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マウリッツハイス美術館展_真珠の首飾りの少女:20120704 [絵画]

今年6作品目の来日です。2012年は自分にとって、この上ない嬉しい年、フェルメール・イヤー。 

【フェルメールからのラヴレター展】
手紙を読む青衣の女(アムステルダム国立美術館)
手紙を書く女(ワシントンナショナルギャラリー)、手紙を書く女と召使(アイルランド国立絵画館)

【ベルリン国立美術館展】
真珠の首飾りの少女

そして
【マウリッツハイス美術館展】
ディアナとニンフたち
真珠の耳飾の少女

6作品を見ることができた年。

しかも、フェルメールの代表作の真珠の耳飾の少女、傑作!、真珠の首飾りの少女が、今、東京の上野の美術館でお隣同士。

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それを考えただけで、もう十分に幸せな気分ですが、やはり見返り美人さんに会いたい。

ちょうど? 4日の水曜日に用事ができて休みましたので、上野まで足を伸ばしました。

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朝10時半頃・・・。ウィークデーだし、いつもよりは少し遅いけれど、混んではいないだろう、ゆっくりと少女に会えるだろうと、のんびり京浜東北線に乗って出かけたのですが・・・、あらら。

こんなに混んでいるとは。

チケットは上野駅の売り場で買ったのですが、東京都美術館に着けば、既にすごい列。
展示室に入るまでに、水曜日にもかかわらず30分くらい並びました。
土日だともっとすごいのでしょうね。

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マウリッツハイス美術館、17世紀のオランダ絵画の宝庫といえる美術館です。
ハルス、レンブラント、フェルメール、デ・ホーホetc etc ・・・、この時代の傑作絵画を見る良い展覧会。

しかし、すっ飛ばしますーーっ!!
とにかく一目、先ず一目。並み居る名画をすっ飛ばして、先を急ぎます。

そして、ひときわの人だかりの場所にたどり着きました。いました、真珠の耳飾の少女。

「ゆっくりと遠くから見たい方は右へ、近くから鑑賞したい方は左へ」そんな案内が書かれていていましたが、ともかく、とりあえず、何でもよいので、すぐ会いたい。
じぶんは先ず、右側の少し遠目からの方へ。

遠くとはいっても、列を一つおいたくらいですから、それほどの距離ではありません。

はじめまして。
オランダのモナリザ、見返り美人さん。

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確かに、目はパッチリと、鼻筋が通って、かわいらしい唇。
すごい美人です。

フェルメールの描く女性は、同じ時代に描かれたどの画家の女性よりも美しいと思うのですが、その中でもこのトローニーの少女は飛びっきりの美少女。理屈なしに素敵な絵です。

フェルメールの描いたトローニー(特定の人物を描いたものでない胸から上の肖像画)は3枚あるのですが、他の2枚はこれとは全然違います。失礼な書き方ですが、この少女とは比べることが出来ないほど個性的な顔立ちでいらっしゃる(笑)。
しかも、もう一枚の「少女」のトローニー(メトロポリタン美術館)はこの少女と同じ真珠の耳飾をつけていて、色は違いますがターバンも巻いているんですが・・・。
どうして、フェルメールはこの一枚だけこんなに綺麗な少女を描いたのか?
モデルはいるのか?
なぜこの少女を描いたのか?

見ていると、色んなことを考てしまいます。 謎が・・・いっぱい。

フェルメールがまだ若かった頃の作品、ディアナとニンフたちにも久しぶりの再会。

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マウリッツハイス美術館展、すっ飛ばして見てきた印象なんですが・・・、
でも、気になる絵がたくさんありました。

例えばレンブラント。

この晩年のレンブラントの肖像画は、なんともいえない表情です。皆さんはどんな感じを受けますか?
じぶんはこの画を見ると、レンブラントの歩んだ人生のこと等を思い返してしまいました。
人間のはかなさ、栄枯盛衰? そんなことを考えてしまった。

<自画像> レンブラント・ファン・レイン 1669年
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この絵も素敵でした。
光と闇の画家の面目躍如の作品、レンブラントらしく、劇的な場面。


<シメオンの賛歌> レンブラント・ファン・レイン 1631年
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この展覧会で初めて知った、ピーテル・クラスゾーン。
自分的に、すごい画家を発見しました !!

暗闇の中のロウソクの光って、見ているとすっと引き込まれてしまう・・・、行ってはいけない世界に引きずり込まれるような、
そんな感じがするときがあります。

クラスゾーンのこの絵を見ていて、正にそんな感じがしました。グラスと、本と眼鏡とetc etc ・・・。
他愛のない静物達なんですが、この画を見たとき、ふと足が止まってしまいました。
ストーリーを感じます。もう一度見てみたい絵。

<燃えるろうそくのある静物> ピーテル・クラスゾーン 1627年
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クラスゾーンのもう一枚も。

静物の組み合わせで、たぶん人生のはかなさみたいなものを表現しているのだと思います。砂時計、骸骨etc etc ・・・。
でも、それよりも気になったのは、手前のコンパス? に焦点が合っていて、奥の骨の辺りは写真で撮ったようにボケていること。

面白い描き方です。
まるで、写真のよう。カメラ・オブスキュラなんかとも関係があるのでしょうか?
気になる、少し調べてみたい画家です、ピーテル・クラスゾーン。

<ヴァニタスの静物> ピーテル・クラスゾーン 1630年
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そして、ファブリティウスにまた会うことか出来ました。

フェルメールの師匠格に当たる悲運の画家。デルフトの火薬庫の爆発に巻き込まれて、短い生涯を閉じてしまった画家。
ぼくは数枚しか見たことがありませんが、この画家にもとても興味があります。

小品、でもどこかフェルメールの優しい光に通じるものを、この絵から感じました。
ずうっと見ていたい・・・、そんな絵の一つになりました。

<ごしきひわ> カレル・ファブリティウス 1654年
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展覧会の会場を出て帰りの下りのエスカレーターのところに、真珠の首飾りの少女の衣装が展示されていました。

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展覧会のPRの企画? で女優の武井 咲さんが着られた衣装のようです。
衣装そのものも素敵なんですが、全体の華奢なことにびっくり。武井さんってすごくスリムな方なんですね。

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真珠の耳飾の少女にゆっくりとではなかったですが、会うことが出来ての帰り・・・。
展示場の入り口は、まだまだこんな具合・・・。

