ、唯美主義の絵画は静けさを感じます。そこには死というものがすぐそばにいるかのようです。
美と死は隣りあわせかのよう。
【≪真夏≫ アルバート・ムーア 1887年 ラッセル=コート美術館 】
唯美主義の運動が建物や調度品、部屋にまで影響を与えて行ったとのこと。
ちょうど、前日に見に行かれたリュカさんが気に入られた作品。
アンナは当時17歳。画家のローレンス・アルマ=タデマの娘さん。流石画家の娘さんですね。17歳で水彩画でここまで描くなんてすごいです。
【≪タウンゼンド・ハウス応接間 1885年9月10日≫ アンナ・アルマ・タデマ 1885年 ロイヤル・アカデミー・オヴ・アーツ】
この絵もとてもひきつけられました。
クリムトみたいで、青木繁みたいで、東洋的で、
展覧会では無表情ですましている女性の絵が多い中で、どこか不気味さも漂わせるギリシア神話の魔女メディア。
ヒキガエルの二段重ね、その横は何なんでしょう? カブトガニ? その不思議さにしばらくずっと釘づけでした。
【≪メディア≫ フレデリック・サンズ 1866-68年 バーミンガム美術館 】
装身具、アクセサリーも何点か出展されていましたが、中でもこのブローチは素敵でした。七宝細工を施した金にトルコ石、
珊瑚、真珠、ルビーを象嵌したもの。
唯美主義では、ひまわりは男性、ゆりは女性、そして孔雀は芸術の気高さを表すそうです。孔雀の絵がとても多かった。
【≪ブローチ≫ エドワード・バーン・ジョーンズ 1885-95年 個人蔵 】
そして、オーブリー・ヴィンセント・ビアズリーです。
こんな顔をしていたんだ。鼻と口と、それに手がとても大きいですね。
1872年イギリス、ブライトンで生まれ、25歳で結核で亡くなった画家です。
創作活動の期間はきっととても短かったんだと思います。せいぜい、4年~5年くらいでしょうか?
【≪サロメの化粧≫ オーブリー・ビアズリー 1907年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫ではP73の挿絵
ビアズリーの線ってすごく好きです。
ペンで一筋に、繊細で、潔くて、
【≪預言者ヨカナーンとサロメ≫ オーブリー・ビアズリー 1907年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫ではP37の挿絵
簡潔で、それでいて余計な線は一本もありません。
それに白と黒の絶妙な配合もすごいなぁ。
そうそう、印象的なヴィオラ・ダ・ガンバ? の演奏者にも、実物に出会うことができました。 このキャラはどういう思考過程で生まれるのでしょう? まるで我が国のアニメとか、イラストの元祖のようですね。
【≪ベリー・ダンス≫ オーブリー・ビアズリー 1907年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫ではP79の挿絵
これと次の2枚も、ほぼ同じ構図で描かれていて、それでいて雰囲気が異なります。
【≪お前の口に口づけしたよ≫ オーブリー・ビアズリー 1893年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫ではP4の挿絵
ああ、あたしはとうとうお前に口づけしたよ、ヨカナーン、お前の口に口づけしたよ。お前の唇はにがい味がする。血の味なのかい、これは?・・・・・・いいえ、さうではなくて、たぶんそれは恋の味なのだよ。恋はにがい味がするとか・・・・・・でも、それがどうしたのだい? どうしたといふのだい?あたしはとうとうお前に口づけしたよ、ヨカナーン、お前の口にくちづけしたのだよ。
一條の月の光がサロメを照らしだす。
【≪クライマックス≫ オーブリー・ビアズリー 1907年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】 文庫P93の挿絵
吠える獣はアーサー王伝説に登場する怪物。頭と尾がヘビ、胴体は豹で尻はライオン、足は鹿という形をしているそうです。
この絵は初めて見ましたが、うーーん、ビアズリー、さすが~、そして、すごーーい。
この画像では分からないと思うのですが、書き込みの緻密さ、というか、線の多さが半端ではありません。
隅から隅まで見るのにかなりの時間、この絵の前で釘づけでした。今回の展覧会では一番はまってしまったかもしれません。
ビアズリーのペンの冴え、是非、見て頂きたいです。
また、画家のデッサンの一本の線って、それだけですごく主張してきます。ぼくらが一本の線を引いてもこうはなりません。でも、その中でもビアズリーの線は特別です。
ビアズリー、やっぱりすごい。そして、この線の一つ一つがやっぱり好きだな。
【≪アーサー王が吠える獣を見たこと≫ オーブリー・ビアズリー 1893年 ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館 】
じっくりと、会いたかったビアズリーに会うことができました。
展覧会は唯美主義の展覧会。全体的にも唯美主義の活動の奥深さを感じられて、良い展覧会だと思いましたが、自分にとっては、ビアズリーとの出会いの展覧会でした。
この後、友達が買い物があるというので、秋葉原に出ました。
本当は寒かったし、じゃんがらラーメンをしばらくぶりにいただきたかったのですが、ゆっくりと話もしたかったので、いつもの喫茶店「PLACE」さんへ行きました。
ランチは950円。スープとサラダ付き。何年間通っているのだろう? 大盛りのスパゲッティーは食べがいがあります。
ありすぎでお腹いっぱい。 笑
秋葉は、相変わらずの賑わい。
キャンペーンのお姉さんたちも元気。
友達の買い物に付き合って、秋葉のPC のパーツ屋さんを何軒かハシゴしました。それにしても、何年か前の秋葉とは印象がかなり異なっています。
表通りを見るとアニメとメイド喫茶、「ひざまくらで耳ほり」とか「リラックス」とか? の文字が目につきます。
電脳のメッカだったあの頃の面影はあまりなくなってしまいました。それでも、この街に来るとどういう訳かわくわくします。それは変わらない。
ジャンク通りとか、ぶらぶらと歩くのは楽しい。怪しげな東洋のおもちゃ箱をひっくり返したような? そんな感じがします。 笑
ビルスマの11枚組のCD を聴いています。
色々と入っているのですが、2種類のバッハの無伴奏が入っていて、一つはバロックの古楽器での演奏、そして、もう一つはストラディヴァリウスでの演奏です。
どちらも良い演奏で、甲乙つけがたいのですが、今日の感じは、ストラディヴァリウス ♪
でも、聴くとまた飲みたくなって困ります 笑
今年初めての展覧会、思いがけなく長い間ずっと会いたかったビアズリーに会うことができました。
ネットで探してみて良かった。ビアズリーがせっかく来てくれたのに見逃してしまうところでした。
しばらく、美術館に行っていませんでしたが、行ってみると、やっぱり良いです。美術館、どんなに混んでいても、素敵な所です。はまると、絵と自分だけになれるところです。
今年はコンサートばかりでしたが、やはり絵は好きです。
また、何か見つけて見に行きたいと思います。
" 2014/03/08 ART FOR ART'S SAKE THE AESTHETIC MOVEMENT 1860-1900 & Beardsley & Bylsma Bach Cello Suites -Sonatas "
ターナー展に行ってきました:20131027 [絵画]
少し前まで暑い暑いと言っていたのに、いつの間にかカレンダーは11月。気が付けば毛糸の暖かさが心地よくなっています。
年をとるにつれ、加速度的に早くなる時の流れに、最近少し焦ったりも。
一日一日の日々を、時というリソースを大切にしないといけないな。
朝のコーヒーを飲みながら、そんなことを考えている11月の土曜日、横浜は、小雨。部屋の中も寒い。
写真を撮りに出かけようと思っていましたが、天気が良いとは言えないし、日帰りの出張が重なって少し疲れ気味なので、
ラフマニノフの交響曲2番 。
昔から名演との評判の高い、アンドレ・プレヴィンのCD を買いました。「船に乗れ」を読んだ時から大好きになった第3楽章 Adagio を聴きながら、先日行ってきたターナー展の図録を眺めます。
色と光の錬金術師の素晴らしい絵、そして、きれいな、ほんとにきれいな Adagio の旋律・・・。
仕事のことでいっぱいになっていた頭にもさわやかな風を運んでくれるよう。
ブログには書けなかったものもありますが、兵庫県立美術館も初めて行ったし(クラーク美術館展を見ました)、今年も割とたくさんの絵たちに会うことができました。
その中でも年の初めから楽しみにしていたターナー。
もう、20年以上も前になりますが、西洋美術館で一度ターナー展を見ました。
知的好奇心を掻き立てられ、抒情的な風景画に心を揺さぶられて、多様性が不思議で頭の中で陣地取り・・・、理解の範疇を超えていて、そして良くは分からないのだけれど、とても好きになった画家。
四半世紀ぶりにまとまって見られると思うと・・・指折りその日を待ちわびていましたが、10月27日、季節外れの台風が去った次の日、東京都美術館に会いに行ってきました。
≪月光、ミルバンクより眺めた習作≫
どの絵も素敵です。
そして、どの絵が良いのか・・・一枚選ぶとしたら、とても困る画家。今回の展覧会には、画家10代の作品から歿後発見された作品まで、全部で140点の作品が来ていますが、そのどれもがターナーだなと思いました。
全てが素晴らしくて、全てが面白い。
≪バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カンバーランド、にわか雨≫
基本的に作品は風景画なのですが、ターナーの絵は、単なる風景画ではないと思います。
≪レグルス≫
自然の崇高さ、気高さ、脅威、畏怖、絶対的大きさ、静けさ、美しさ、それから・・・移ろい・・・etc etc ・・・。
≪平和-水葬≫
ジョセフ・マロード・ウイリアム・ターナー
それらを目から情報として取り入れ、心の内面でろ過して、絵画という手段で結実する。
自然を見て、聴いて、体全体で感じて・・・そうせざるを得ない、内面的必然性。
≪湖に沈む夕陽≫
印象派、象徴主義、ロマン派、モダニズム。
それらをすべて包含する絵画。
ターナーも、時を超越した、選ばれた芸術家なのだなと、今回の「ターナー展」を見て、そう思いました。
神は時々その気まぐれのせいなのでしょうか? ミューズの御使いとして、この世に選んだ使いをお遣わしになります。
僕らは、Mozart 、 Vermeer、Leonardo da Vinci etc etc・・・それら御使いたちの作品を通して、天上の究極美に断片なのかもしれないけれど、触れることができるのだと思います。
一枚を選ぶことは難しいのですが、今回特に気に入ったのは≪月光、ミルバンクより眺めた習作≫、
≪バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カンバーランド、にわか雨≫、≪レグルス≫、≪平和-水葬≫、
そして≪湖に沈む夕陽≫でした。
≪湖に沈む夕陽≫は、モネの絵画かと見まごうばかり・・・、輪郭も、具体的なフォルムもなく、そこには色彩と光だけ。
ただ、モネの絵よりもずっと絵の具の使い方が大胆で激しさがあります。ターナーの気性が現れているのかもしれません。
≪スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船≫
展覧会を見ていて、今回いくつか自分なりにおもしろかったことがあります。
例えば、この≪スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船≫の向かって左下に描かれた黒いもの、たぶんブイだと思うのですが、さりげなく書かれていますが・・・絶妙の近景の使い方だと思いました。
このような絵が他にもありましたが、絵画の中に奥行を与えて、風や大気やそういうものを描き込むにはとても優れた方法だなと思いました。
≪チャイルド・ハロルドの巡礼-イタリア≫
また、≪チャイルド・ハロルドの巡礼-イタリア≫も面白かったです。
夏目漱石の「坊ちゃん」の中で、島に生える松の姿がターナーの描く絵のようだとして「ターナー島」と呼ばれる島が出てきますが、この作品の松がモデルではないかといわれています。
≪チャイルド・ハロルドの巡礼-イタリア≫
そのエピソードもですが、この峡谷の描き方、すごいと思いました。
峡谷に満ちている大気・・・、その感じの出し方、描き方。しばらくじっと見つめてしまいました。
≪グリゾン州の雪崩≫
何枚かは以前の展覧会で見たことのある絵でした。この雪崩も20数年ぶりの再会です。
≪グリゾン州の雪崩≫
前に見た時はこんな見方をしていなかったのかもしれません、今回見て気が付いたのですが、雪崩の描き方がすごいと思いました。
パレットナイフを使っているのだと思います。
ナイフの荒々しい使い方、雪崩の猛々しさ、自然の恐ろしさが見る者に伝わってきます。
ターナーって本当に色んな描き方をする画家です。
この絵だけでなく、今回140枚の絵画をゆっくりと見ることができ、ターナーの作品の多様性、内面的必然性をより忠実に表すため、色々な試みがされたのだとういうことが良く分かりました。
2万点以上の絵を国に遺贈したことで、作品が散逸することなくテート美術館に収蔵されたことはぼくたちにとっても本当に良かったと思います。
