Vilhelm Hammershoi:2008/11/15 [絵画]
どんな曲が合うのだろう・・・。
土曜日に上野の西洋美術館に行ってきてから、ずうっと考えていました。
画は好きなので、自分の自由になる時間のうちのある部分は(たいした時間ではないのですけれど)、美術館にいたいんだと思います。
そして、例えばブリジストン美術館のルオーのピエロ(1925年)と話をしながら、この画にはどんな曲が似合うんだろうと思いを巡らすなど、頭の中の陣地取りをするのが好きです。
でも、
ぼくが聴いたことのある曲の中では、この日に見た画に合う曲は、これだと思います。皆さんは、どんな曲が合うと思いますか?
クラシックでも、POPSでも、JAZZでも良いけれど、やはり、大編成ではないなって思うのですが。
" Bartok String Quartet No.6 in D Major "
綺麗な旋律の曲が好きなのですが、それでも、この作曲家の弦楽四重奏を聴いた時、この不協和音の中に、すごく綺麗なものを見つけた気がしました。
突き放され、本当は不安で、不安で仕方がない。でも、その中に、ある種の静謐さがあると・・・。
そして、" Vilhelm Hammershoi The Poetry of Silence " 展に行ってきました。
デンマークの画家である、ハンマースーホイ。北欧のフェルメールって呼ばれることもあるとか・・・。
今年は、フェル様とデルフトの画家達の展覧会も見ているので、17世紀のオランダ絵画がどんなものだったのかの予備知識はあります。
図録の表紙にもなっています。 " 室内、ストランゲーぜ30番地 " 1900年頃 63.5×54.5cm
確かに、扉でつながったいくつかの部屋を見通すような空間の扱い方、窓から差し込むやわらかい光・・・。
" 窓辺のふたり " 1895年頃 55×46cm
そんなところは、フェルメールやその時代のオランダの画家達の影響が、ダイレクトに感じられます。ハンマースーホイ、オランダに3回行ったことがあるようですが、かなり研究をし影響を受けているなと思いました。
良い時期に、上野で二つの展覧会が催されたなと思います。そして、両方の展覧会をフェルメール、ハンマースーホイの順番で見ることができたのもラッキーでした。
とりあえず(なぜとりあえずかは後ほど)フェルメールもハンマースーホイも静謐の画家ってイメージなんだそうですので。
" 居間に射す陽光Ⅲ" 1903年頃 54×66cm
そして、およそ370枚の作品のうち。1/3は自分が住んでいたストランゲーぜ30番地のこの部屋の中で書かれたとのこと。
そして・・・、作品の中の人物のほとんどは、自分の奥さんのイーダ。しかも、その姿も後姿ばかり。
" フォトゥーネン近く、イェーヤスボー、デューアヘーウェン自然公園" 1901年 55×66.5cm
ハンマースーホイ、人間としてもなかなか興味をひかれる。きっとあまり人付き合いが得意でなく、どちらかというと外にもあまり出たがらない人だったのではないかなと思います。
見ていて、きれいな景色とか色彩が素晴らしいとか、表情がかわいらしいとか、そんなことは全然感じませんでした。くすんだ白とグレーのベールで覆われたような・・・、一通り描いた後にグレーの霧を吹きかけたかのような色合い。
また、部屋そのものもそこに置かれた家具もどこか不安げで、人物も輪郭が背景に溶け込んでしまうかのようで。こういうのは無意識の不安なんでしょうか・・・。
しかし、見ていて感じるのは静けさです。
しかも、まだ自分でも理解していない心のどこかの領域を、これも何であるのかは分からないが、ざらつくような感じで触られているような、良くは分からないけれど・・・、そんな感じを通じての、そんな種類の静けさを感じます。
同じ「静謐」という言葉なのでしょうが、フェルメールの静けさとは種類が違うようです。
展覧会を見て謎だらけになりましたので、ハンマースーホイ、図録を買ってきました。
秋の夜長、バルトークの四重奏を聴きながら、どうしてそんな感じがするのか、読んでみたいと思います。
はいっ!! 帰りは秋葉によりました。
昼間ならPCのパーツ屋さんによるのですが、
友達と、お互いに感じたことなんかと、久し振りの近況報告などを・・・ということにして、もちろん、期間限定の一番絞りを飲んできました(笑)。 ^^v
そして、こよい、記事をアップしながら・・・、ハンマースーホイの色彩にはウィスキーが合うようです。(笑)。
" 2008/11/15 Vilhelm Hammershoi & Akiba & Beer "
土曜日に上野の西洋美術館に行ってきてから、ずうっと考えていました。
画は好きなので、自分の自由になる時間のうちのある部分は(たいした時間ではないのですけれど)、美術館にいたいんだと思います。
そして、例えばブリジストン美術館のルオーのピエロ(1925年)と話をしながら、この画にはどんな曲が似合うんだろうと思いを巡らすなど、頭の中の陣地取りをするのが好きです。
でも、
ぼくが聴いたことのある曲の中では、この日に見た画に合う曲は、これだと思います。皆さんは、どんな曲が合うと思いますか?