待つのは大変ですが、でも、流石にフェルメールの代表作。並ぶに値する絵だと思いました。

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見てきて、2つのことが頭を離れません。

一つは、ターバンを巻いた2枚の少女のトローニーのこと。
今回見たマウリッツハイスの " 真珠の耳飾の少女 " とメトロポリタンの " 少女 "。同じようなポーズ、似た衣装の2枚の真珠の耳飾をした少女のトローニー。

そして、もう一つは、ピーテル・デ・ホーホのこと。

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2枚のトローニーがそれぞれどういう絵なのか? お互いに何かの関係があるのか? 少し調べてみたいと思いました。

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そして、デ・ホーホ。

フェルメールと同時代の画家。今まであまり気にしていなかったのですが、今回展示されている絵の中に、フェルメールの
" 小路 " に雰囲気がよく似ている絵がありました。
帰ってきてから、家にある図録やネットで何枚かの絵を見ました。

かなり良いです。フェルメールに良く似てる? もしかすると好きかも知れない・・・この画家。

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今日は横浜は雨。

土曜日、夏休みの初日だし、きっと美術館は混んでいるんだろうなと思います。


仕事をして、家に帰ってきて、スイッチを切り替えるために冷蔵庫の中から缶ビールを取り出してシュポッ(笑)。
そんな繰り返しをしていると、こんなに素敵な少女に会えても、すぐには話をしてくれません。しばらく、展示室を行ったり来たりして、勘を取り戻して? ・・・、帰り際にようやく目と目が合った感じ。

綺麗なんですが、真珠の首飾りの少女に会えたときの衝撃というか、感じとは少し違っています。ベルリンの絵は、それだけすごい絵だったんだとも思いますが、もう一度、この少女と話をしなければ。

今度はすっ飛ばさずに、17世紀の絵画を一枚ずつ鑑賞していって、少女の世界に感覚を同期させて、同じ立ち位置で会ってこようと思います(笑)。

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展覧会の帰りに、上野の駅中のドミニク・サブロンさんでクロワッサンを2つ買ってきました。

ワインとチーズといっしょに、見返り美人さんたち、見てきた絵の余韻に浸りました。

仕事から帰ってきて、ビールをシュポッも必要なんですが・・・、こんな時間がとても好きです。展覧会で聴いていた Mozart の Symphony をもう一度 ♪

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しばらく、ばたばたで、書きかけのこの4日の記事もほったらかしでした。

出張も何箇所かしたし、北海道の白樺山荘さんの本店で味噌ラーメン、大阪でお好み焼きを食べ、広島でアナゴ飯を食し、個人的には3連休に高野山等に行ってきました。
弘法大師、すごいなと思った出来ごともあって、楽しい旅でしたが・・・、ここのところ写真もちゃんとは撮りに行っていません。

そろそろ、相棒もうずうずしているようです。来週あたり鎌倉に出かけようかと思っています。

2012/07/04 MASTERPIECES FROM THE MAURITSHUIS
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ベルリン国立美術館展_フェルメール真珠の首飾りの少女:20120616 [絵画]

季節は梅雨。

横浜でも雨が多くなって来ました。うちの近所でも紫陽花がとても素敵な紫色に色付いています。
植え込みの濃いパープルカラー。

傘をさすと、どうしてもうつむき加減になります。そんな時にふと傘越しに目に入る紫陽花の色達。
心が軽くなる、元気をもらえる気がします。

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この季節・・・、雨で、どうしても出かけるのがおっくうになりますが、ならば屋内の楽しみ(笑)。

カメラを持っての散歩がダメならば、なかなか行く事ができなかったところへ行くのも良いですよね。

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という、簡単な方程式? ではないのですが、

心の余裕がなくて、今年はあまり展覧会にも行っていませんでした。

雨のこの季節、ならば、ゆっくりとフェルメールに会いに。
友達を誘って上野、西洋美術館で開催中の " ベルリン国立美術館展 " に行ってきました。

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6月13日からスタートして9月17日までです。
いつもなら初日に行くのですが、今回は水曜日でしたので、それは無理。休みの初日となる16日(土)となりました。

9時30分開館なので15分前に待ち合わせ。

雨がかなり降っていましたが、それでも既に20人ほどの方が並んでいました。
靴がぬれるほどの雨の中、一人で傘をさして待つのは大変ですが、友達と話していると、すぐに開館時間。

雨のせいでしょうか? それほどの混雑ではありません。


もちろん、目当てはフェルメールですが、でも、順路をたどっていく間に、今回来日している作品達の質の高さに気が付きました。
フェルメールだけではありません。見るべき作品がたくさんあると思いました。

肖像画も良いものが来ています。このクラーナハののルターの作品もすごいなぁ。
一番すごいと思ったのは、帽子の描き方の大胆さなのですが、黒の使い方・・・すごい。

<マルティン・ルターの肖像> ルーカス・クラーナハ(父)の工房 1533年 
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何かの本の挿絵で知ったデューラー。
確か、メランコリックという版画だったと思うのですが、とても強い印象を受けた画家。

油絵を見る機会はあまりなかったのですが、さすが版画も得意な画家です。線の一本一本・・・すごい。
毛皮の毛の描き方、顔の表情を表すための線たち・・・、デューラーの肖像もすごかった。

<ヤーコブ・ムッフェルの肖像> アルブレヒト・デューラー 1526年
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ジョルダーノは、この古代ギリシアの数学者であるエウクレイデスとアリストテレスのものが来ています。
アリストテレスも良いけれど、ぼくはこのエウクレイデスの肖像画にひかれました。

背景の中から突然表れて来たようなエウクレイデス、幾何学のことを一心に考えているのでしょうか? 老人の姿、迫力を感じます。

<エウクレイデス> ルーカ・ジョルダーノ 1650-1653年頃
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ローマの貞女、ルクレティアの話を題材にして画かれたもの。
イタリアのルネッサンスの女性達とは少し違っていて、厳しさとか厳格さが伝わってくる気がします。

<ルクレティア> ルーカス・クラーナハ(父) 1533年
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レンブラントも来ています。
この画もしばらく釘付けになった一枚。
 