まだまだ研究が進められている様なので、これからもターナーに関する新たな発見があるかもしれません。
また、何年か後に来てくれるといいな。でも、その時は腰が曲がっているかもしれない 笑。
開館と同時に入りましたが、ゆっくりと2時間近く見ていたので、そろそろお腹が空きました。
銀座に出て、いつものお店でビールを飲みながらと思いましたが、建物が大規模改装中でお店はお休み中。
ではと、新規開拓でイタリアンのお店でランチをいただきました。
サラダとマルゲリータ、ドリンクバーで1,200円也。もちろん、喉が渇いていたのでビールも頂きました。
銀座は「銀茶会」なるイベント。
「銀茶会」
" 銀座の街そのものが野点の会場となる、ライブ感あふれる催し「銀茶会」。今年で12回目を迎え、銀座の秋の風物詩として親しまれています。 "
なるほど、野点なんですね。それに12回目なんだ。知らなかった。
でも、銀座の街には野点も、和服の女性も似合っているかも。
お腹はいっぱい、良い絵たちに会えたし、
ほろ酔い気分で銀座から東京駅まで、秋の街の散歩を楽しみました。
いいな、休みの日の銀座、京橋、東京の辺りはとても落ち着いていて、のんびりと歩くことができます。
丸の内ブリックスクウェアの柔らかい日差しも大好き。
今年はあと2か月あります。
まだトーハクのチケット( 「京都」 は見逃せません)もあるし、展覧会には何回か行きたいと思っていますが・・・、「ターナー展」はすごく良かった。
久しぶりに頭がくるくる? 廻りながら見た展覧会になりました。
何年か後にまた見たいです。次にターナーと会った時、どんな風に自分が感じるのか、 それも楽しみです。
" 2013/10/27 TURNER "
年をとるにつれ、加速度的に早くなる時の流れに、最近少し焦ったりも。
一日一日の日々を、時というリソースを大切にしないといけないな。
朝のコーヒーを飲みながら、そんなことを考えている11月の土曜日、横浜は、小雨。部屋の中も寒い。
写真を撮りに出かけようと思っていましたが、天気が良いとは言えないし、日帰りの出張が重なって少し疲れ気味なので、
ラフマニノフの交響曲2番 。
昔から名演との評判の高い、アンドレ・プレヴィンのCD を買いました。「船に乗れ」を読んだ時から大好きになった第3楽章 Adagio を聴きながら、先日行ってきたターナー展の図録を眺めます。
色と光の錬金術師の素晴らしい絵、そして、きれいな、ほんとにきれいな Adagio の旋律・・・。
仕事のことでいっぱいになっていた頭にもさわやかな風を運んでくれるよう。
ブログには書けなかったものもありますが、兵庫県立美術館も初めて行ったし(クラーク美術館展を見ました)、今年も割とたくさんの絵たちに会うことができました。
その中でも年の初めから楽しみにしていたターナー。
もう、20年以上も前になりますが、西洋美術館で一度ターナー展を見ました。
知的好奇心を掻き立てられ、抒情的な風景画に心を揺さぶられて、多様性が不思議で頭の中で陣地取り・・・、理解の範疇を超えていて、そして良くは分からないのだけれど、とても好きになった画家。
四半世紀ぶりにまとまって見られると思うと・・・指折りその日を待ちわびていましたが、10月27日、季節外れの台風が去った次の日、東京都美術館に会いに行ってきました。
≪月光、ミルバンクより眺めた習作≫
どの絵も素敵です。
そして、どの絵が良いのか・・・一枚選ぶとしたら、とても困る画家。今回の展覧会には、画家10代の作品から歿後発見された作品まで、全部で140点の作品が来ていますが、そのどれもがターナーだなと思いました。
全てが素晴らしくて、全てが面白い。
≪バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カンバーランド、にわか雨≫
基本的に作品は風景画なのですが、ターナーの絵は、単なる風景画ではないと思います。
≪レグルス≫
自然の崇高さ、気高さ、脅威、畏怖、絶対的大きさ、静けさ、美しさ、それから・・・移ろい・・・etc etc ・・・。
≪平和-水葬≫
ジョセフ・マロード・ウイリアム・ターナー
それらを目から情報として取り入れ、心の内面でろ過して、絵画という手段で結実する。
自然を見て、聴いて、体全体で感じて・・・そうせざるを得ない、内面的必然性。
≪湖に沈む夕陽≫
印象派、象徴主義、ロマン派、モダニズム。
それらをすべて包含する絵画。
ターナーも、時を超越した、選ばれた芸術家なのだなと、今回の「ターナー展」を見て、そう思いました。
神は時々その気まぐれのせいなのでしょうか? ミューズの御使いとして、この世に選んだ使いをお遣わしになります。
僕らは、Mozart 、 Vermeer、Leonardo da Vinci etc etc・・・それら御使いたちの作品を通して、天上の究極美に断片なのかもしれないけれど、触れることができるのだと思います。
一枚を選ぶことは難しいのですが、今回特に気に入ったのは≪月光、ミルバンクより眺めた習作≫、
≪バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カンバーランド、にわか雨≫、≪レグルス≫、≪平和-水葬≫、
そして≪湖に沈む夕陽≫でした。
≪湖に沈む夕陽≫は、モネの絵画かと見まごうばかり・・・、輪郭も、具体的なフォルムもなく、そこには色彩と光だけ。
ただ、モネの絵よりもずっと絵の具の使い方が大胆で激しさがあります。ターナーの気性が現れているのかもしれません。
≪スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船≫
展覧会を見ていて、今回いくつか自分なりにおもしろかったことがあります。
例えば、この≪スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船≫の向かって左下に描かれた黒いもの、たぶんブイだと思うのですが、さりげなく書かれていますが・・・絶妙の近景の使い方だと思いました。
このような絵が他にもありましたが、絵画の中に奥行を与えて、風や大気やそういうものを描き込むにはとても優れた方法だなと思いました。
≪チャイルド・ハロルドの巡礼-イタリア≫
また、≪チャイルド・ハロルドの巡礼-イタリア≫も面白かったです。
夏目漱石の「坊ちゃん」の中で、島に生える松の姿がターナーの描く絵のようだとして「ターナー島」と呼ばれる島が出てきますが、この作品の松がモデルではないかといわれています。
≪チャイルド・ハロルドの巡礼-イタリア≫
そのエピソードもですが、この峡谷の描き方、すごいと思いました。
峡谷に満ちている大気・・・、その感じの出し方、描き方。しばらくじっと見つめてしまいました。
≪グリゾン州の雪崩≫
何枚かは以前の展覧会で見たことのある絵でした。この雪崩も20数年ぶりの再会です。
≪グリゾン州の雪崩≫
前に見た時はこんな見方をしていなかったのかもしれません、今回見て気が付いたのですが、雪崩の描き方がすごいと思いました。
パレットナイフを使っているのだと思います。
ナイフの荒々しい使い方、雪崩の猛々しさ、自然の恐ろしさが見る者に伝わってきます。
ターナーって本当に色んな描き方をする画家です。
この絵だけでなく、今回140枚の絵画をゆっくりと見ることができ、ターナーの作品の多様性、内面的必然性をより忠実に表すため、色々な試みがされたのだとういうことが良く分かりました。
2万点以上の絵を国に遺贈したことで、作品が散逸することなくテート美術館に収蔵されたことはぼくたちにとっても本当に良かったと思います。
まだまだ研究が進められている様なので、これからもターナーに関する新たな発見があるかもしれません。
また、何年か後に来てくれるといいな。でも、その時は腰が曲がっているかもしれない 笑。
開館と同時に入りましたが、ゆっくりと2時間近く見ていたので、そろそろお腹が空きました。
銀座に出て、いつものお店でビールを飲みながらと思いましたが、建物が大規模改装中でお店はお休み中。
ではと、新規開拓でイタリアンのお店でランチをいただきました。
サラダとマルゲリータ、ドリンクバーで1,200円也。もちろん、喉が渇いていたのでビールも頂きました。
銀座は「銀茶会」なるイベント。
「銀茶会」
" 銀座の街そのものが野点の会場となる、ライブ感あふれる催し「銀茶会」。今年で12回目を迎え、銀座の秋の風物詩として親しまれています。 "
なるほど、野点なんですね。それに12回目なんだ。知らなかった。
でも、銀座の街には野点も、和服の女性も似合っているかも。
お腹はいっぱい、良い絵たちに会えたし、
ほろ酔い気分で銀座から東京駅まで、秋の街の散歩を楽しみました。
いいな、休みの日の銀座、京橋、東京の辺りはとても落ち着いていて、のんびりと歩くことができます。
丸の内ブリックスクウェアの柔らかい日差しも大好き。
今年はあと2か月あります。
まだトーハクのチケット( 「京都」 は見逃せません)もあるし、展覧会には何回か行きたいと思っていますが・・・、「ターナー展」はすごく良かった。
久しぶりに頭がくるくる? 廻りながら見た展覧会になりました。
何年か後にまた見たいです。次にターナーと会った時、どんな風に自分が感じるのか、 それも楽しみです。
" 2013/10/27 TURNER "
プーシキン美術館展&元町パンケーキ・リストランテ:20130704 [絵画]
聴く音楽も偏っていますが、好きな絵画も? 偏っているかもしれません。
フェルメールの真珠の首飾りの女、ミルクを注ぐ女、ブリヂストン美術館にあるルオーの若い女の肖像、郊外のイエス・キリスト、佐伯祐三のパリを描いた絵画達。
静けさ、
静寂や哀愁・・・その中の優しさ、刹那等を感じる作品なのだと思います。
どうもじぶんは、この手の作品に惹かれるようです。
そうそう、これもあまり実際の絵画は見たことがないけれど、エゴン・シーレの作品にも同じようなものを感じる。
4本の木なんてすごく良い絵。
ただ、今回、横浜に来ているプーシキン美術館展の≪ジャンヌ・サマリーの肖像≫は、これらの絵とは違うけれど、とても好きになってしまいました。
横浜駅でポスターを見て一目惚れです。
≪アングル 聖杯の前の聖母≫
胸元が大きく開いたブルーのドレスにはバラが付いていますが、彼女の明るい肌に溶け込んでいるし、
その健康そうな肌もバックのバラ色と同化しているかのよう。
画面全体が明るいローズピンク。
この色だけでも心がぱっと明るくなります。
でも、ルノワールは、更に更にぼくらをこの絵の中へと引き込んでくれる。
≪プッサン アモリ人を打ち破るヨシュア≫
ジャンヌ・サマリー嬢の愛らしい頬、真っ赤な光った唇、コバルト色の瞳・・・、
このくっきりとした瞳がこの肖像画に活き活きと素敵な命を与えている。
この瞳、そして、亜麻色のショートカットの髪。
≪ゴーギャン エイアハ・オヒハ≫
左手で頬杖を付きリラックスしていて、とても親近感を覚える。
こんな表情されたら、たまらない 笑。
≪ゴッホ 医師レーの肖像≫
印象派の画家の描いた肖像画の中では一番好きかもしれないです。見ているだけで心が幸せに、温かくなってきます。
≪ルソー 詩人に霊感を与えるミューズ≫
7月6日(土)横浜においての展覧会初日にもちろん会いに行ってきました。
≪フロマンタン ナイルの渡し船を待ちながら≫
この絵も好きです。色彩も、構図も・・。広がりがとても好き。
プーシキン美術館展、東日本大震災の年に開催される予定でしたが、震災の影響で結局開催されなかった幻の展覧会。
≪コロー 突風≫
コローのこの絵もとても良かったです。銀色のコロー。自然を書かせたら一番かも知れない。
2年余りぶりに待望の開催です。
≪ルイジ・ロワール 夜明けのパリ≫
雨上がりの夜明け・・・、パリのこんな情景、実際に見れたら最高ですね。こんな屋台で飲んだくれてみたいです
このルノワールの≪ジャンヌ・サマリーの肖像≫等印象派の他にも、
ゴッホ≪医師レーの肖像≫、ゴーキャン≪エイアハ・オヒパ(働くなかれ)≫等の印象派以降の画家達の作品、
≪クルーズ 手紙を持つ少女≫
TaekoLovesParisさん、この絵です 笑
そして、アングル≪聖杯の前の聖母≫やプッサン≪アモリびとを打ち破るヨシュア≫などアカデミックの画家達の作品も。
フランス絵画の歴史を辿ることができるし、見て思ったのはどの絵画も質が高くて粒選りだということでした。
1時間半くらい、横浜美術館は明るくて開放的な美術館です、ゆっくりと、良い時間を持つことができました。
もちろん、連れて帰ってきたのはジャンヌ・サマリー嬢のポスター。
しばらくぼくの部屋にいてもらうことにします。笑
プーシキン美術館展お勧めです。
この日は娘と一緒に出かけました。
何が食べたいと聴くと、パンケーキとのこと。
確か、新しく出来た Mark is にパンケーキのお店があったはずと、向かいましたが・・・、
残念、すごく混雑していました。
ならば、fraise さんや、こういち3さんがご紹介されていた元町のお店へと。
みなとみらい線に乗って元町中華街まで。
娘のスマホの地図でお店を検索して向かいました。
" Pancake Ristorante " さん。
娘はお腹が空いているとのことで、ランチメニューから牛すじ肉のカルボナード、パンケーキ3枚。
じぶんは甘いものが食べたかっので、3種のベリーのパンケーキを頂きました。
パンケーキを3枚も食べたのは小学生以来かも?