クラシックでも、POPSでも、JAZZでも良いけれど、やはり、大編成ではないなって思うのですが。
" Bartok String Quartet No.6 in D Major "
綺麗な旋律の曲が好きなのですが、それでも、この作曲家の弦楽四重奏を聴いた時、この不協和音の中に、すごく綺麗なものを見つけた気がしました。
突き放され、本当は不安で、不安で仕方がない。でも、その中に、ある種の静謐さがあると・・・。
そして、" Vilhelm Hammershoi The Poetry of Silence " 展に行ってきました。
デンマークの画家である、ハンマースーホイ。北欧のフェルメールって呼ばれることもあるとか・・・。
今年は、フェル様とデルフトの画家達の展覧会も見ているので、17世紀のオランダ絵画がどんなものだったのかの予備知識はあります。
図録の表紙にもなっています。 " 室内、ストランゲーぜ30番地 " 1900年頃 63.5×54.5cm
確かに、扉でつながったいくつかの部屋を見通すような空間の扱い方、窓から差し込むやわらかい光・・・。
" 窓辺のふたり " 1895年頃 55×46cm
そんなところは、フェルメールやその時代のオランダの画家達の影響が、ダイレクトに感じられます。ハンマースーホイ、オランダに3回行ったことがあるようですが、かなり研究をし影響を受けているなと思いました。
良い時期に、上野で二つの展覧会が催されたなと思います。そして、両方の展覧会をフェルメール、ハンマースーホイの順番で見ることができたのもラッキーでした。
とりあえず(なぜとりあえずかは後ほど)フェルメールもハンマースーホイも静謐の画家ってイメージなんだそうですので。
" 居間に射す陽光Ⅲ" 1903年頃 54×66cm
そして、およそ370枚の作品のうち。1/3は自分が住んでいたストランゲーぜ30番地のこの部屋の中で書かれたとのこと。
そして・・・、作品の中の人物のほとんどは、自分の奥さんのイーダ。しかも、その姿も後姿ばかり。
" フォトゥーネン近く、イェーヤスボー、デューアヘーウェン自然公園" 1901年 55×66.5cm
ハンマースーホイ、人間としてもなかなか興味をひかれる。きっとあまり人付き合いが得意でなく、どちらかというと外にもあまり出たがらない人だったのではないかなと思います。
見ていて、きれいな景色とか色彩が素晴らしいとか、表情がかわいらしいとか、そんなことは全然感じませんでした。くすんだ白とグレーのベールで覆われたような・・・、一通り描いた後にグレーの霧を吹きかけたかのような色合い。
また、部屋そのものもそこに置かれた家具もどこか不安げで、人物も輪郭が背景に溶け込んでしまうかのようで。こういうのは無意識の不安なんでしょうか・・・。
しかし、見ていて感じるのは静けさです。
しかも、まだ自分でも理解していない心のどこかの領域を、これも何であるのかは分からないが、ざらつくような感じで触られているような、良くは分からないけれど・・・、そんな感じを通じての、そんな種類の静けさを感じます。
同じ「静謐」という言葉なのでしょうが、フェルメールの静けさとは種類が違うようです。
展覧会を見て謎だらけになりましたので、ハンマースーホイ、図録を買ってきました。
秋の夜長、バルトークの四重奏を聴きながら、どうしてそんな感じがするのか、読んでみたいと思います。
はいっ!! 帰りは秋葉によりました。
昼間ならPCのパーツ屋さんによるのですが、
友達と、お互いに感じたことなんかと、久し振りの近況報告などを・・・ということにして、もちろん、期間限定の一番絞りを飲んできました(笑)。 ^^v
そして、こよい、記事をアップしながら・・・、ハンマースーホイの色彩にはウィスキーが合うようです。(笑)。
" 2008/11/15 Vilhelm Hammershoi & Akiba & Beer "
2008-11-18 21:49
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コメント(28)
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北欧のフェルメール。 なるほど。。
芸術の秋に浸られてますねー!