まるで、劇場のスポットライトが当たったようなミネルヴァの顔。
顔以外は絵の具が厚く塗られていますが、白く浮き上がった顔は、それに比べて優しいタッチ、一気に書き上げたような感じがして、その対比が面白い。
1年前のレンブラント展で、この後に書かれたもう少し大きな画のミネルヴァを見ていますが、姿や衣装などは色が違うもののほぼと同じような構成だったと思います。
でも、劇的さと言うことでは、今回のミネルヴァの方が少し勝っているかもしれません。

見ていると、じぶんもレンブラントの舞台の上に一緒にいるような気になってきます。

細部も見れば見るほど興味をひかれますが、照明が・・・。もう少し、工夫できないでしょうか? 反射していたり、暗くて・・・、せっかくのレンブラントなのに。

<ミネルヴァ> レンブラント・ファン・レイン 1631年
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絵画以外にも、彫刻やレリーフなどがたくさん来ていて、それらもとても素晴らしいです。

衣の表現の仕方がすごいし、マニエリスムの典型なのでしょうか?  ねじった細身の体、表情もとても可愛くて綺麗です。
しばらくうっとり(笑)。

<戴冠の聖母> ヨハン・ゲオルク・ディル 1760-1770年頃
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こちらのヨハネ像も、足を止めた作品の一つ。
ギリシア・ローマ風のポーズのこの作品、少年のヨハネ像はとても可愛いです。展覧会に行かれたら、是非ご覧ください。

<福音書記者聖ヨハネ> ジョバンニ・ディ・アントニオ・ブオーラに帰属 1485年頃
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そして、どうしても会いたかったフェルメール、" 真珠の首飾りの少女 "。

心待ちにしていた一枚です。

<真珠の首飾りの少女> ヨハネス・フェルメール 1662-1665年頃
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フェルメールを意識して見始めてから、自分にとって13/37枚目に当たる作品。

展覧会は比較的空いていましたが、この画の前には多くの人たちが集まっていました。
列もなかなか進まない。皆さん、ゆっくりとフェルメールに会っているんです。

早く会いたい・・・、
でも、会うまでの時間も楽しい。矛盾しているかもしれませんが、ワクワクする気持ち、これもまた良いものです。

それでも少しずつ、少しずつ、近づいて行って、だんだん画の細部も見えるようになってきて・・・、すごい、フェルメール。

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カタログや、ポスターなど、再現してしまったものでは分りませんが、実物は繊細、優しい。そして、フェルメールは効果? をすごく考えて、この画を描いているなと思いました。

良く見ると、遠近感として机とか椅子とかおかしいのだと思います。
また、" 真珠の首飾りの少女 " というテーマから、この画の主人公は少女なのだと思うのですが、実物を見ると少女はそれこそ壁の中にいるようなそんな描き方をされていて、写真で言うとピントが合っているのは手前の椅子なんです。
肝心の少女の方は、輪郭もはっきりしないような描かれ方です。
不思議?

でも、それらは、画を見る時、素晴らしい効果を生んでいます。
机や椅子も不自然ではなく、ぼくらの視線も少女に自然に行くので、かえって部屋の奥行きをとても感じます。

フェルメール、すごい。

かなりの時間、画に近づいて、そして少し離れて、真珠の首飾りの少女と話をしていました。

そして、やはりこの画って、光なんだなと・・・、
フェルメールが描きたかったのは、この優しい光なんだな、と思いました。
カタログ、ポスターではコントラストがきつくなってしまって分りませんが、実物のこの光・・・、フェルメールの、デルフトの・・・、
季節はいつなんだろう?
冬の、でもきっと暖かな一日、昼過ぎのとある時間かな? 優しくて、少しさびしげなこの光。
すごいです。とても好きだな。いいなぁフェルメールの光。

フェルメール、" ミルクを注ぐ女 " の輝きは今でも鮮烈に脳裏に残っていますが、この" 真珠の首飾りの少女 " の優しい光、忘れられない一枚になりました。

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これらの他にも、ボティッチェリが描いたダンテ「神曲」の素描なども来ています。

<ダンテ「神曲」挿絵素描> サンドロ・ボティッチェリ 1480-1495年頃
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ほんとに、見るものがたくさんあって、興味津々のベルリン国立美術館展でした。

しばらくぶりのの展覧会ですが、2時間弱、まったりと作品達と有意義な時間を過ごすことができました。

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西洋美術館を出ると雨は上がっていました。

ちょうど、昼の時間なので、食事をすることに。

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上野から銀座線に乗って、銀座まで。そして、いつもの SKAAL さんへ。

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実は、友達は昨日、金曜の夜もここで飲んでいたそうです。

その頃、じぶんは盛岡出張から帰るころ、東北新幹線の " はやて " の中でしたが・・・。

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金曜の夜、銀座で美味しいビールなんて・・・ぶつぶつ、うらやましい・・・ぶつぶつ、、その分、飲んでしまいましょう(笑)。

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前回来た時と同じように、自分達が最初の客のようでした。

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それでは、プレミアモルツのハーフ&ハーフを !!

あーーっ、美味い(笑)。 ふーーっ。

いつもの1,000円、ボリュームたっぷりのランチでビールを美味しく頂きました。 
あまりにボリュームいっぱい過ぎて、全部は食べ切れなかったのですけれど・・・ ^^;
残してゴメンなさい。

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今度は、絶対に夜!! と友達と約束して分れました。

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店から出ると、また雨です。

雨の銀座か。
ほろ酔いのじぶんは、有楽町の駅の方へぶらぶら。

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あっ、鹿の子。

TaekoLovesParis さんのところで最近見て、とても懐かしかった銀座" 鹿の子 " さん。 
昔、京橋でバイトをしていた頃、良く買って帰ったものです。懐かしいなぁ~。

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小さいのを一つお土産に。

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フェルメールにも会えたし、

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美味しいビールはいただけたし、

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雨ですが、傘を差しての上野、銀座の散歩もよいかもしれません。

雨の季節には、それなりの楽しみ方があるのですね。

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帰ってきても、お楽しみが。

可愛い包装紙。これも中身もウン十年前と変わっていませんでした。6個入りだったんですが、ぼくが一つ食べる間に、不思議なことに? 全部なくなっていました、おいおい(笑)。

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ビールも飲み足りなかったので、帰りにコンビニで。

何だ、この赤いのは?