と思うほど、記憶がないほど、久しぶりにガッツリとパンケーキを頂きました。
美味しかった。
ただ、お腹はいっぱい・・・。
この日はビールだけで、夕飯はいりませんでした・・・ ^^;
" Pancake Ristrante "
娘、
「美味しかった」 「また来ようね」
了解です。 ^^
でも、今度はパンケーキは2枚にしておきます。
ブログの皆さんの情報ってうれしい。
ラーメンとビールのことなら色々と自信がありますが、
甘いものの情報量は少しだけなので、地元横浜でも、どこに美味しいお店があるのか・・・そんなには知りません。
今回も、ブログで読ませて頂いていて、ほんと助かりました。
良い絵を見て、美味しいパンケーキを食べて、う~ん、満足な一日。
しばらく、いっしょだね。
" 2013/07/06 PUSHKIN MUSEIM OF FINE ARTS & Pancake Ristrante "
フェルメールの真珠の首飾りの女、ミルクを注ぐ女、ブリヂストン美術館にあるルオーの若い女の肖像、郊外のイエス・キリスト、佐伯祐三のパリを描いた絵画達。
静けさ、
静寂や哀愁・・・その中の優しさ、刹那等を感じる作品なのだと思います。
どうもじぶんは、この手の作品に惹かれるようです。
そうそう、これもあまり実際の絵画は見たことがないけれど、エゴン・シーレの作品にも同じようなものを感じる。
4本の木なんてすごく良い絵。
ただ、今回、横浜に来ているプーシキン美術館展の≪ジャンヌ・サマリーの肖像≫は、これらの絵とは違うけれど、とても好きになってしまいました。
横浜駅でポスターを見て一目惚れです。
≪アングル 聖杯の前の聖母≫
胸元が大きく開いたブルーのドレスにはバラが付いていますが、彼女の明るい肌に溶け込んでいるし、
その健康そうな肌もバックのバラ色と同化しているかのよう。
画面全体が明るいローズピンク。
この色だけでも心がぱっと明るくなります。
でも、ルノワールは、更に更にぼくらをこの絵の中へと引き込んでくれる。
≪プッサン アモリ人を打ち破るヨシュア≫
ジャンヌ・サマリー嬢の愛らしい頬、真っ赤な光った唇、コバルト色の瞳・・・、
このくっきりとした瞳がこの肖像画に活き活きと素敵な命を与えている。
この瞳、そして、亜麻色のショートカットの髪。
≪ゴーギャン エイアハ・オヒハ≫
左手で頬杖を付きリラックスしていて、とても親近感を覚える。
こんな表情されたら、たまらない 笑。
≪ゴッホ 医師レーの肖像≫
印象派の画家の描いた肖像画の中では一番好きかもしれないです。見ているだけで心が幸せに、温かくなってきます。
≪ルソー 詩人に霊感を与えるミューズ≫
7月6日(土)横浜においての展覧会初日にもちろん会いに行ってきました。
≪フロマンタン ナイルの渡し船を待ちながら≫
この絵も好きです。色彩も、構図も・・。広がりがとても好き。
プーシキン美術館展、東日本大震災の年に開催される予定でしたが、震災の影響で結局開催されなかった幻の展覧会。
≪コロー 突風≫
コローのこの絵もとても良かったです。銀色のコロー。自然を書かせたら一番かも知れない。
2年余りぶりに待望の開催です。
≪ルイジ・ロワール 夜明けのパリ≫
雨上がりの夜明け・・・、パリのこんな情景、実際に見れたら最高ですね。こんな屋台で飲んだくれてみたいです
このルノワールの≪ジャンヌ・サマリーの肖像≫等印象派の他にも、
ゴッホ≪医師レーの肖像≫、ゴーキャン≪エイアハ・オヒパ(働くなかれ)≫等の印象派以降の画家達の作品、
≪クルーズ 手紙を持つ少女≫
TaekoLovesParisさん、この絵です 笑
そして、アングル≪聖杯の前の聖母≫やプッサン≪アモリびとを打ち破るヨシュア≫などアカデミックの画家達の作品も。
フランス絵画の歴史を辿ることができるし、見て思ったのはどの絵画も質が高くて粒選りだということでした。
1時間半くらい、横浜美術館は明るくて開放的な美術館です、ゆっくりと、良い時間を持つことができました。
もちろん、連れて帰ってきたのはジャンヌ・サマリー嬢のポスター。
しばらくぼくの部屋にいてもらうことにします。笑
プーシキン美術館展お勧めです。
この日は娘と一緒に出かけました。
何が食べたいと聴くと、パンケーキとのこと。
確か、新しく出来た Mark is にパンケーキのお店があったはずと、向かいましたが・・・、
残念、すごく混雑していました。
ならば、fraise さんや、こういち3さんがご紹介されていた元町のお店へと。
みなとみらい線に乗って元町中華街まで。
娘のスマホの地図でお店を検索して向かいました。
" Pancake Ristorante " さん。
娘はお腹が空いているとのことで、ランチメニューから牛すじ肉のカルボナード、パンケーキ3枚。
じぶんは甘いものが食べたかっので、3種のベリーのパンケーキを頂きました。
パンケーキを3枚も食べたのは小学生以来かも?
と思うほど、記憶がないほど、久しぶりにガッツリとパンケーキを頂きました。
美味しかった。
ただ、お腹はいっぱい・・・。
この日はビールだけで、夕飯はいりませんでした・・・ ^^;
" Pancake Ristrante "
娘、
「美味しかった」 「また来ようね」
了解です。 ^^
でも、今度はパンケーキは2枚にしておきます。
ブログの皆さんの情報ってうれしい。
ラーメンとビールのことなら色々と自信がありますが、
甘いものの情報量は少しだけなので、地元横浜でも、どこに美味しいお店があるのか・・・そんなには知りません。
今回も、ブログで読ませて頂いていて、ほんと助かりました。
良い絵を見て、美味しいパンケーキを食べて、う~ん、満足な一日。
しばらく、いっしょだね。
" 2013/07/06 PUSHKIN MUSEIM OF FINE ARTS & Pancake Ristrante "
西洋美術館ラファエロ展&今年初めての桜:20130317 [絵画]
外国には数回しか行っていなくて、美術館もそれほど見ている訳ではありません。
でも、一度の出会いで忘れられなくなった絵画たちもいて、フィレンツェを訪れたとき、短い滞在時間の中で2度ウフィツィに行ったのですが、そこで出会った何枚かの絵画たちもそうでした。
ラファエロの肖像画はそのうちの一枚。
娘が生まれる前でしたから、もうずっーと以前のことになりますが、そのラファエロの肖像画と日本で会えるとは思ってもいませんでした。
絶対に行かなくてはと、昨年から心に決めていました。
まして、海外に持ち出すのはきっと難しいのでしょうに、ラファエロの絵が20作品も来ると聴けば尚更です。
3月17日の日曜日、始動は遅くなってしまいましたが、西洋美術館で6月2日まで開催されている " Raffaello ラファエロ " 展に行って来ました。
花粉はひどいものの、天気は暖かくてうららかな日曜日。
上野公園は家族連れの方たちで賑やかです。
日曜日の10時30分、これだと美術館は混雑しているのかなと思いましたが、チケットを買う列も2~3人、西洋美術館はそれほどの混雑ではありません。
かえって、いつもより遅めに家を出て正解だったのかもしれません。
そして、
出迎えてくれたのは、いきなりラファエロでした。
久しぶりの再開・・・。
ラファエロは1487年生まれなので、たぶん20代前半の頃の自画像。
どういう表情なのでしょう? 喜怒哀楽は? 強いて言えばすましている?
現代の日本ならばイケメンと言うのでしょうが、、静けさが漂う、整った顔立ちの肖像画。
でも、ずっと見ていると、ナルシスト、ナイーヴさの中から、ぼんやりとしているように見える目の中に、青年期特有の不安みたいなものも。
この絵は時間をかけて話すべき絵だなと思いました。
久しぶりの再会、しばらくして興奮状態からさめて、改めてよく見ると色んな気付きがありました。
イケメンの顔に気を取られてしまうので、 また栗色の髪の毛が隠しているので、すぐには気が付きませんが、首が顔と比較して太くて大きい。構図からは三角形でとても安定していると思うのですが、描写的にはおかしいのかもしれない。
このあとも肖像画が何枚かありましたが、特に初期のものにはこういう傾向があるようです。
それから、誰かに似ている・・・? 、最近良くテレビに出ている栗原類君に良く似ていると思いました 笑。
≪自画像≫ 1504-1506 47.3×34.8 ウフィツィ美術館
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと盛期ルネッサンスの三巨匠といわれる、ラファエロ・サンティ。
活躍の時期は大きく3つに分けることが出来るそうです。誕生の街ウルビーノ、たくさんのことを学んだであろうフィレンツェ、そして2人の法王に愛されたローマの時代。
≪無口な女≫ 1505-1507 64×48 マルケ州国立美術館
有名になって、誰もがラファエロを巨匠と呼ぶようになるのはローマでの活躍期ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチ、そしてミケランジェロの作品に多く触れ、それらを吸収し、じぶんの様式にまで昇華していったフィレンツェでの滞在期間は、重要だったのではないかと思います。
この " 無口な女 " はダ・ヴィンチのモナリザの影響が強いといわれている作品。
≪聖ゲオルギウスと竜≫ 1504-1505 307×26.8 ルーヴル美術館
また、ダ・ヴィンチの影響を受けて、絵に大きな動きが加わるようになったのだそうです。
このように年代順に作品を並べて見せてもらえると、確かに、この頃から、ラファエロの絵に変化があるのが良く分かりました。
≪ベルナルド・ドヴィーツィー≫ 1516-1517 86.3×65.9 パラティーナ美術館
この絵はこの前見たエル・グレコの作品に似ています(ラファエロが先ですが)。
と言うより、系譜をたどれば、ミケランジェロだと思います。マニエリスム、たくましさを感じるミケランジェロの体、左腕です。
確かに、ラファエロはミケランジェロも吸収している。
≪エリザベッダ・ゴンザーガの肖像≫ 1504頃 52.9×37.4 ウフィツィ美術館
絵の一部、肖像画の顔だけはってみましたが、
この額の装飾品、最初に見た時はネコに見えました。かわいい耳と尻尾。
でも、よーーく見てみると「サソリ」なんですね。 展覧会でのこういう発見も楽しいです。
≪大公の聖母≫ 1505-1506 84.4×55.9 パラティーナ美術館
ルネッサンスのグラッツィア、上品さ、優美さ。
聖母子像の画家といわれ、数多くの聖母子像を画いたラファエロですが、その作品の中でも名作といわれる" 大公の聖母 " にこの展覧会で会うことが出来ます。
なんて優しく綺麗なマリア様、" グラッツィア " そのもの。 この絵もいつまでも見ていたい作品の一つでした。
それからこの絵、
ラファエロが画いた時は背景は黒くなかったと、最近の調査で分ったそうです。展覧会で、下絵やX線の調査結果を使って説明していました。
なるほど、そう教えてもらうと、マリア様の向かって左側の髪の毛とか、幼いイエスの髪などを良く見ると、不自然なところがあるのが分ります。後から背景を黒く塗ったんだ。
20作品をまとめて見せてもらえて、ラファエロのことが自分なりに少し理解できたつもりになりました。
ルネッサンス盛期の3人の巨匠ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロはそれぞれとても個性の強い巨人。そして、ラファエロは展覧会の言葉通り " 優美 (グラッツィア) " の人だったんだと。
人柄も皆に好かれたそうですし、作品もそれ以降、多くの画家の手本となったとか。優美、そして、中庸の人だったんだと思いました。
期待通りの展覧会でした。
ゆっくりとラファエロの作品を楽しんで美術館の外に出てみると、桜、ぼくにとって今年初めての桜に会うことができました。
ここのところ急に暖かくなったので、上野の桜も開花したのですね。
彼岸桜の濃いピンク、ソメイヨシノの淡い桜色、とっても綺麗。
まだまだ、灰色の枝が目立ちますが、少しだけなのに桜色が混じると周囲が急に春めいてきて、
心の中まで何となく、そわそわ、わくわく、明るくなってきます。
桜が咲く時期になると、上野公園にも色々な方たちが集まってきて、それぞれのパフォーマンス。
演奏をする方や、ネコ君たちを連れてきて桜と写真を撮る方も。
ラファエロの肖像画との再会、十数年ぶりの再会の余韻に浸りながら、その後の変化がとても大きかったことを色々と思い返してしまいました。
何人かのかけがえのない人達を見送ったこと、決して順風満帆とは言えなくて生まれた時から色々とあって、娘はそれでも背が高くなり高校生に等 etc etc ・・・。
十数年も経つんだと、じぶんも年を取るはずだと・・・(笑) 。
桜って、心を明るくわくわくさせてくれますが、眺めていると色々なことを思い出してしまうようです。
今年も、色んなところの桜と会って、写真を撮りながら、色んなことを話してみたいと思います。
上野公園で一通り写真を撮ってから、遅くなりましたが、ホワイトデーのお返しを東京駅で買ってから帰りました。
大丸で前から気になっていた、 " KEITH MANHATTAN " さんのケーキ。
自分の分までふくめて3つ。
イチゴのタルト、柑橘系のティラミス、キャラメルアップルパイ。
それぞれ写真を撮ろうと思ったのですが、イチゴのタルトとティラミスは、ぼくが席を外している間に既になくなっていました。
仕方なく? 残ったアップルパイをゆっくりと頂きました。 ^^;
他のも味見をしたかったのですが・・・、まあ、喜んでくれたから・・・それで良しとします。
花粉はすごいですが、気温は高く一気に春が来た感じです。
昨日も赤レンガ倉庫、中華街など横浜を少し歩きましたが、桜が満開のところもありました。
鎌倉の様子も気になります。土曜日は出勤なので日曜日、天気予報はあまり良くないですが、できたら北鎌倉の桜たちにも会いに行きたいと思っています。
" 2013/03/17 Raffaello & Cherry Blossoms "
でも、一度の出会いで忘れられなくなった絵画たちもいて、フィレンツェを訪れたとき、短い滞在時間の中で2度ウフィツィに行ったのですが、そこで出会った何枚かの絵画たちもそうでした。
ラファエロの肖像画はそのうちの一枚。
娘が生まれる前でしたから、もうずっーと以前のことになりますが、そのラファエロの肖像画と日本で会えるとは思ってもいませんでした。
絶対に行かなくてはと、昨年から心に決めていました。
まして、海外に持ち出すのはきっと難しいのでしょうに、ラファエロの絵が20作品も来ると聴けば尚更です。
3月17日の日曜日、始動は遅くなってしまいましたが、西洋美術館で6月2日まで開催されている " Raffaello ラファエロ " 展に行って来ました。
花粉はひどいものの、天気は暖かくてうららかな日曜日。
上野公園は家族連れの方たちで賑やかです。
日曜日の10時30分、これだと美術館は混雑しているのかなと思いましたが、チケットを買う列も2~3人、西洋美術館はそれほどの混雑ではありません。
かえって、いつもより遅めに家を出て正解だったのかもしれません。
そして、
出迎えてくれたのは、いきなりラファエロでした。
久しぶりの再開・・・。
ラファエロは1487年生まれなので、たぶん20代前半の頃の自画像。
どういう表情なのでしょう? 喜怒哀楽は? 強いて言えばすましている?