by いわもっち (2008-11-19 05:59)
なんだか充実した休日を過ごされたみたいですね。美術館鑑賞にお買いもの、お友達との期間限定ビール、帰ってまったりと羨ましい一日ですね。
by porcorosso (2008-11-19 06:40)
好きなアーティストではないけど(^^;)
バックストリート・ボーイズの「I Want It That Way」かな。
by jon_bovi (2008-11-19 07:57)
おはようございます。
素敵な休日でしたね
by はくちゃん (2008-11-19 08:47)
画には、全く知識が無くて・・お恥ずかしいのですが
子供の頃、チョコレートの箱の中に世界の名画がカードで
入っていました
その中の1枚に似たカードが、あった記憶が・・
by Klose (2008-11-19 09:39)
良いですねぇ、絵と音楽とお酒・・大人の趣味です!
by Azumino_Kaku (2008-11-19 11:43)
贅沢な大人の時間をすごされたようですね。
ちょっと 付いていけませんでした。
・・・とりあえず フェルメール展へ行った後でよかったかな!?と。
by ララアント (2008-11-19 18:59)
う~ん....ご自分の感性を磨く時間をとても大切にされていますね~
私の周りの殿方で、こんな話題のできる人物はまずおりません(笑)
私も知識がないので、知らない星の話のようでしたが、
ビールのお写真にちょっとホッとしましたよ(汗)
by みかっち (2008-11-19 19:57)
癒されましたか~。
美術館に秋葉、対照的な感じで、また良いですね。
by いずみ (2008-11-19 21:12)
音楽にも美術にも造詣が深いんですね~♪
私もクラシックや絵画は好きですが、ここまでとても
語れません。いや~mozさんスゴイです!
で、帰りに秋葉に立ち寄るところがまた意外性がありますね^^
by pastel (2008-11-19 22:00)
ハンマースーホイ?知りませんでした~
知らない画家の方が、星の数ほど多いですが^^
言われてみると、フェルメールと似た作風ですね。
前にも書きましたが、ますますどんな方なのか?気になります^^
by luella (2008-11-20 22:26)
こんばんは。
ハンマースーホイって、初めて知りました。
静かな感じの絵なんですね。
今までどんな曲があうかなんて考えながら絵を
見たことありませんが、そういうことを考えながら
鑑賞するのも面白そうですね。
by sunset (2008-11-20 23:22)
ハンマースーホイ、初めて聞くお名前でした。
穏やかなイメージですね。
引越しが落ち着いてきたので、
年内に1度は美術館でゆっくりする時間もとりたいなぁ
と思う今日この頃です。
mozさんのように語れるようになるには
100年かかりそうですが・・^^;
by komame (2008-11-22 21:17)
いわもっちさん、おはようございます。またまた、遅れてすいません。 ^^;
そうですね。フェル様に似ているのでそういわれているようです。でも、見ていて受ける印象は、全然違います。
by moz (2008-11-24 05:59)
porcorossoさん、やりたいことはいっぱいあるのですが、時間がなかなかなくて・・・。
それで一日に詰め込むのですが・・・、余計、中途半端になっているかも。
写真ももっとゆっくり撮りたいんですが。 ^^;
by moz (2008-11-24 06:01)
jon_boviさん、なるほど、バックストリートボーイズですね。
聴いてみます ^^
by moz (2008-11-24 06:02)
はくちゃん、おはようございます。
はい、充実していましたが、午前は鎌倉、午後は上野と秋葉で少々、忙しかったです。
by moz (2008-11-24 06:03)
Kloseさん、たしか・・・、そんなチョコレートあったかもって、思います。
ハンマースーホイ、興味深い画家さんですが、ぼくは初めて知りました。
by moz (2008-11-24 06:07)
Azumino_Kakuさん、あははは、そんなしゃれたものじゃないです。
文化会系的人間なので・・・。 ^^;
でも、絵と音楽とお酒だったら、躊躇なくお酒ですね(笑)。
by moz (2008-11-24 06:09)
ララアントさん、フェルメール行かれたんですよね。少し混んでいて埃っぽかったみたいですが・・・。
でも、見ておく価値は十二分かと思います。 ^^
フェル様見てからのハンマースーホイ、いかがですか?