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フェルメール、この後も今月末、" 真珠の耳飾りの少女 " がやって来ます。

今年の梅雨の季節、楽しみが続いてやって来ます。うれしい。

" 2012/06/16 From Renaissance to Rococo. Berlin & Ginza Skaal "
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フェルメール光の王国展_銀座散歩:20120219 [絵画]

" ほっ " どこか遠くで雨の音。

土曜の朝の雨の音に、ほっとして目覚めたじぶんに気が付きました。

紅茶をいれて、昨日届いていた Rubinstein の Chopin Piano Concerto No.1 を聴きます。
Rubinstein の Chopin は昔から大好きです。
エスプリ、歌い回しがすごく粋で自然で、ロマンチックだけれど甘すぎず、どこか芯が通っているようで・・・大人のChopin っ ♪
雨の土曜の朝、紅茶を頂きながら聴くにはぴったり。

天気ならカメラを持って散歩に出かけるところですが、なんとなく雨で ほっとしている・・・、年です・・・(笑)。

アップする写真もないので、先週の日曜日に散歩して来た銀座のことを残しておきたいと思います。

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去年の年末に一冊の本を買いました。

新聞で見て、どうしてもすぐに読みたくなり、横浜のダイヤモンド地下街の有隣堂さんに買いに行ったもの。

カウンターに持って行くと、「もっと綺麗な本があると思います」。
わざわざ書棚まで見に行って持ってきてくれた一冊。店員さんの親切な心、暖かさもこもった本。

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ANA の機内誌「翼の王国」で以前連載されていて、乗るたびに楽しみに読んでいたものが一冊にまとめられたもの。
分子生物学者の福岡伸一さんが書かれた「フェルメール光の王国」。

35枚(37枚といわれていますが、非公開と盗難の2枚は見ることができない)のフェルメールがいる都市、ウィーン、ニューヨーク、ロンドン、アムステルダム etc etc ・・・を訪ね、エヴァリスト・ガロワ、野口英世などそれらの都市に縁の人物の足跡も織り交ぜながら、美術館でのそれぞれのフェルメール達との出会を綴ったもの。

単なる絵画の解説でなく、福岡さんの専門からの視点のせいでしょうか、人物や都市の色んなエピソード、歴史等がつづられているのですが、それでいて本のどこを読んでもフェルメールの黄色系、白色系、藍色系のあの独特な色彩であふれている、センスが良く好奇心を刺激される素敵な一冊。

毎日、会社から帰って一章ずつ読むのが楽しみでした。

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その本にちなんだ、福岡伸一さん監修の展覧会が、7月22日まで銀座で開催されることを知り、友達を誘って2月19日日曜日に出かけたのです。久しぶりの銀座への散歩。

「フェルメール 光の王国展」です。

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「re-create」による37作品が年代順に展示されています。

サイズ、色彩、額まで各美術館で展示されている実物のままに再作成された作品達。

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以前の展覧会で見た " レースを編む女 " も

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つい最近、京都と渋谷で会った " 青衣の女 " も

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6月に上野で会うであろう " 真珠の首飾りの少女 "

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そして待ち焦がれている " 真珠の耳飾の少女 " にも会うことができました。

カタログや本でそれぞれ見たことはあるし、実物にも十数点は既に会ったことがあるのですが、この展覧会は本当に面白かった。

フェルメールの37点が年代順に、そろって鑑賞できる所は世界中でオランダの「フェルメール・センター・デルフト」と7月22日までの銀座のここだけです。

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この " 手紙を書く女と召使い " も展覧会で見たものと色彩が違っていました。修復以前のフェルメールが描いた時そのままの色彩だと思うのですが、とても柔らかい光、フェルメールらしい。
召使の印象も全然変わってしまいました。

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椅子の獅子の飾りや窓の模様、女性が着ている白い毛皮付きの黄色いガウンや青いガウンなど、いくつかの作品に同じものが登場しているのも、本のページをめくるのではなくて、このように37点が並んでいるからこそ良く分かります。

フェルメールって、本当に一つの部屋の中で同じ家具や衣装を使って描いていたのだということが良く分かりました。

モデルもトローニー(不特定の人物)ではなくて、きっと特定の人物がいたんだと思います。似た顔の絵がいく組かありました。
もしかすると「真珠の耳飾の少女」の映画のようなことがあったのかもしれません。

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フェルメール家の召使、フェルメールの娘 etc etc ・・・、それらがモデルの作品もあるのかもしれません。

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そして、今回の展覧会でもう一つ注目すべきなのは、福岡さんの新説。

このレーウェンフック(顕微鏡を自作しそれにより色々なものを発見)がイギリスの王立アカデミーに送った論文の絵は、実はフェルメールが描いたものだというものです。

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デルフトで同じ1632年に生まれた、レーウェンフックとフェルメール。当然顔なじみであったろうし、フェルメールの天文学者と地理学者のモデルはレーウェンフックであったとも言われています。

若くしてなくなったとはいえ、生涯37点しか描かなかったとは思えません。まだ他にもフェルメールの作品は世界のどこかで眠っているのかもしれないし、この様な形で発見を待っているのかもしれません。

実際、この絵を見るとデッサンの線は熟達した技により一筆書の様に描かれているのが分かります。
きっとフェルメールに違いない・・・ぼくも強く思いました。きっとフェルメール。

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この展覧会、37点の「re-create 」だけではなくて、

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フェルメールブルー、ウルトラマリンブルー等の絵の具の展示や、作品が画かれその舞台にもなったフェルメールのアトリエの再現等、フェルメール好きにはたまらない企画が目白押し。

写真も撮れるし、友達と話をしながらいつもの展覧会よりもリラックスして鑑賞することができました。いくつかの発見もあったし、フェルメールを理解するには最適な企画だと思いました。

それに詳細は不明なのですが、夜間特別鑑賞券3,000円というものもあって音声ガイドの貸し出しの他、ドリンク付きだそうです。夜10時までやっているし、もしかすると一杯飲みながら鑑賞できるのかもしれない。

「フェルメール 光の王国展」もう一度来ても良いかな。

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興味深い有意義な時間を過ごして、お腹がすきました。

ランチは展覧会と同じビルの地下にある、銀座 " SKAAL " さんでいただくことに。

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そもそもはビアホールである SKAAL さん、地下は60人くらい入れるホールになっています。