現代の日本ならばイケメンと言うのでしょうが、、静けさが漂う、整った顔立ちの肖像画。
でも、ずっと見ていると、ナルシスト、ナイーヴさの中から、ぼんやりとしているように見える目の中に、青年期特有の不安みたいなものも。
この絵は時間をかけて話すべき絵だなと思いました。
久しぶりの再会、しばらくして興奮状態からさめて、改めてよく見ると色んな気付きがありました。
イケメンの顔に気を取られてしまうので、 また栗色の髪の毛が隠しているので、すぐには気が付きませんが、首が顔と比較して太くて大きい。構図からは三角形でとても安定していると思うのですが、描写的にはおかしいのかもしれない。
このあとも肖像画が何枚かありましたが、特に初期のものにはこういう傾向があるようです。
それから、誰かに似ている・・・? 、最近良くテレビに出ている栗原類君に良く似ていると思いました 笑。
≪自画像≫ 1504-1506 47.3×34.8 ウフィツィ美術館
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと盛期ルネッサンスの三巨匠といわれる、ラファエロ・サンティ。
活躍の時期は大きく3つに分けることが出来るそうです。誕生の街ウルビーノ、たくさんのことを学んだであろうフィレンツェ、そして2人の法王に愛されたローマの時代。
≪無口な女≫ 1505-1507 64×48 マルケ州国立美術館
有名になって、誰もがラファエロを巨匠と呼ぶようになるのはローマでの活躍期ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチ、そしてミケランジェロの作品に多く触れ、それらを吸収し、じぶんの様式にまで昇華していったフィレンツェでの滞在期間は、重要だったのではないかと思います。
この " 無口な女 " はダ・ヴィンチのモナリザの影響が強いといわれている作品。
≪聖ゲオルギウスと竜≫ 1504-1505 307×26.8 ルーヴル美術館
また、ダ・ヴィンチの影響を受けて、絵に大きな動きが加わるようになったのだそうです。
このように年代順に作品を並べて見せてもらえると、確かに、この頃から、ラファエロの絵に変化があるのが良く分かりました。
≪ベルナルド・ドヴィーツィー≫ 1516-1517 86.3×65.9 パラティーナ美術館
この絵はこの前見たエル・グレコの作品に似ています(ラファエロが先ですが)。
と言うより、系譜をたどれば、ミケランジェロだと思います。マニエリスム、たくましさを感じるミケランジェロの体、左腕です。
確かに、ラファエロはミケランジェロも吸収している。
≪エリザベッダ・ゴンザーガの肖像≫ 1504頃 52.9×37.4 ウフィツィ美術館
絵の一部、肖像画の顔だけはってみましたが、
この額の装飾品、最初に見た時はネコに見えました。かわいい耳と尻尾。
でも、よーーく見てみると「サソリ」なんですね。 展覧会でのこういう発見も楽しいです。
≪大公の聖母≫ 1505-1506 84.4×55.9 パラティーナ美術館
ルネッサンスのグラッツィア、上品さ、優美さ。
聖母子像の画家といわれ、数多くの聖母子像を画いたラファエロですが、その作品の中でも名作といわれる" 大公の聖母 " にこの展覧会で会うことが出来ます。
なんて優しく綺麗なマリア様、" グラッツィア " そのもの。 この絵もいつまでも見ていたい作品の一つでした。
それからこの絵、
ラファエロが画いた時は背景は黒くなかったと、最近の調査で分ったそうです。展覧会で、下絵やX線の調査結果を使って説明していました。
なるほど、そう教えてもらうと、マリア様の向かって左側の髪の毛とか、幼いイエスの髪などを良く見ると、不自然なところがあるのが分ります。後から背景を黒く塗ったんだ。
20作品をまとめて見せてもらえて、ラファエロのことが自分なりに少し理解できたつもりになりました。
ルネッサンス盛期の3人の巨匠ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロはそれぞれとても個性の強い巨人。そして、ラファエロは展覧会の言葉通り " 優美 (グラッツィア) " の人だったんだと。
人柄も皆に好かれたそうですし、作品もそれ以降、多くの画家の手本となったとか。優美、そして、中庸の人だったんだと思いました。
期待通りの展覧会でした。
ゆっくりとラファエロの作品を楽しんで美術館の外に出てみると、桜、ぼくにとって今年初めての桜に会うことができました。
ここのところ急に暖かくなったので、上野の桜も開花したのですね。
彼岸桜の濃いピンク、ソメイヨシノの淡い桜色、とっても綺麗。
まだまだ、灰色の枝が目立ちますが、少しだけなのに桜色が混じると周囲が急に春めいてきて、
心の中まで何となく、そわそわ、わくわく、明るくなってきます。
桜が咲く時期になると、上野公園にも色々な方たちが集まってきて、それぞれのパフォーマンス。
演奏をする方や、ネコ君たちを連れてきて桜と写真を撮る方も。
ラファエロの肖像画との再会、十数年ぶりの再会の余韻に浸りながら、その後の変化がとても大きかったことを色々と思い返してしまいました。
何人かのかけがえのない人達を見送ったこと、決して順風満帆とは言えなくて生まれた時から色々とあって、娘はそれでも背が高くなり高校生に等 etc etc ・・・。
十数年も経つんだと、じぶんも年を取るはずだと・・・(笑) 。
桜って、心を明るくわくわくさせてくれますが、眺めていると色々なことを思い出してしまうようです。
今年も、色んなところの桜と会って、写真を撮りながら、色んなことを話してみたいと思います。
上野公園で一通り写真を撮ってから、遅くなりましたが、ホワイトデーのお返しを東京駅で買ってから帰りました。
大丸で前から気になっていた、 " KEITH MANHATTAN " さんのケーキ。
自分の分までふくめて3つ。
イチゴのタルト、柑橘系のティラミス、キャラメルアップルパイ。
それぞれ写真を撮ろうと思ったのですが、イチゴのタルトとティラミスは、ぼくが席を外している間に既になくなっていました。
仕方なく? 残ったアップルパイをゆっくりと頂きました。 ^^;
他のも味見をしたかったのですが・・・、まあ、喜んでくれたから・・・それで良しとします。
花粉はすごいですが、気温は高く一気に春が来た感じです。
昨日も赤レンガ倉庫、中華街など横浜を少し歩きましたが、桜が満開のところもありました。
鎌倉の様子も気になります。土曜日は出勤なので日曜日、天気予報はあまり良くないですが、できたら北鎌倉の桜たちにも会いに行きたいと思っています。
" 2013/03/17 Raffaello & Cherry Blossoms "
エル・グレコ展_東京西洋美術館:20130223 [絵画]
チケットは前もって買ってあったのですが、なかなか行く機会がなく、気が付けば2月も最後の週末になってしまいました。
それにしても注意しないとあっと言う間に時間は過ぎてしまいます。 ワインを飲んでばかりではダメです 笑
友達からの秋葉巡回の誘いもあったのですが、やはり2月のうちにグレコを見ておきたい。
3月はラファエロとブリヂストン美術館に行かなければなりません。
土曜日、いつもより寝坊をしましたが、娘を送り出し急いでシャワーを浴びて頭の中もすっきりして、上野へと急ぎました。
整備も終わって綺麗になった上野公園。スタバもお洒落です、スタバってあまり行かないのですが、ここは一度入ってみたい。
寒いけれど、朝の上野公園の雰囲気、素敵です。
ところどころ木々の影が薄く長く、冬の景色のアクセント。PEN E-PL3のファインダーを覗いていると飽きません。
カメラを持つと色んなことを忘れてしまいます。
おいおい、展覧会を見に来たんだろう ?
東京都美術館に着いたのは開館時間の9時30分を少し過ぎていました。
混んでいるのかと思いましたが、並ぶこともなくすんなりと展示室へ。
没後400年(1541年~1614年4月7日)を迎えるにあたっての大回顧展。大阪で先に開催され、1月19日~4月7日まで
東京都美術館での展覧会です。
エル・グレコ、
ベラスケスとゴヤと、スペインの3大画家の一人。
マニエリスム、独特のフォルムが気になりますが、西洋美術館と大原美術館に1枚ずつ、日本には2枚しかなくて、カタログのものではなく実際の作品を見てみたいとずっと思っていました。
一人で行ったので2時間ほどゆっくり自分のペースで鑑賞出来ましたが、これだけの作品を見ての感想は、
「謎はさらに深まり、興味はもっと大きく」でした。
燃え木で蝋燭をともす少年」この構図どこかで見たことがある気がします? カラヴァッジオ ? ラトゥール ?
少年のそっと息を吹きかける音が聞こえそう。エル・グレコの技術のすごさにひきつけられました。
若い頃はこういう絵も画いていたんですね。
≪燃え木で蝋燭をともす少年≫ 1572年頃 60×49cm コロメールコレクション マドリード
展覧会を見て気が付いたこと、色彩がステンドグラスの様なことの他に、
①グレコは本当にマニエリストなんだと実感。曲がりくねった人体、大きな手等。
②エル・グレコ雲? 独特な雲がたくさん画かれていること。
③女性がとても綺麗 (やはり綺麗な女性が気になります ) 笑 。
④構図がすごく斬新、大胆なこと。
これもどこかで見たような?
但し、絵画ではなくて去年見た能の世界での話。何の題目か忘れましたが、老人、隠遁者の役でこの様な能面が登場しました。痩せ男だったかな?
背景の雲、エル・グレコ雲。
≪聖ドミニクス≫ 1605年頃 101×55cm サンタ・クルス美術館寄託 トレド
この聖フランチェスコの絵はすごかったです。
カタログの写真では分りませんが、僧衣の画き方のせいでしょうか?
聖フランチェスコが両手で持っているドクロ、もちろん絵の中心と言うこともあるのでしょうが、筆のタッチで自然に視点がフォーカスしてしまいます。
荒地のくぼみに静かに座っている絵なのですが、ドクロに全てが向かっている、吸い寄せられていく感じがして、その意味でとても動きを感じる絵でした。インパクト強し。
≪瞑想する聖フランチェスコと修道士レオ≫ 1590-95年頃 155×100cm
ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグア財団 モンフォルルテ・デ・レモス
マグダラのマリア可愛い。手がとても大きくて、エル・グレコはミケランジェロ等の画き方を継承しているマニエリストの画家なんだと実感しました。
後ろの雲はやはり、エル・グレコ雲? です。
ところどころ隙間が開いて天上からの光が届いている・・・、 というよりもネットの様、不思議な存在感のある構築物のような雲です。SF映画にでてくるよう。
≪悔悛するマグダラのマリア≫ 1576年頃 156.6×121cm ブダペスト国立西洋美術館
この絵も顔の大きさに比べて両手が大きいのにびっくり。
でも、違和感はありません。自然にすっと入ってしまう。
グレコは、見方によって一番の美しさの比率は変わるんだ、という意味のことを言っているのだそうですが、この聖ヨハネの場合はこれでいいのですね。
アニメの少しニヒルな敵役のような感じもする聖ヨハネ、かっこいいです。
≪福音書記者聖ヨハネ≫ 1607年頃 97×77cm エル・グレコ美術館 トレド
このマリア様、すごく可愛い。
フェルメールの女性も綺麗ですが、グレコの女性も可愛いです。
それと、確かNHKの日曜美術館のゲストの方も言っていたのだと思いますが、聖アンナの画き方はピカソの青の時代の人物の画き方にとても良く似ていると思いました。
1500年代と1600年代の初めに活躍した画家ですが、現代にも通じるものがあるのだと思います。僕がSFとか不思議な構築物などと感じているように、ピカソ達もそういうところにひかれたのかもしれない。
なくなってからグレコは一時忘れられた画家でしたが、ピカソなど後の画家たちが再発見してくれました。
≪聖アンナのいる聖家族≫ 1590-1595年頃 127×106cm メディナセリ公爵家財団タペラ施療院 トレド
そのおかげで、こんなにかわいいマリア様に会うことができます。
たくさんのグレコの作品の最後を飾っていたのはこの「無原罪のお宿り」。3mくらいの大作です。
チケットに印刷されている「一度見上げたら忘れられない」のせいでしょうか?