確かに構図とか光の扱い方とかは似てるなって思います。でも、見ていて受ける感じは別物とも思います。
面白い画家には間違いないかと。
by moz (2008-11-24 06:13)
みかっちさん、あははは、こんな暇な人間はいないかも・・・、です ^^
画はあまりご覧になりませんか?
たまにふらって美術館も良いものですよ。できれば、特別展のように混んでいる時ではなくて、常設展の人があまりいない時が良いです。
好きな画と話をしてくるのも。 ^^v
ビールは、〆に必ず必要です(笑)。
by moz (2008-11-24 06:16)
いずみさん、忙しかった一日の良い〆だったです。 ^^v
ビールをいただければ・・・、それは、ほんとに、もーーって感じです(笑)。
by moz (2008-11-24 06:18)
pastelさん、造詣という文字はぼくには関係ないかと・・・。ただ、美術館と画は好きですけれど。
バルトークは石田衣良さんの小説に出てきて聴くようになりました。
かなり、面白い作曲家です。CDまた新しいのが届くのですが楽しみです。pastelさんはどんなの聴かれますか?
秋葉も昔から大切な街です ^^
by moz (2008-11-24 06:21)
luellaさん、鑑賞したことのない画家さんはまだまだたくさんいらっしゃいますよね。
今回のように新しい興味を与えてくれる方に会えるとほんとうに面白い。また、行きたくなります。
はい、フェルメールに構図と光の扱い方は似てます。
でも、その他は全然違います。フェルメールのは永遠の時をそこに感じます。そして、一瞬は止まっているのだけれど、次の動作への予感も一緒にフリーズしているようなそんな素晴らしさを感じます。
ハンマースーホイは、たぶんそういう見方じゃないんでしょうね。時とか関係なくてもっと心象的な見方をすべき画家さんなんだと・・・。
いえいえ、ごくごくふつーーうなんで・・・ ^^;
by moz (2008-11-24 06:27)
sunsetさん、ぼくも展覧会へ行ってはじめて見ました。ハンマースーホイ。
言葉で表すと、静か、静謐っことなんでしょうね。
ただ、それにもバリエーションはたくさんあるので、フェルメールとはだいぶ離れていると思います。
はい、色んなこと考えながら画と話をするのは好きです。
たまに美術館でウォークマンで好きな曲聴いている時もあります(ボリュームはうーーんと絞って)。
by moz (2008-11-24 06:30)
Komameさん、引越しご苦労様でした。大変ですよね、お引越し。
落ち着かれたら、ぜひぜひ!! 画を見てゆっくりなさってください。
いえいえ、ぼくのはただ感じたことを書いているだけだし語彙もたぶん足りないなって思うのです。
でも、感じたことをこうやって残しておきたいと思うので・・・ ^^;
すいません。
by moz (2008-11-24 06:33)
とても静かないい時間を持たれているのですね。
絵画の鑑賞も系統立ててご覧になるとはさすがです
私は、ミーハーなのかなエネルギッシュな、ピカソ観て来ました。
mozさんの好きな音楽、絵画研究しすぎて
惚れるといけないのでこれくらいにしましょう(笑)
by ももこ (2008-11-24 19:49)
ももこさん、ウィークデーがあまりにもバタバタしているので、平衡感覚を保つには、両極端になるものが、必要かなって思います。
いえいえ、これは、たまたまこうなったもので、最初から目論んでこうなったわけでは・・・ ^^;
ピカソも良いですね。それに、2つの美術館で面白そうにやっています。機会があればと思っていますが。
ははははっ、研究していただくほど色々と知ってるわけでもないです ^^
by moz (2008-11-26 05:22)