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まだ時間が早いのでぼくたちが一番乗り。

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1,000円の価格でこのボリューム。

ランチなのですが、ここの茜色のエールビールが飲みたかった・・・、しかし、友達の喘息が悪化していてアルコールは禁止。

じぶんが飲めるようになったのですが、今度は友達が飲めないことに。人生、上手くいかないものです。

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暖かくなったら、それでも飲めるようになるだろう、とのこと。

次に来たときの
お楽しみと言うことで、今回はおとなしく? 手ごねハンバーグのランチを頂きました。

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このランチの量はかなりのものでした(ふうーっ)、腹ごなしに銀座通りをのんびりとそぞろ歩きです。

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銀座、

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そぞろ歩きをしているだけで、面白いもの、

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可愛いものにすぐに出会ってしまう。

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美味しそうなもの、可愛いものが沢山、あちらこちらに自然に顔が向いてしまいます。
ぶらぶらと歩いているだけで楽しい街。

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銀座から京橋。

京橋再開発のビル建設の向かいには Meiji " 100% Chocolate Cafe " さん。

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日陰で寒いのに、Cafe の前でチョコレートとケーキをバイトの方達でしょうか? 販売中。

可愛い女性に声をかけられれば、知らん顔で通り過ぎる訳には行きません (笑) 。

この季節限定の " SAKURA " チョコレートケーキ と、" 3.14 サクラ・シャンパン " チョコレートをお土産に。
この3.14チョコ、バレンタインデーのお返しに良いかもしれない。

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三菱一号館美術館の中庭は東京の丸の内とは思えないほど、のんびりとしていて、ほっと落ち着く雰囲気。

休日の銀座や東京は、ゆっくりと時間が流れ柔らかい光を感じることができる場所。街も人も一つだけではなくて、色々な表情を持っているのですね。歩いてみないとそれは分からない・・・。

そう言えば、建設中の中央郵便局も東京駅も、かなりそれらしく出来上がって来ました。完成したら東京駅周辺も大分雰囲気が変わるのではないでしょうか。楽しみ。


春はまだ、冬で寒いはずなのにこころを暖かくしてくれる美術館の中庭、後ろ髪を引かれる優しい日差したち・・・、
でも、気になるところがもう一箇所ありました。中庭を抜けて、

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" エシレ " さんに。

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ここのクロワッサン大好きです。

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バターの量で価格が決まっているのかもしれませんが、少し他の店より高いものの(315円~399円)味は抜群。

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噛めば噛むほど、まろやかなバターの味と香りが口の中いっぱいにじわーっと広がります。

10時から販売、一人6個までの限定ですが、遅い時間だと手に入れることができません。じぶんにとっては休みでないと手に入らない伝説のクロワッサン ^^v 。

久しぶりに思いっきり美味しいクロワッサンをいただくことができました。幸せ (笑)。

クロワッサン、少し気になっています。その後も色んなパン屋さんでクロワッサンを買ってきて試している。
どこかお薦めのクロワッサンがあったら教えてください。

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銀座、正確に言うと京橋なのですが、むかーーし、アルバイトをしていました。

ランチに辛子を沢山つけて食べたカツやさん、ブーツの裏を張り替えてもらった靴屋さん、
しめにカレーピラフを必ず頂く焼き鳥屋さん。
シャンソンの店、モスコーミュールとか飲んだ小さなバー、コーヒーが美味しかったお洒落な喫茶店 etc etc ・・・。

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長い年月の間になくなってしまった店もありますが、今回の散歩で何件かは残っているのを確認。

少しうれしくなって、思わずにんまり。友達は怪訝そうな顔をしていましたが・・・。

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今度は夕方にもう一度銀座を歩いてみたいと思います。

焼き鳥とカレーピラフを頂いて、そして小さなバーでモスコーミュールを飲もうと思います。

休日の銀座はのんびりと落ち着いていて、大人の雰囲気。昔よりは少しぼくも似合うようになったのかな?
外見は年をとったけれど、中身はあまり変わっていないのだけれど・・・(笑)

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そうそう、そもそもは「フェルメール光の王国展」を見に行ったのでした。好きなフェルメールをもっと好きにしてくれた展覧会。
それも半分薄れてしまうほど、銀座・京橋・丸の内の日曜日の散歩、とても充実していて楽しい散歩でした。

友達と一緒であまり写真は撮れなかったのですが、銀座の休日もいつかちゃんと撮ってみたいと思いました。

" 2012/02/19 Ginza & Vermeer "
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フェルメールからのラブレター展_Bunkamura:20111223 [絵画]

皆さん、メリークリスマス ♪

クリスマス3連休の方も多いと思います。
また、お仕事の方もいらっしゃると思いますが、夜はゆっくりとクリスマスイブを楽しめると良いですね。

クリスマス寒波で日本海側を中心として、かなりの積雪とか。
横浜ならホワイトクリスマスで皆喜ぶのでしょうが、降る量が違うと思います。雪の予報の方達はどうかお気を付け下さい。

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我が家は、母のところに出かけて家族でクリスマスパーティーの予定です。娘も昨日からチョコレートタルトを作ったり、プレゼントを用意したり、楽しみにしています。

じぶんも、ちょっとだけワインを頂こうかと。 ほぼ1ヶ月半ぶり・・・。
久しぶり、楽しみ。

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そんな3連休の初日、渋谷Bunkamura までフェルメールに会いに行って来ました。
「フェルメールからのラブレター展」 ~ コミュニケーション: 17世紀オランダ絵画から読み解く人々のメッセージ ~ 
Bunkamura ザ・ミュージアム で12月23日から3月14日まで開催です。

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この展覧会、京都出張の際に一度見ていて予習済みなのですが、" 手紙を読む青衣の女 " にもう一度会いたくて、友達を誘い初日の昨日、渋谷まで出かけてきました。

10時から開場なのですが、15分前に着くと既に100名くらい並ばれていました。
Bunkamura 時間になるまで建物の中には入れません。気温10度以下、時折吹く風は厳しい冷たさ・・・。
そんな中、一番目に並んでいる方は何時頃にいらっしゃったのでしょうか?