多くの方がこの絵の下にしゃがみこみ、見上げるようにして鑑賞されていました。
では、じぶんも。
立ったままで見た感じとは大きく違います。なるほど、グレコはこの絵が見上げられることを計算して画いてもいるのですね。
確かに忘れられなくなりました。笑
下の天使から天上までらせん状にはるか彼方に上昇していく方向性、ステンドグラスのような、宝石のような、精神的ともいえるようなこころとも共鳴する色彩の輝き・・・、パレットナイフで削ったかのような衣の光り方に圧倒されてしまいました。
しばらく立ち去ることは出来ませんでした。
こんなすごい絵が日本に来てくれたことに感謝。スペイン、トレド、いつか行ってみたい。
≪無原罪のお宿り≫ 1607-13年 347×174cm サン・ニコラス教区聖堂 トレド
グレコ、まとまってこんなにたくさんの作品を見たのはもちろん初めてでした。
数多くの絵画を贅沢に年代やジャンルに分けて見せて頂いたことで、自分なりにたくさんの気付きがありました。
知的な好奇心をかき立てられた展覧会でした。
グレコはもっと神秘的な人と思っていましたが、蔵書への書き込みや画かれた作品を年代順に見ていくことで、単なる神秘的な作品の画家というだけではなくて、思索家、建築家でもあり、マルチな能力を持っていた才能人、そして何よりも自らの芸術感、考えと言うものをしっかりと持っていた大きな人物であったと理解しました。
グレコ、本名ドメニコス・テオトコプーロス、ますます謎は深まり、興味は大きくなってしまいましたが・・・。
一人での展覧会も良いですね。
じぶんのペースで何にも気にせずゆっくりと絵画たちと話すことか出来ます。
美術館の外にでると、まだ、ところどころ木々の影が薄く長く、冬の景色のアクセントです。
グレコの余韻に浸りながら、京浜東北線では図録を読みながら帰りました。
駅を降りて、赤ワインとクロワッサンを買って来て、ゆっくりとランチです。
展覧会ではWalkmaにBach の無伴奏チェロ組曲をいれていって、ずっと聴いていました。
帰って来てからもこの日はずっとBach 。
mario brunello のチェロ、組曲2番、ワインで程よく柔らかくなったこころにしみていきました。
絵はいいですね。来週も何か見に行きたい、でも梅も気になる・・・ ^^;
" EL GRECO'S 2013/02/23 "
それにしても注意しないとあっと言う間に時間は過ぎてしまいます。 ワインを飲んでばかりではダメです 笑
友達からの秋葉巡回の誘いもあったのですが、やはり2月のうちにグレコを見ておきたい。
3月はラファエロとブリヂストン美術館に行かなければなりません。
土曜日、いつもより寝坊をしましたが、娘を送り出し急いでシャワーを浴びて頭の中もすっきりして、上野へと急ぎました。
整備も終わって綺麗になった上野公園。スタバもお洒落です、スタバってあまり行かないのですが、ここは一度入ってみたい。
寒いけれど、朝の上野公園の雰囲気、素敵です。
ところどころ木々の影が薄く長く、冬の景色のアクセント。PEN E-PL3のファインダーを覗いていると飽きません。
カメラを持つと色んなことを忘れてしまいます。
おいおい、展覧会を見に来たんだろう ?
東京都美術館に着いたのは開館時間の9時30分を少し過ぎていました。
混んでいるのかと思いましたが、並ぶこともなくすんなりと展示室へ。
没後400年(1541年~1614年4月7日)を迎えるにあたっての大回顧展。大阪で先に開催され、1月19日~4月7日まで
東京都美術館での展覧会です。
エル・グレコ、
ベラスケスとゴヤと、スペインの3大画家の一人。
マニエリスム、独特のフォルムが気になりますが、西洋美術館と大原美術館に1枚ずつ、日本には2枚しかなくて、カタログのものではなく実際の作品を見てみたいとずっと思っていました。
一人で行ったので2時間ほどゆっくり自分のペースで鑑賞出来ましたが、これだけの作品を見ての感想は、
「謎はさらに深まり、興味はもっと大きく」でした。
燃え木で蝋燭をともす少年」この構図どこかで見たことがある気がします? カラヴァッジオ ? ラトゥール ?
少年のそっと息を吹きかける音が聞こえそう。エル・グレコの技術のすごさにひきつけられました。
若い頃はこういう絵も画いていたんですね。
≪燃え木で蝋燭をともす少年≫ 1572年頃 60×49cm コロメールコレクション マドリード
展覧会を見て気が付いたこと、色彩がステンドグラスの様なことの他に、
①グレコは本当にマニエリストなんだと実感。曲がりくねった人体、大きな手等。
②エル・グレコ雲? 独特な雲がたくさん画かれていること。
③女性がとても綺麗 (やはり綺麗な女性が気になります ) 笑 。
④構図がすごく斬新、大胆なこと。
これもどこかで見たような?
但し、絵画ではなくて去年見た能の世界での話。何の題目か忘れましたが、老人、隠遁者の役でこの様な能面が登場しました。痩せ男だったかな?
背景の雲、エル・グレコ雲。
≪聖ドミニクス≫ 1605年頃 101×55cm サンタ・クルス美術館寄託 トレド
この聖フランチェスコの絵はすごかったです。
カタログの写真では分りませんが、僧衣の画き方のせいでしょうか?
聖フランチェスコが両手で持っているドクロ、もちろん絵の中心と言うこともあるのでしょうが、筆のタッチで自然に視点がフォーカスしてしまいます。
荒地のくぼみに静かに座っている絵なのですが、ドクロに全てが向かっている、吸い寄せられていく感じがして、その意味でとても動きを感じる絵でした。インパクト強し。
≪瞑想する聖フランチェスコと修道士レオ≫ 1590-95年頃 155×100cm
ヌエストラ・セニョーラ・デ・ラ・アンティグア財団 モンフォルルテ・デ・レモス
マグダラのマリア可愛い。手がとても大きくて、エル・グレコはミケランジェロ等の画き方を継承しているマニエリストの画家なんだと実感しました。
後ろの雲はやはり、エル・グレコ雲? です。
ところどころ隙間が開いて天上からの光が届いている・・・、 というよりもネットの様、不思議な存在感のある構築物のような雲です。SF映画にでてくるよう。
≪悔悛するマグダラのマリア≫ 1576年頃 156.6×121cm ブダペスト国立西洋美術館
この絵も顔の大きさに比べて両手が大きいのにびっくり。
でも、違和感はありません。自然にすっと入ってしまう。
グレコは、見方によって一番の美しさの比率は変わるんだ、という意味のことを言っているのだそうですが、この聖ヨハネの場合はこれでいいのですね。
アニメの少しニヒルな敵役のような感じもする聖ヨハネ、かっこいいです。
≪福音書記者聖ヨハネ≫ 1607年頃 97×77cm エル・グレコ美術館 トレド
このマリア様、すごく可愛い。
フェルメールの女性も綺麗ですが、グレコの女性も可愛いです。
それと、確かNHKの日曜美術館のゲストの方も言っていたのだと思いますが、聖アンナの画き方はピカソの青の時代の人物の画き方にとても良く似ていると思いました。
1500年代と1600年代の初めに活躍した画家ですが、現代にも通じるものがあるのだと思います。僕がSFとか不思議な構築物などと感じているように、ピカソ達もそういうところにひかれたのかもしれない。
なくなってからグレコは一時忘れられた画家でしたが、ピカソなど後の画家たちが再発見してくれました。
≪聖アンナのいる聖家族≫ 1590-1595年頃 127×106cm メディナセリ公爵家財団タペラ施療院 トレド
そのおかげで、こんなにかわいいマリア様に会うことができます。
たくさんのグレコの作品の最後を飾っていたのはこの「無原罪のお宿り」。3mくらいの大作です。
チケットに印刷されている「一度見上げたら忘れられない」のせいでしょうか?
多くの方がこの絵の下にしゃがみこみ、見上げるようにして鑑賞されていました。
では、じぶんも。
立ったままで見た感じとは大きく違います。なるほど、グレコはこの絵が見上げられることを計算して画いてもいるのですね。
確かに忘れられなくなりました。笑
下の天使から天上までらせん状にはるか彼方に上昇していく方向性、ステンドグラスのような、宝石のような、精神的ともいえるようなこころとも共鳴する色彩の輝き・・・、パレットナイフで削ったかのような衣の光り方に圧倒されてしまいました。
しばらく立ち去ることは出来ませんでした。
こんなすごい絵が日本に来てくれたことに感謝。スペイン、トレド、いつか行ってみたい。
≪無原罪のお宿り≫ 1607-13年 347×174cm サン・ニコラス教区聖堂 トレド
グレコ、まとまってこんなにたくさんの作品を見たのはもちろん初めてでした。
数多くの絵画を贅沢に年代やジャンルに分けて見せて頂いたことで、自分なりにたくさんの気付きがありました。
知的な好奇心をかき立てられた展覧会でした。
グレコはもっと神秘的な人と思っていましたが、蔵書への書き込みや画かれた作品を年代順に見ていくことで、単なる神秘的な作品の画家というだけではなくて、思索家、建築家でもあり、マルチな能力を持っていた才能人、そして何よりも自らの芸術感、考えと言うものをしっかりと持っていた大きな人物であったと理解しました。
グレコ、本名ドメニコス・テオトコプーロス、ますます謎は深まり、興味は大きくなってしまいましたが・・・。
一人での展覧会も良いですね。
じぶんのペースで何にも気にせずゆっくりと絵画たちと話すことか出来ます。
美術館の外にでると、まだ、ところどころ木々の影が薄く長く、冬の景色のアクセントです。
グレコの余韻に浸りながら、京浜東北線では図録を読みながら帰りました。
駅を降りて、赤ワインとクロワッサンを買って来て、ゆっくりとランチです。
展覧会ではWalkmaにBach の無伴奏チェロ組曲をいれていって、ずっと聴いていました。
帰って来てからもこの日はずっとBach 。
mario brunello のチェロ、組曲2番、ワインで程よく柔らかくなったこころにしみていきました。
絵はいいですね。来週も何か見に行きたい、でも梅も気になる・・・ ^^;
" EL GRECO'S 2013/02/23 "
ブリヂストン美術館 ≪ 筆あとの魅力 ― 点・線・面 ≫ ブリヂストン美術館コレクション展 印象派から抽象絵画まで20130112 [絵画]
3連休の初めの土曜日、家族は学校やコンサートやらそれぞれの予定あり。
それなら、じぶんもどこかへ ?
あれやこれやと考えて行き着いたところは、「やっぱり絵」ということでした。
フェルメールショックから早く抜け出して、2013年も色々と開催される展覧会に備えないといけないなと (笑) 。
チケットはいくつか持っているのですが、見たいグレコはあいにく19日からだし、ではやはりあの絵を見に行こうということで、京浜東北線に乗って東京駅まで。
相変わらず、東京駅はすごい人です。すっかり、観光スポットになってしまったようですね。
皆さん、駅舎に向かってカメラ、カメラです。
じぶんは絵を見に行く前に、一箇所行きたかったところがありました。
ランチ代わりにと、一軒のお店に向かいました。
パティスリー・サダハル・アオキさんです。
甘いもの好きな友達から聴いていて、一度行ってみたいと思っていました。
「デザイン」、
ケーキでデザインって言うのは変なのかもしれませんが、そのフォルムがとても素敵で、並んでいるところが一度見たい、
そして、味も確かめてみたいと思っていたのです。
青木定治さんは、元TBSアナウンサー、雨宮搭子さんのご主人。パリで修行をされて2001年にパリに店を構えました。
その後、日本に逆輸入?
今ではここ丸の内をはじめ5店ものお店が東京にあります。
ケースを見ると綺麗に細長い四角いケーキ、どれも同じ大きさの何種類かのケーキが整然と並んでいました(写真はお試しセットなので、それぞれ1つは実際のものの1/4 ほどの大きさです)。
スマート、精悍さも感じます。どれも食べてみたいのですが、全部を食べるのは無理なので、イートインコーナーでお試しセット?