早く、中に、暖かい中に入れてくれるとよいのに・・・。
そんなことを考えながら、ジャケットのポケットに両手を突っ込んでじっと待ちます。

なんだ、これくらいの寒さ~、もうすぐフェル様のあの絵に会うことができる、それにしてもさぶーーーっ (笑)

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1600年代の半ばくらいのオランダ絵画を展示の順番に沿って見ていきます。二度目ですが、新しい発見もあったり。
京都の時は時間がなく、フェルメール以外はざっとしか見られませんでしたが、今回は友達とゆっくり見ることができました。

そして、フェルメールの3枚に8月以来の再会です。

"手紙を書く女 " 1665年 45×39.9cm ワシントン、ナショナル・ギャラリー
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最初に展示されているのは" 手紙を書く女 "
京都の時も、フェルメールが展示されている部屋に入って一番先に目に入ってきたのは、この絵でした。
黄色のサテンのガウン、フェルメールの絵にはこの白い毛皮のついたガウンが良く登場します。絵画を書くときのフェルメールの小道具? の一つだったんだと思います。

比較的暗い展示室で、この黄色は目立ちます。また、自分が好きな1660年代の作品の一枚だけあって、光に一目惚れです・・・。
静かで安らぐ永遠の光たち。彼女とだったら一日中、見詰め合っていても良いです(笑)

" 手紙を読む青衣の女 " 1663〜1664年頃 46.6×39.1cm アムステルダム国立美術館
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そして、会いたかった一枚に・・・。

京都と同じく三枚の中で真ん中の展示です。
" 手紙を読む青衣の女 "、京都で会った後も、もう一度会いたくて仕方ありませんでしたが、
この絵、やっぱりすごいです。
色数が青と褐色と白と・・・少なくて、壁も白いまま大きなスペースを占めています。

この絵にたどり着くまでに展示されている同時代のデルフト、その他オランダの画家達が描いた作品を見て来ましたが、こんな絵は一枚もありません。

何と行っても、先ず、絵が上手。
女性もきれいですし、構成も線自体もすっきりとしていてスマートさを感じます。
他の画家達と同じ、日常のある場面を描いているのだと思いますが、例えば、手紙を読んでいる絵は他にもたくさんありましたし、室内でテーブルクロス、部屋を仕切るカーテンを前景にあしらったもの、窓から柔らかい光が差し込んできて女性を照らしているもの etc etc ・・・ 同じモチーフを使って画いている絵はたくさんありました。でも、フェルメールのこの絵とは全然違います。

申し訳ないけれど、この前に展示されてる同種のモチーフの絵達は、フェルメールのこの絵を引き立てるために展示されているとしか思えませんでした。

"手紙を書く女と召使" 1670年頃 71.1×60.5cm アイルランド国立絵画館
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それに、日本画を思わせるような白い壁。

間とか、日本画では大切にすると思いますが、フェルメールのこの作品にはそれと通じるものがあると思います。もしかして、ぼくたちが惹かれるのにもそんなところに原因があるのかもしれない。

二度目だと、少し落ち着いて見られるのか、いろいろなことを今回感じてきました。


"手紙を書く女と召使" は70年代の作品です。
他の二つの作品とは、画き方が違ってきていると思います。同じフェルメールで、もちろん素晴らしいし好きではありますが、晩年にあたる70年代の作品は60年代のものと同じようには見ることはできません。
じぶんは、60年代の作品が好きです。

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そして、今回2度目であることで、
違った美術館で同じ絵画達を見ることかできました。これは面白かった。

絵画も展示される場所、飾られる壁の具合、光の量 etc etc ・・・でずいぶん印象が変わるのだということを実感しました。

正直、京都の美術館で見たときよりも光が良いのかな?  
この前よりも、もっと柔らかくて、色彩も本物と言うと語弊がありますが、感覚的に「これがフェルメールの色かもしれない・・・ 」というような感じがしました。二度違う場所で見るのも面白いと思います。

何かの本で読んだことがありますが、絵画はその所蔵されている美術館で見るのが一番であるのだと。
今回、その方が言われた意味が、少し分かったような気がしました。

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絵画の点数は少ないにもかかわらず、かなりゆっくりと見ることができました。

フェルメール、一年の締めくくりに再び3点も見ることかできて、良い年越しができそうです。今年は、体調もあまり良くなかったし、たくさんの展覧会には行く事はできませんでした。
でも、それなりに見たいものは押さえてみることができたと思います。来年は、ゴヤからになりそうですが、他にも楽しみな展覧会が目白押しの様子。
楽しみです。

一通り見てから、再度フェルメールの3点を鑑賞し、グッズを買って、この日は表参道でランチにしました。

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このあたりも良い感じのお店がたくさんあります。

渋谷よりも落ち着くし、若い人たちにあちらは任せて(笑)、地下鉄で一駅。

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ワンプレートランチを頂きました。
やはり、友達と一緒だと、共食い?
話しながら、時間をかけて全部いただくことができました。

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酒が飲めなかった友達は、夏の終わり頃から飲めるようになったとのこと。
じぶんが飲めればこの日も久しぶりに一緒にビールとか飲めたのですが、一緒に飲むのは初詣の時にしようと言うことで、もうしばらくの自粛。

初詣が楽しみです ^^

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寒いです。こうやって記事を書いていても足元から冷えてきます。

寒いけれど、今日はクリスマスイブ ♪
皆さん、良い一日をお過ごしください。じぶんも、そろそろ出かけます。

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" 2011/12/23 Vermeer "
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京都出張_にしんそばとVermeer:からのラブレター展20110823 [絵画]

京都への出張。

8月何箇所目の出張? 夏の暑さもあり、体は大分疲れています。
でも、京都・・・、京都といえば確か・・・??

そうだ!! フェルメールが来ているはず。

アポイントは昼前で・・・、美術館は京都市美術館、開館は午前9時。新幹線の始発は・・・?、東山までは・・・?。
ネットで調べると一時間ちょっとは余裕がありそうです。

という訳で?? フェルメールに会うことに決めました。

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京都から市営地下鉄で東山、そこから川に沿って歩いて7~8分でしょうか。
夏の朝の日差しが川面に反射して光が活き活きと飛び跳ねています。光の一粒一粒までも京都らしい(笑)。

京都市美術館には開館前15分くらいに着きました。
さすがに、ウイークデーの開館前、休日ならかなりの混雑なのでしょうが、この時間で前から10番目くらい。
でも、並んで待っている間も心がざわざわして、落ち着きません。

しばらくぶりのフェルメール。

しかも「手紙を読む青衣の女」に会える。

今までに会ったフェルメールは10枚です。今回は3枚のフェルメールが来ていますが、「手紙を書く女と召使」は以前に見たことがあるので、自分的には No.11 と No.12にあたる2枚のフェルメールに会える。

しかも傑作ぞろいの1660年代の2枚、心がざわざわとしない訳はありません。

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時間が限られているので、全部で40点ほどの17世紀オランダ絵画が来ているのですが、ゆっくりとは見ることはできません。

展覧会自体は次の4つに分けられて展示されていました。
1. 人々のやりとり - しぐさ、視線、表情
2. 家族の絆、家族の空間
3. 職業上の、あるいは学術的コミュニケーション
4. 手紙を通したコミュニケーション

時間があればゆっくり話したい絵画ばかりです。
京都市美術館は公立美術館では東京都美術館に次いでわが国で2番目にできた美術館だそうですが、はじめての美術館。
京都って歴史があって、でも古いだけではなくて気になる街、美術館も独特の趣があります。この雰囲気素敵です。

足早に見て回ります。ごめんなさい、素敵な作品ばかりなのですが、とにかくフェル様に会わなくては・・・。

そして、最後の展示室は3枚、フェルメール3枚だけの展示室。

あっ、
やっぱり違います。 光が、ここには優しい光がいます。 やっぱり、1660年代に描かれたフェルメールの絵画は光です。

"手紙を書く女 " 1665年 45×39.9cm ワシントン、ナショナル・ギャラリー
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こんなに優しい光、他にはありません。

フェルメールの魅力の一つは、同じ時代に書かれたどの画家の作品よりも、とびきり綺麗な女性たちがそこにいるいうこともあるのですが(女性の美しさは永遠です。でもフェルメールはその中でも別格です。)、1660年代に画かれたフェルメールのこれらの作品には、とびきり素敵な光が溢れています。
色彩というよりも光の粒子で描かれている・・・、そんな風に感じました。

レンブラント、カラバッジオ、フランス・ハルス・・・、光と闇を画かせたら超一流の画家達が綺羅星のごとく輝いていた時代ですが、フェルメールの光は少し違います。

落ち着いていて、そして時代を超越して永遠の輝きを持った光・・・、何よりも優しくて、静謐でいつまでもこの中にいたいと思う光です。

「手紙を読む青衣の女」
この絵はすごいなぁ。白と褐色と青色・・・色数も少なくて、しかも構図も平面的であるのに、すごく奥行きを感じます。
さすが、フェル様。

永遠の輝き。永遠の一瞬。満足。

" 手紙を読む青衣の女 " 1663〜1664年頃 46.6×39.1cm アムステルダム国立美術館
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展覧会のテーマは「手紙」。
解説を読むと今の手紙とは異なった重要な役目を当時の「手紙」は持っていたとか・・・。

情報を伝えるだけでなく、心情をこころを伝える手段、それが「手紙」だったとのこと。

今の若い方達が携帯、メール、そんなツールで行っていることを当時は「手紙」で行っていたのですね。今回来日している3枚の画はラブレターを色んなシチュエーション、立場で読んでいる女性、書いている女性の画なのだと思います。
そういえば、じぶんたちの年代にとって、ラブレターって懐かしい言葉です。

そういう視点で改めてゆっくり鑑賞すると、フェルメールの静謐な光たちも少し違った色彩に思えてきます。手紙を読む女性、書く女性のこころが静かに少しずつ伝わってくるような感じがしました。

この展覧会、年末には東京に来るようです。そのとき、もう一度ゆっくりと会いに行きたいと思います。

"手紙を書く女と召使" 1670年頃 71.1×60.5cm アイルランド国立絵画館
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わずか30分くらいの鑑賞時間で、疾風怒濤のごとく展示室を駆け抜けてしまいましたが、それでも何枚かフェルメール以外にも心に残った作品がありました。

このヤン・リーフェンスの作品。レンブラントの工房にいたことがあるとか・・・、光の具合がレンブラント的です。でも、ただそれだけではないですね。この作品ももう一度じっくり見てみたい。

ヤン・リーフェンス " 机に向かう簿記係 " 1629年頃 90.8×71.1cm 個人蔵
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コルネリス・デ・マンのこの一枚も。

他の作品とは水準が異なる気がしました。どうしてなのか? これも次の機会に(笑)

コルネリス・デ・マン " 薬剤師イスブラント博士 " 1667年 58.4×49.8cm 個人蔵
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フェルメールからのラブレター展、短い時間でしたが、至福の時間をすごしてしまいました。
Bunkamura では12月23日から展覧会開催のようです。京都では短かったけれど、予習としては十分な時間(笑)

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フェルメールと別れ、昼ごはんを食べて仕事に向かうことにしました。

何を食べようか ?

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色々と ? 考えたのですが、
昔食べておいしかった記憶がある、四条大橋の南座のそばにある、「松葉」さんに行くことにしました。

店は開店したばかりでじぶんがこの日一番目の客だったのだと思います。蒸し暑い外からお店に入ってほっ。
汗がみるみる引いていきます。

そして、冷たいお茶、おいしい一杯をいただいているうちに、注文した「にしんそば」が出来上がりました。

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しばらくぶりの松葉さんの「にしんそば」。
幾分細めでこしのある蕎麦、甘めの汁、その中に大きなにしんが入っていて、香りだけで食欲をそそられます。

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食べているうちに、甘露煮のにしんから旨みが染み出して上品な蕎麦の汁に絡まって、絶妙な味に。

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色々な店のお品書きに「にしんそば」がありますが、松葉さんは発祥のお店だそうです。

オリジン「にしんそば」です、美味しい訳です。汁まで残さず頂きました。
この日二度目の満足。

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そして、仕事に向かいました。

もちろん仕事がメイン(笑)

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鴨川では投網で漁をしていらっしゃる方が。

京都の夏の風景、この四条大橋の雰囲気・・・、京都って何もかも京都です、そして絵になるなぁ~。

ゆっくりと訪れたい。

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お土産は、生八ッ橋と麩まんじゅうにしました。

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生八ッ橋は娘のリクエスト、普通の八橋と抹茶味のものに。

麩まんじゅうは、いつも夏に食べているのに、そういえは今年の夏は食べていなかったことに気が付いたら、無性に食べたくなったもの。

京都はお菓子も美味しいですね。

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相変わらず公私共にばたばたしています。 ^^;