6種類を少しずつ頂けるセットをオーダーしました。お茶はセイロンティー。
どれも個性的な味 ♪ 美味しかった、満足です。 ^^
お腹もいっぱいになったので、それでは本日のメインに ♪
この界隈、本当に素敵なところになりました。
歩いていると、日本ではなく、どこかヨーロッパの街でも散歩しているような感覚になります。
行ったのはブリヂストン美術館。
2013年の初めての美術館はやっぱりここ、東京八重洲にあるブリヂストン美術館にしました。
ちょうど企画展をやっていました。
≪ 筆あとの魅力 ― 点・線・面 ≫ ブリヂストン美術館コレクション展 印象派から抽象絵画まで
~ 絵画に残された「筆あと」に注意を向けてみると、色のついた「点」を並べていたり、「線」が強調されていたり、「色面」が塗り重ねられているなどの特徴があることに気づきます。それぞれの筆あとから、画家の手の動きや息づかい、画面に刻まれたリズムや身体性などが生き生きと伝わってくることでしょう。 ~ パンフレットより
なるほど、
筆使いに注目して絵画を見てみるのも面白いのかもしれません。
点描も印象派もフォービズムにも特有の描き方があるし、画家それぞれにも個性がありますよね。
筆使いを通して、自分が好きな画家との距離がより近くなるのかもしれません。
パンフレットを見ていて気が付いたのですが、3月23日からの企画もとても楽しみです。
好きな佐伯祐三の絵を何枚か見ることができるかもしれません。
≪ PARIS 、パリ、巴里 ― 日本人が描く 1900-1945 ≫ これも絶対に見逃せません。
学生の頃から良く通ったブリヂストン美術館。
どうしてだろう? どこよりも落ち着きます。こじんまりとしていて、それでいて収蔵されている作品のクオリティーはとても高い。
何より旧知の友達に会うような感じ、いつもの絵画たちが待っていてくれます。
でも、このロートレックは、はじめて見たかもしれません。たぶん比較的、新しい収蔵品なのでしょう。
版画でもないし、どうしてモノクロ ?
初めての出会いですが、とてもひかれました。黒と白なのですが、じっと見ていると色を色彩を感じます。ピエロと馬の向こう側に光を感じます。
どうしても気になって、帰って来てからネットで調べてみました。
この作品、ロートレックが23歳の頃に書いたものだということ、当初の署名は「トレクロー Treclau」だったことが分りました。
画家になることを父親から反対されていたロートレック、じぶんの作品だと分からないように反対の署名をしたのですね。
でもでも、
展覧会に出品する際、「ロートレックLautrec」に書き換えたのだそうです。
この絵って、ロートレックが厳格な父親の反対を振り払って、画家になろうと決意したその証の作品だったのです。
なるほど・・・、静かに、でも強い決意がこもった作品だったのですね。
モノクロですが、すごく輝いていて見えたのは、展覧会で輝いていたのは、そのせいなのですね。
やっぱり絵ってすごいや。
< サーカスの舞台裏 > ロートレック 1887年 67×60
ブリヂストン美術館で好きな絵はたくさんありますが、この絵もその一つ。
岡鹿之助も好きです。特にこの絵はいいなぁ~。
~ 特徴は、第一にカンヴァスの凹凸を生かして細かい筆触を重ねてつくりだす柔らかなマチエールである。第二に、1910年代後半の藤田嗣治や、アンリ・ルソーのパリ風景に影響を受けてつくりだされた素朴で親密な風景という主題である。第三に、時間が止まったかのような一瞬を想起させる無時間性、あるいは永遠性である。第四に、遠近法を無視したことによって生じる不可思議な奥行き感である。 ~ ブリヂストン美術館解説より
色々と見方はあるのかもしれませんが、じぶんは、この構図にフェルメールのデルフトの眺望を重ねてしまいます。
ある種、止まった時、永遠の時間、静寂・・・、静謐・・・。そんなものを感じます。ルソーもどこかにいるなぁ~。
< セーヌ河畔 > 岡鹿之助 1927年 60×73
ブリヂストン美術館の岡鹿之助といえば、この絵も忘れることは出来ません。
1957年、現代美術日本展最優秀賞を受賞した作品です。電信柱、すごく存在感がありますよね。
ポッキーみたい、かじりたくなるのは内緒です。
< 雪の発電所 > 岡鹿之助 1956年 72.8×90.9
そして、大好きな佐伯祐三。
わずか30歳でこの世を去ってしまった佐伯祐三。でも、残した作品はすごいです。いいなぁ~。
日本の近代の画家の中で一番好きかもしれない。
向かって右上に「UZO SAHEKI/ A PARIS/ NOV 27/ HOTEL DU MARCHE」って書いてあるんです。
確か、1928年8月16日になくなっているので、その前年の1927年の11月の作品だということが分ります。
大阪に佐伯祐三のまとまったコレクションがあるとのこと。是非、一度見てみたい。
<テラスの広告> 佐伯祐三 1927年 54.2×65.4
ブリヂストン美術館、すごい作品でいっぱいですが、
この日、会いに来たのはこの2枚です。
この郊外のキリスト、優しい。
満月の夜、道の奥には大きな煙突。
ルオーの筆のあと、パレットナイフ。こんなに黒色が優しい絵って、ほかには見たことありません。
<郊外のキリスト> ジョルジュ・ルオー 1920年~1924年 92×73.6
そして、やっぱりこの絵。
何回会いに来ているんだろう。もう何十年も通い続けている。
ジョルジュ・ルオーの中ではもちろん一番ですが、今までに見た全ての絵の中でも、とっても気に入っている絵の中の一枚。
優しくて静かで、美しくて、哀しくて、夜明けの湖のように、こころが少しずつ明るく澄んでいくよう。
ずっと一緒にいたい、そんなことをいつも思うルオーの「ピエロ」。
単なるピエロではないな。
全ての優しいものと哀しいものがこの小さなキャンバスの中に詰まっている、そんな感じがします。持って帰りたい。
<ピエロ> ジョルジュ・ルオー 1925年 75.2×51.2
どのくらい経ったのでしょう ?
外に出ると、夕暮れの街。
静かに今日の日の余韻を感じながら、東京駅まで歩きました。甘くて美味しくて、優しくて哀しくて良い 一日。
何よりも好きな絵に会うことが出来た充実感でいっぱいです。。
好きな絵に電車に乗ればいつでも会えるのってすごいことだなと改めて思いました。
フェルメールショックも幾分薄れた気がしました(笑)。
絵ってやはり良いです。
2013年、去年よりもたくさんの絵、展覧会を見たいと思いました。
円空展、王義之展、エル・グレコ展のチケットがあります。 今週末は先ずはエル・グレコかな ?
でも、北鎌倉の梅の具合も気になるのでした。 ^^;
【2013 New Year Episode Ⅲ】
" 2013/01/12 Bridgestone-museum & pâtisserie Sadaharu AOKI "
それなら、じぶんもどこかへ ?
あれやこれやと考えて行き着いたところは、「やっぱり絵」ということでした。
フェルメールショックから早く抜け出して、2013年も色々と開催される展覧会に備えないといけないなと (笑) 。
チケットはいくつか持っているのですが、見たいグレコはあいにく19日からだし、ではやはりあの絵を見に行こうということで、京浜東北線に乗って東京駅まで。
相変わらず、東京駅はすごい人です。すっかり、観光スポットになってしまったようですね。
皆さん、駅舎に向かってカメラ、カメラです。
じぶんは絵を見に行く前に、一箇所行きたかったところがありました。
ランチ代わりにと、一軒のお店に向かいました。
パティスリー・サダハル・アオキさんです。
甘いもの好きな友達から聴いていて、一度行ってみたいと思っていました。
「デザイン」、
ケーキでデザインって言うのは変なのかもしれませんが、そのフォルムがとても素敵で、並んでいるところが一度見たい、
そして、味も確かめてみたいと思っていたのです。
青木定治さんは、元TBSアナウンサー、雨宮搭子さんのご主人。パリで修行をされて2001年にパリに店を構えました。
その後、日本に逆輸入?
今ではここ丸の内をはじめ5店ものお店が東京にあります。
ケースを見ると綺麗に細長い四角いケーキ、どれも同じ大きさの何種類かのケーキが整然と並んでいました(写真はお試しセットなので、それぞれ1つは実際のものの1/4 ほどの大きさです)。
スマート、精悍さも感じます。どれも食べてみたいのですが、全部を食べるのは無理なので、イートインコーナーでお試しセット?
6種類を少しずつ頂けるセットをオーダーしました。お茶はセイロンティー。
どれも個性的な味 ♪ 美味しかった、満足です。 ^^
お腹もいっぱいになったので、それでは本日のメインに ♪
この界隈、本当に素敵なところになりました。
歩いていると、日本ではなく、どこかヨーロッパの街でも散歩しているような感覚になります。
行ったのはブリヂストン美術館。
2013年の初めての美術館はやっぱりここ、東京八重洲にあるブリヂストン美術館にしました。
ちょうど企画展をやっていました。
≪ 筆あとの魅力 ― 点・線・面 ≫ ブリヂストン美術館コレクション展 印象派から抽象絵画まで
~ 絵画に残された「筆あと」に注意を向けてみると、色のついた「点」を並べていたり、「線」が強調されていたり、「色面」が塗り重ねられているなどの特徴があることに気づきます。それぞれの筆あとから、画家の手の動きや息づかい、画面に刻まれたリズムや身体性などが生き生きと伝わってくることでしょう。 ~ パンフレットより
なるほど、
筆使いに注目して絵画を見てみるのも面白いのかもしれません。
点描も印象派もフォービズムにも特有の描き方があるし、画家それぞれにも個性がありますよね。
筆使いを通して、自分が好きな画家との距離がより近くなるのかもしれません。
パンフレットを見ていて気が付いたのですが、3月23日からの企画もとても楽しみです。
好きな佐伯祐三の絵を何枚か見ることができるかもしれません。
≪ PARIS 、パリ、巴里 ― 日本人が描く 1900-1945 ≫ これも絶対に見逃せません。
学生の頃から良く通ったブリヂストン美術館。
どうしてだろう? どこよりも落ち着きます。こじんまりとしていて、それでいて収蔵されている作品のクオリティーはとても高い。
何より旧知の友達に会うような感じ、いつもの絵画たちが待っていてくれます。
でも、このロートレックは、はじめて見たかもしれません。たぶん比較的、新しい収蔵品なのでしょう。
版画でもないし、どうしてモノクロ ?
初めての出会いですが、とてもひかれました。黒と白なのですが、じっと見ていると色を色彩を感じます。ピエロと馬の向こう側に光を感じます。
どうしても気になって、帰って来てからネットで調べてみました。
この作品、ロートレックが23歳の頃に書いたものだということ、当初の署名は「トレクロー Treclau」だったことが分りました。
画家になることを父親から反対されていたロートレック、じぶんの作品だと分からないように反対の署名をしたのですね。
でもでも、
展覧会に出品する際、「ロートレックLautrec」に書き換えたのだそうです。
この絵って、ロートレックが厳格な父親の反対を振り払って、画家になろうと決意したその証の作品だったのです。
なるほど・・・、静かに、でも強い決意がこもった作品だったのですね。
モノクロですが、すごく輝いていて見えたのは、展覧会で輝いていたのは、そのせいなのですね。
やっぱり絵ってすごいや。
< サーカスの舞台裏 > ロートレック 1887年 67×60
ブリヂストン美術館で好きな絵はたくさんありますが、この絵もその一つ。
岡鹿之助も好きです。特にこの絵はいいなぁ~。
~ 特徴は、第一にカンヴァスの凹凸を生かして細かい筆触を重ねてつくりだす柔らかなマチエールである。第二に、1910年代後半の藤田嗣治や、アンリ・ルソーのパリ風景に影響を受けてつくりだされた素朴で親密な風景という主題である。第三に、時間が止まったかのような一瞬を想起させる無時間性、あるいは永遠性である。第四に、遠近法を無視したことによって生じる不可思議な奥行き感である。 ~ ブリヂストン美術館解説より
色々と見方はあるのかもしれませんが、じぶんは、この構図にフェルメールのデルフトの眺望を重ねてしまいます。
ある種、止まった時、永遠の時間、静寂・・・、静謐・・・。そんなものを感じます。ルソーもどこかにいるなぁ~。
< セーヌ河畔 > 岡鹿之助 1927年 60×73
ブリヂストン美術館の岡鹿之助といえば、この絵も忘れることは出来ません。
1957年、現代美術日本展最優秀賞を受賞した作品です。電信柱、すごく存在感がありますよね。
ポッキーみたい、かじりたくなるのは内緒です。
< 雪の発電所 > 岡鹿之助 1956年 72.8×90.9
そして、大好きな佐伯祐三。
わずか30歳でこの世を去ってしまった佐伯祐三。でも、残した作品はすごいです。いいなぁ~。
日本の近代の画家の中で一番好きかもしれない。
向かって右上に「UZO SAHEKI/ A PARIS/ NOV 27/ HOTEL DU MARCHE」って書いてあるんです。
確か、1928年8月16日になくなっているので、その前年の1927年の11月の作品だということが分ります。
大阪に佐伯祐三のまとまったコレクションがあるとのこと。是非、一度見てみたい。
<テラスの広告> 佐伯祐三 1927年 54.2×65.4
ブリヂストン美術館、すごい作品でいっぱいですが、
この日、会いに来たのはこの2枚です。
この郊外のキリスト、優しい。
満月の夜、道の奥には大きな煙突。
ルオーの筆のあと、パレットナイフ。こんなに黒色が優しい絵って、ほかには見たことありません。
<郊外のキリスト> ジョルジュ・ルオー 1920年~1924年 92×73.6
そして、やっぱりこの絵。
何回会いに来ているんだろう。もう何十年も通い続けている。
ジョルジュ・ルオーの中ではもちろん一番ですが、今までに見た全ての絵の中でも、とっても気に入っている絵の中の一枚。
優しくて静かで、美しくて、哀しくて、夜明けの湖のように、こころが少しずつ明るく澄んでいくよう。
ずっと一緒にいたい、そんなことをいつも思うルオーの「ピエロ」。
単なるピエロではないな。
全ての優しいものと哀しいものがこの小さなキャンバスの中に詰まっている、そんな感じがします。持って帰りたい。
<ピエロ> ジョルジュ・ルオー 1925年 75.2×51.2
どのくらい経ったのでしょう ?
外に出ると、夕暮れの街。
静かに今日の日の余韻を感じながら、東京駅まで歩きました。甘くて美味しくて、優しくて哀しくて良い 一日。
何よりも好きな絵に会うことが出来た充実感でいっぱいです。。
好きな絵に電車に乗ればいつでも会えるのってすごいことだなと改めて思いました。
フェルメールショックも幾分薄れた気がしました(笑)。
絵ってやはり良いです。
2013年、去年よりもたくさんの絵、展覧会を見たいと思いました。
円空展、王義之展、エル・グレコ展のチケットがあります。 今週末は先ずはエル・グレコかな ?
でも、北鎌倉の梅の具合も気になるのでした。 ^^;
【2013 New Year Episode Ⅲ】
" 2013/01/12 Bridgestone-museum & pâtisserie Sadaharu AOKI "
3連休_フェルメール光の王国展2&特別展「出雲-聖地の至宝-」東京駅散歩:20121124 [絵画]
11月の3連休、金曜日は娘と銀座まで出かけました。
フェルメール光の王国展。
ぼくは既に2度見ているのですが、娘がどうしても見たいというので出かけてきました。
この展覧会、最初の頃の展示は制作年代順だったのですが、人気が高かったため会期を延長し、今月末までの「2」では、
37作品を所蔵している美術館別に展示です。
製作年順も面白いですが、美術館別もそれぞれの特色があって、また福岡伸一先生の本「光の王国」を最初からたどっていくようで興味深かったです。
娘もとても楽しんでいました (帰りに椿屋珈琲店さんでチョコレートケーキを食べたせいでしょうか 笑)。
ちなみに、ワシントン・ナショナル・ギャラリーの「天秤を持つ女」が一番好きだということ。
なるほど、我娘ながらお目が高い (笑)。
ぼくは、「ミルクを注ぐ女」、「真珠の首飾りの女」が好きですが、この絵もいいです。是非実物を見てみたい。
ケーキを食べて、雨が降っていましたが、銀座をそぞろ歩き。
そして、伊東屋さんではまりました。
文房具も大好きなようで、ちょうど友達の誕生日も近いとか。
カードを色々と選らび、そして小物をあれこれと・・・。おいおい、そろそろ (笑)。
ぼくも、スナフキンの付箋を一つ。
土曜日は、母から誘われていたので、11月25日まで、ぎりぎりの ? 滑り込みで、「出雲 聖地の至宝」という展覧会を見て来ました。
今年は「古事記」が編纂されて1300年で、来年は出雲大社の大遷宮が60年ぶりに行われるそうです。
それらを記念しての特別展なのでしょうが、出雲大社の境内から出土した重要文化財の「宇豆柱」、国宝の銅剣、銅矛、銅鐸などが展示されていました。
国宝など色々とありましたが、やはりメインはこの「宇豆柱」だと思います。
3本の木を金属で束ねて大きな柱として、48mの高層神殿を支えていたというもの。1,000年以上も前と言うことでびっくりしました。
現在の社も24mという大きなものですが、その倍の高さがあったのですね。
大国主命が天照大神に国を譲る際に、最も大きな宮殿をその代わりにもらいたいと述べたとのこと。
そのために、これ程の社になったとのことです。
当時の大社、復元してもらいたいなぁ~。この目で、そんな神話の世界を見てみたいです。
それに、この柱、「とき」を経た杉の木、折れたあとも自然にエッジが丸くなって、とても素敵な表情をしていました。
一つの完結したコスモス、神話・・・「宇豆柱」、アート、時空を越えてしばらく前にじっと佇んでいました。
神話の世界が好きです。
もう一度、古事記や日本書紀、読んでみたくなりました。どこかに文庫本があったと思うのですが、探してみます。
思いがけず素敵な出会いが出来ました。母さんありがとう。
そして、ありがとうついでに、ランチまでご馳走になってしまった。 (笑)
上野「過門香」さん。
母と上野に来るとここで食べることが多いです。基本、母は中華が好きなのかも。
この日は日替わりランチ、海老のマヨネーズと麻婆豆腐をチョイスして頂きました。
1,500円とリーズナブルなのに、海老は大きくてプリプリ、麻婆豆腐も本格的でちょっと辛かったです。辛いのはそんなに苦手ではないのだけれど、汗が (笑)
ビールももちろん。美味しかった。
上野で出雲の展覧会は見たし、次は新しい東京駅へって~。
母はまだ見たことがないとかで、「おのぼりさん」ついでに是非行って見たいから、こちらにも付き合えと。
すると・・・、
休みの日でこんなに混雑している東京駅の外ってぼくも初めてでした。
ニュースで、新しい東京駅が出来て乗降客の数がとても増えたと聴いたことがありましたが、うちもそうですけれど、わざわざ
新東京駅舎、電車を降りて見物する人が多いようです。
素敵な表情ですね。
優しい色のレンガたち、とても素敵な色彩です。
ドームの中では、皆さん、カメラを上に向けて記念の一枚。
みーんな、上を向いています (笑)。
きっとしばらくはこんな混雑が続くのでしょうね。
この前通りかかった時の夕暮れの東京駅がとても綺麗でした。
少し混雑がなくなったら、夕方の東京駅を撮りに来たいと思いました。
母とは、京橋のあたりで別れました。
夕方、また用事があるとのこと。年をとっていますが、その度にかえって忙しくなっているようです。健康には気を付けて。
ぼくは、別れた後、東京フォーラムから三菱一号館美術館の方へぶらぶら。
休みの日のこのあたり、のんびりしていて好きな場所です。
東京の小さな秋が、あそこにもここにも。
午前中は曇っていて寒かったのですが、日差しが差し込んできて、ぽかぽかに。
暖かい優しい日差しです。
東京丸の内界隈の小さな秋。
素敵な秋。
新しい飲食店もたくさん出来て、このあたりに休みに来ても良いですね。
美術館もあるし、
美味しいパン屋さんも、メゾンカイザー、PAUL、VIRON、エシレみんなそろっています。
ちょっとお洒落な感じも ♪
小さな秋、ここにも。
遠出はしませんでしたが、11月の3連休は上野と東京駅の周辺を散歩して楽しむことが出来ました。
今日はジャイアンツの優勝パレードが銀座通りであったはず。きっと東京駅周辺はものすごい混雑なんでしょうね。
その前の静かなときに? 小さな秋を楽しんでくることが出来ました。
今日は横浜は良い天気。本当なら鎌倉へ行こうと思っていたのですが、2日連続で出かけて少し疲れました。
鎌倉の紅葉は来週のお楽しみにしたいと思います。軽量小型? PEN ばかり最近連れて行くので、他のカメラ達が不満を言っているよう。
来週、連れて行くから (笑)。
でも、すごく気持ちの良い天気。あとで少しだけ近所を散歩してくるかもしれません。
" 2012/11/23&24 Ueno & Ginza & Tokyo "
フェルメール光の王国展。
ぼくは既に2度見ているのですが、娘がどうしても見たいというので出かけてきました。
この展覧会、最初の頃の展示は制作年代順だったのですが、人気が高かったため会期を延長し、今月末までの「2」では、
37作品を所蔵している美術館別に展示です。
製作年順も面白いですが、美術館別もそれぞれの特色があって、また福岡伸一先生の本「光の王国」を最初からたどっていくようで興味深かったです。
娘もとても楽しんでいました (帰りに椿屋珈琲店さんでチョコレートケーキを食べたせいでしょうか 笑)。
ちなみに、ワシントン・ナショナル・ギャラリーの「天秤を持つ女」が一番好きだということ。
なるほど、我娘ながらお目が高い (笑)。
ぼくは、「ミルクを注ぐ女」、「真珠の首飾りの女」が好きですが、この絵もいいです。是非実物を見てみたい。
ケーキを食べて、雨が降っていましたが、銀座をそぞろ歩き。
そして、伊東屋さんではまりました。
文房具も大好きなようで、ちょうど友達の誕生日も近いとか。
カードを色々と選らび、そして小物をあれこれと・・・。おいおい、そろそろ (笑)。
ぼくも、スナフキンの付箋を一つ。
土曜日は、母から誘われていたので、11月25日まで、ぎりぎりの ? 滑り込みで、「出雲 聖地の至宝」という展覧会を見て来ました。
今年は「古事記」が編纂されて1300年で、来年は出雲大社の大遷宮が60年ぶりに行われるそうです。
それらを記念しての特別展なのでしょうが、出雲大社の境内から出土した重要文化財の「宇豆柱」、国宝の銅剣、銅矛、銅鐸などが展示されていました。
国宝など色々とありましたが、やはりメインはこの「宇豆柱」だと思います。
3本の木を金属で束ねて大きな柱として、48mの高層神殿を支えていたというもの。1,000年以上も前と言うことでびっくりしました。
現在の社も24mという大きなものですが、その倍の高さがあったのですね。
大国主命が天照大神に国を譲る際に、最も大きな宮殿をその代わりにもらいたいと述べたとのこと。
そのために、これ程の社になったとのことです。
当時の大社、復元してもらいたいなぁ~。この目で、そんな神話の世界を見てみたいです。
それに、この柱、「とき」を経た杉の木、折れたあとも自然にエッジが丸くなって、とても素敵な表情をしていました。
一つの完結したコスモス、神話・・・「宇豆柱」、アート、時空を越えてしばらく前にじっと佇んでいました。
神話の世界が好きです。
もう一度、古事記や日本書紀、読んでみたくなりました。どこかに文庫本があったと思うのですが、探してみます。
思いがけず素敵な出会いが出来ました。母さんありがとう。
そして、ありがとうついでに、ランチまでご馳走になってしまった。 (笑)
上野「過門香」さん。
母と上野に来るとここで食べることが多いです。基本、母は中華が好きなのかも。
この日は日替わりランチ、海老のマヨネーズと麻婆豆腐をチョイスして頂きました。
1,500円とリーズナブルなのに、海老は大きくてプリプリ、麻婆豆腐も本格的でちょっと辛かったです。辛いのはそんなに苦手ではないのだけれど、汗が (笑)
ビールももちろん。美味しかった。
上野で出雲の展覧会は見たし、次は新しい東京駅へって~。
母はまだ見たことがないとかで、「おのぼりさん」ついでに是非行って見たいから、こちらにも付き合えと。
すると・・・、
休みの日でこんなに混雑している東京駅の外ってぼくも初めてでした。
ニュースで、新しい東京駅が出来て乗降客の数がとても増えたと聴いたことがありましたが、うちもそうですけれど、わざわざ
新東京駅舎、電車を降りて見物する人が多いようです。
素敵な表情ですね。
優しい色のレンガたち、とても素敵な色彩です。
ドームの中では、皆さん、カメラを上に向けて記念の一枚。
みーんな、上を向いています (笑)。
きっとしばらくはこんな混雑が続くのでしょうね。
この前通りかかった時の夕暮れの東京駅がとても綺麗でした。
少し混雑がなくなったら、夕方の東京駅を撮りに来たいと思いました。
母とは、京橋のあたりで別れました。
夕方、また用事があるとのこと。年をとっていますが、その度にかえって忙しくなっているようです。健康には気を付けて。
ぼくは、別れた後、東京フォーラムから三菱一号館美術館の方へぶらぶら。
休みの日のこのあたり、のんびりしていて好きな場所です。
東京の小さな秋が、あそこにもここにも。
午前中は曇っていて寒かったのですが、日差しが差し込んできて、ぽかぽかに。
暖かい優しい日差しです。
東京丸の内界隈の小さな秋。
素敵な秋。
新しい飲食店もたくさん出来て、このあたりに休みに来ても良いですね。
美術館もあるし、
美味しいパン屋さんも、メゾンカイザー、PAUL、VIRON、エシレみんなそろっています。
ちょっとお洒落な感じも ♪
小さな秋、ここにも。
遠出はしませんでしたが、11月の3連休は上野と東京駅の周辺を散歩して楽しむことが出来ました。
今日はジャイアンツの優勝パレードが銀座通りであったはず。きっと東京駅周辺はものすごい混雑なんでしょうね。
その前の静かなときに? 小さな秋を楽しんでくることが出来ました。
今日は横浜は良い天気。本当なら鎌倉へ行こうと思っていたのですが、2日連続で出かけて少し疲れました。
鎌倉の紅葉は来週のお楽しみにしたいと思います。軽量小型? PEN ばかり最近連れて行くので、他のカメラ達が不満を言っているよう。
来週、連れて行くから (笑)。
でも、すごく気持ちの良い天気。あとで少しだけ近所を散歩してくるかもしれません。
" 2012/11/23&24 Ueno & Ginza & Tokyo "
" Debussy 音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで " 展:20120721 [絵画]
Claude Achille Debussy 1862年8月22日生。
アシルっていうのですね。フルネームもはじめて知りました。子どもの領分の作曲家くらいでしか知らなかったドビッシー。
7月21日に「ドビュッシー 、音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで」展を見に行ってから、ほぼ一月、Walkman で流しているのはDebusssyです。
美術館でたぶんぼくが一番通っているであろう、ブリヂストン美術館の60周年を記念して開催されている展覧会。
ブログに記録しておこうと思っていたのですが、聴けば聴くほど興味がわくのですがDebussy ・・・、聴けば聴くほど良く分からなくなりました。
でも、分らないなりに、1ヶ月くらい色んな曲を流していて、Debussy の位置付けが漠然とですが出来たような気がします。
そろそろ、HMV から届いているアシュケナージのラフマニノフのソナタ一番の新譜や、スクリャービン等も聴きたいので、この辺で一区切り。
Debussy、不倫? 駆け落ち。
何人もの女性と情事を重ねた人なのですね。人となり、生活、そんなものも知って、教科書の肖像画だけだったドビッシーがより身近に感じられるようになりました。
それにしても芸術家って人達は、どうしてこんななんでしょう(笑)
きっと、じぶんのことも含めてきれいなものが好き・・・綺麗なものを周りに集めるのが好き、そしてナルシスト。
感受性が強くて、少し我まま。
Debussy、付き合うのが難しいタイプ、そんな感じがします。
以前も書きましたが音楽は、メロディーとリズム、ハーモニーで出来ていると思います。
Mozart 、Beethoven、Brahms、そしてMahler も、ぼくが好きな作曲家達の作品はなんと言ってもそのメロディーの素敵さが魅力です。
Mozart 41番の最初のロマンチックなメロディー、Beethoven 第9シンフォニー4楽章、Brahms 第1交響曲4楽章のコントラバスの旋律 etc etc ・・・、こころの奥底から揺さぶられる至福の時を与えてくれる旋律。
" モーリス・ドニ <ミューズたち> " 1893年 オルセー美術館
Debussy はこういう聴き方では分らない作曲家なんだと思います。
ベルガマスク組曲「月の光」、前奏曲「亜麻色の髪の乙女」など比較的旋律を追いやすいチャーミングな曲もありますが、交響詩「海」等、聴いていると海のイメージが鮮明に浮かぶものの、それでは旋律を歌ってみようとなど思うと・・・。
あれっ?
" 葛飾北斎 <富嶽36景 神奈川沖浪裏> " 1831~1834年 Debussy の「海」の楽譜の表紙のデザインになった。
Debyssy 、旋律はもちろんあるのですが、海面に光る月光の粒子の煌めき、メランコリックに舞う雪の一片、ほんの一瞬だけ現れて消えて・・・。
" マルセル・バシェ <クロード・ドビッシーの肖像 > " 1885年 オルセー美術館
流れる雲のような、水玉のきらめきのような、そんな曲達なんだと思います。
抽象画の祖のカンディンスキーがDebussy は印象派であるとの世間の批評に対して、そうではないと述べたそうですが、印象派、象徴主義、そして抽象画を経たカンディンスキーですから、Debussy を良く理解出来たのですね。
" ルノワール <ピアノに向かうイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロール>" 1897年 オランジュリー美術館
展覧会はこのDebussy の生誕150年を記念して、オルセー美術館、オランジュリー美術館とブリヂストン美術館で共同開催されるもの。
オランジュリー美術館で2月~6月、その後ブリヂストン美術館で10月14日まで。
" モーリス・ドニ <木々の下の人の列> 1893年 オルセー美術館 "
Debussy と印象派、象徴主義の画家との係わり合いの中から19世紀のフランス芸術を見つめ直そうとするものです。
Debussy が啓示を受けるようにイメージを捉え再構成したであろう、海や光、肖像の作品たちを目の前にすることが出来ます。
この様な形であらためて見せてもらうと、音楽と絵画、そして文学や舞台芸術も、相互に関係しあっているのだと、影響を受け合っているのだと良く理解できました。
オランジュリー美術館では、展覧会では珍しくDebussy の曲も会場で流したとのこと。ブリヂストン美術館ではなかったけれど、そういう企画も面白そうと思える展覧会でした。
展示されていた中では、じぶんはモーリス・ドニの作品が一番印象に残りました。
ここに載せた2枚、特に" ミューズたち "。ナビ派の理論的指導者であった、ドニの代表作だと思いますが好きになりました。
見ていて飽きない・・・。構図も色もいいなぁ~。9人の芸術の女神たち、でも中央の奥に10人目がいるのです。これも想像力をかき立てられます。
展覧会を見終わって外に出ると雨が降っていました。
静かな・・・雨の休みの東京、Samson François の前奏曲を聴きながら、丸の内を傘をさしながら。
" ECHIRE "さんもこの日は行列はなし。 大好きなクロワッサンを3つ買って帰りました。
シャン・マルティノンとシャルル・デュトワの「管弦楽集」
ミケランジェリの「前奏曲と映像」。
管弦楽では、交響組曲「春」、交響詩「海」、「夜想曲」等初めて聴きましたが良い曲。
子どもの領分でも、第4曲「雪は踊る」・・・。気になる曲。
今度は、ランポーの「アッシャー家の崩壊」やボードレールを読んでみようかなと思っています。
とても知的興味をかき立てられた展覧会でした。かき立てられ過ぎて、ほぼ一ヶ月Debussy ^^;
もう一度、ブリヂストン美術館に行けば、もっと楽しく展覧会を鑑賞できるのかもしれません。
ECHIRE さんに寄りながら、10月14日までなので、もう一度行って見ようと思っています。
横浜は今日は雨です。
昨日、土曜日、「海」を連れて横浜港の日の出を見に行こうと4時に起きました。
しかし・・・、自転車をこごうとしたら前輪がダメ。
タイヤのバルブのあたりの調子が悪い。
後で部品を買ってきて直しましたが、Debussy を聴きながらの日の出は、今週以降に延期です。
写真を撮りながら散歩に行きたいのですが、今日も無理なようです。
では・・・、
まだ早いけれど、アシュケナージのラフマ新譜でも聴こう。 安いワインもあるし(笑)
"Debussy Music and the Arts 2012/07/21"
アシルっていうのですね。フルネームもはじめて知りました。子どもの領分の作曲家くらいでしか知らなかったドビッシー。
7月21日に「ドビュッシー 、音楽と美術 印象派と象徴派のあいだで」展を見に行ってから、ほぼ一月、Walkman で流しているのはDebusssyです。
美術館でたぶんぼくが一番通っているであろう、ブリヂストン美術館の60周年を記念して開催されている展覧会。
ブログに記録しておこうと思っていたのですが、聴けば聴くほど興味がわくのですがDebussy ・・・、聴けば聴くほど良く分からなくなりました。
でも、分らないなりに、1ヶ月くらい色んな曲を流していて、Debussy の位置付けが漠然とですが出来たような気がします。
そろそろ、HMV から届いているアシュケナージのラフマニノフのソナタ一番の新譜や、スクリャービン等も聴きたいので、この辺で一区切り。
Debussy、不倫? 駆け落ち。
何人もの女性と情事を重ねた人なのですね。人となり、生活、そんなものも知って、教科書の肖像画だけだったドビッシーがより身近に感じられるようになりました。
それにしても芸術家って人達は、どうしてこんななんでしょう(笑)
きっと、じぶんのことも含めてきれいなものが好き・・・綺麗なものを周りに集めるのが好き、そしてナルシスト。
感受性が強くて、少し我まま。
Debussy、付き合うのが難しいタイプ、そんな感じがします。
以前も書きましたが音楽は、メロディーとリズム、ハーモニーで出来ていると思います。
Mozart 、Beethoven、Brahms、そしてMahler も、ぼくが好きな作曲家達の作品はなんと言ってもそのメロディーの素敵さが魅力です。
Mozart 41番の最初のロマンチックなメロディー、Beethoven 第9シンフォニー4楽章、Brahms 第1交響曲4楽章のコントラバスの旋律 etc etc ・・・、こころの奥底から揺さぶられる至福の時を与えてくれる旋律。
" モーリス・ドニ <ミューズたち> " 1893年 オルセー美術館
Debussy はこういう聴き方では分らない作曲家なんだと思います。
ベルガマスク組曲「月の光」、前奏曲「亜麻色の髪の乙女」など比較的旋律を追いやすいチャーミングな曲もありますが、交響詩「海」等、聴いていると海のイメージが鮮明に浮かぶものの、それでは旋律を歌ってみようとなど思うと・・・。
あれっ?
" 葛飾北斎 <富嶽36景 神奈川沖浪裏> " 1831~1834年 Debussy の「海」の楽譜の表紙のデザインになった。
Debyssy 、旋律はもちろんあるのですが、海面に光る月光の粒子の煌めき、メランコリックに舞う雪の一片、ほんの一瞬だけ現れて消えて・・・。
" マルセル・バシェ <クロード・ドビッシーの肖像 > " 1885年 オルセー美術館
流れる雲のような、水玉のきらめきのような、そんな曲達なんだと思います。
抽象画の祖のカンディンスキーがDebussy は印象派であるとの世間の批評に対して、そうではないと述べたそうですが、印象派、象徴主義、そして抽象画を経たカンディンスキーですから、Debussy を良く理解出来たのですね。
" ルノワール <ピアノに向かうイヴォンヌとクリスティーヌ・ルロール>" 1897年 オランジュリー美術館
展覧会はこのDebussy の生誕150年を記念して、オルセー美術館、オランジュリー美術館とブリヂストン美術館で共同開催されるもの。
オランジュリー美術館で2月~6月、その後ブリヂストン美術館で10月14日まで。
" モーリス・ドニ <木々の下の人の列> 1893年 オルセー美術館 "
Debussy と印象派、象徴主義の画家との係わり合いの中から19世紀のフランス芸術を見つめ直そうとするものです。
Debussy が啓示を受けるようにイメージを捉え再構成したであろう、海や光、肖像の作品たちを目の前にすることが出来ます。
この様な形であらためて見せてもらうと、音楽と絵画、そして文学や舞台芸術も、相互に関係しあっているのだと、影響を受け合っているのだと良く理解できました。
オランジュリー美術館では、展覧会では珍しくDebussy の曲も会場で流したとのこと。ブリヂストン美術館ではなかったけれど、そういう企画も面白そうと思える展覧会でした。
展示されていた中では、じぶんはモーリス・ドニの作品が一番印象に残りました。
ここに載せた2枚、特に" ミューズたち "。ナビ派の理論的指導者であった、ドニの代表作だと思いますが好きになりました。
見ていて飽きない・・・。構図も色もいいなぁ~。9人の芸術の女神たち、でも中央の奥に10人目がいるのです。これも想像力をかき立てられます。
展覧会を見終わって外に出ると雨が降っていました。
静かな・・・雨の休みの東京、Samson François の前奏曲を聴きながら、丸の内を傘をさしながら。
" ECHIRE "さんもこの日は行列はなし。 大好きなクロワッサンを3つ買って帰りました。
シャン・マルティノンとシャルル・デュトワの「管弦楽集」
ミケランジェリの「前奏曲と映像」。
管弦楽では、交響組曲「春」、交響詩「海」、「夜想曲」等初めて聴きましたが良い曲。
子どもの領分でも、第4曲「雪は踊る」・・・。気になる曲。
今度は、ランポーの「アッシャー家の崩壊」やボードレールを読んでみようかなと思っています。
とても知的興味をかき立てられた展覧会でした。かき立てられ過ぎて、ほぼ一ヶ月Debussy ^^;
もう一度、ブリヂストン美術館に行けば、もっと楽しく展覧会を鑑賞できるのかもしれません。
ECHIRE さんに寄りながら、10月14日までなので、もう一度行って見ようと思っています。
横浜は今日は雨です。
昨日、土曜日、「海」を連れて横浜港の日の出を見に行こうと4時に起きました。
しかし・・・、自転車をこごうとしたら前輪がダメ。
タイヤのバルブのあたりの調子が悪い。
後で部品を買ってきて直しましたが、Debussy を聴きながらの日の出は、今週以降に延期です。
写真を撮りながら散歩に行きたいのですが、今日も無理なようです。
では・・・、
まだ早いけれど、アシュケナージのラフマ新譜でも聴こう。 安いワインもあるし(笑)
"Debussy Music and the Arts 2012/07/21"