台風は関東ではなく四国中国地方に向かっているようですね。進路の地方にお住まいの方は十分にお気をつけください。
今年の夏はあまり夏らしくなかったし、秋はどうなるのでしょうか?
この秋も、かなり出張があります。今月末には北海度そして、西の方にも。

ばたばたですが、いろんな出会いがあるので、それなりに楽しんでいます。でも、ブログに向かう時間がなかなか取れません。
この他にも初めて九州新幹線の車両に乗ったこととか、初めての讃岐うどんとの出会いとか、色々と書きたいことがあるのですが・・・。
カメラもしばらく放置したまま・・・。

" 2011/08/23 KYOTO NISHINSOBA &VERMEER "
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西洋美術館_レンブラント展:20110430 [絵画]

連休も4日目。
横浜は昨日とは変わって良い天気。
でも、黄砂の影響でしょうか? ランドマークは春の霞ではないけれど、何となくかすんでいます。

GW は7連休。
一週間の休みはやはり嬉しい ^^v

いつもなら、風呂に入っていたり本を読んだりしていて、ふと頭をよぎる仕事のことも、
さすがに休み4日目になるとぼんやり(笑)、 かなり薄ぼんやりと、遠くに霞んでいるような感じ(良いのか悪いのか)。

こんな気持ちになる前、連休2日目の4月30日(土)に前から予定していた 「レンブラント 光の探求/闇の誘惑」 展に友達と出かけてきました。

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開場は9時半からなので10分前に西洋美術館の前で待ち合わせ。

チケットは文化会館前を通り過ぎてまっすぐ行ったところ、公園内施設の共通チケット売り場? で買いました。
前売りとかない方は、美術館のチケット売り場でもう一度並ぶ必要のないよう、ぼくらと同じようにここで買った方が良いです。
予想はしていましたが、入場を待つ方達50人くらい? 列が出来ていました。

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それほど待たずにレンブラントに会うことが出来ました。美術館の中は広いので、このくらいの人なら問題なし。

展覧会は、4つのパートに分けて展示されていました。

1.「黒い版画」 レンブラントと黒い諧調
2.「淡い色の紙」 レンブラントと和紙刷り版画
3.「とても変わった技法」 レンブラントとキアロスクーロ
4.3本の十字架とエッケ・ホモ(民衆に晒されるキリスト) 2点の傑作版画

このパート毎のテーマでも分かるように、今回のレンブラント展は版画が主な展示作品。

三人で鑑賞したのですが、一人から、
「版画はね・・・」
「版画ばかりなら最初からそう書いておいてくれても良いのに」と、批判的なお言葉・・・。
実際、最初は三人で見ていたのですが、あれよと言う間に二人には置いていかれ、結局かなりの時間彼らを出口で待たせてしまうことに(ゴメン)。

ぼくですか? 自分的にはすごく面白い展覧会でした。

もちろん、版画だけではなく油彩画も来ていました。

レンブラントは1606年7月15日生まれだそうですから、この作品は22歳の頃の作品です。
キアロスクーロ(明と暗)という、レンブラントの作品の特徴がもう既に表れていて、傑作と紹介されていました。

確かに大胆な構図、明暗はっきりとした色彩。お主なかなかやるな、という感じですね。
でも、それよりも、じぶんにはこの人物、レンブラントの自画像なのでしょうが、オズの魔法使いの" カカシ " の様に思えてなりませんでした(笑)。
変な見方かもしれませんが、こういう出会いがあると忘れられない画になります。

<アトリエの画家> 1628年頃 24.8×31.7cm ボストン美術館蔵
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ミネルヴァ、ギリシャ神話ではアテネ女神の肖像です。知恵と戦いとの神様なので本を左手で押さえ、背後には兜と盾とかが配置されています。肖像画も何点か来ていましたが、これが一番の大きさでした。
ギリシア神話のお話は子供の頃から大好きです。ヘラクレス、ペルセウス etc etc  ・・・、ホメロスのイーリアスとオディッセアもわくわくしたものです(脱線)。

<書斎のミネルヴァ> 1635年頃 137.2×116.0cm 個人蔵
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そして、メインの版画。

版画はほんとうに傑作ぞろいなんだと思います。こんなにじっくりと版画を見るのはルオー展以来ですが、質のすごさでは自分が今までに見た版画の中では超一級品なんだと思いました。レンブラントは、版画の画家なのかもしれない?

どれも甲乙付けがたいのですが、興味を引かれたものを何点か。

" モデルを描く芸術家 " は見てびっくり。あまりの明と暗、白と黒。
最初の驚きが去ってもう一度よく見てみると 、きっと未完成なのだろうと思いました。
それにしても作品として残っているし、レンブラントはどう考えていたのでしょう。どうして完成させなかったんでしょう?
謎です ???

でも、作品はそんなことは関係なしに、背景の黒と前景の白と、すごくインパクトがあるし、斬新。色々な意味で忘れられない一枚になりました。

<モデルを描く芸術家>1639年頃 エッチング、ドライポイント、エングレーヴィング 23.2×18.4cm レンブラントハイス蔵
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西洋美術館蔵なのですね。
そういえば以前にも見たことがあるのかもしれませんが、改めて「黒い版画」の一枚と認識するとすごいなと思った一枚です。

3本の木と後景に広がる農地 、遠くの街。すごく広がりを感じるし、何と言っても空の情景、白と黒なんですがそこに独特な光を感じます。
以前にTSUTAYA で「オランダの光」というDVD を借りて見たことがあります。
じぶんの大好きなフェルメールなどオランダ絵画における光というものにスポットを当てた作品でしたが、このレンブラントの作品の中にもその「オランダの光」を感じました。
向かって左の上からの斜めの線は、雨 ?

<3本の木>1643年 エッチング、ドライポイント、エングレーヴィング 21.3×27.9cm 西洋美術館蔵
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そして、パート4の「2点の傑作版画」の前に、じぶんが勝手に傑作だと思った一枚です。

レンブラントの友達でアムステルダム市長も務めた政治家、ヤン・シックスの肖像画。

この作品、展覧会で他にも何例か行われていたのですが、西洋紙のものと和紙のものとの対比が面白かった。
今回の展覧会では、ステートという刷られた時期の違いによる、同一の版画のバリエーションが対比的に並べて展示されているものが数例あります。
刷る時期によって手を加えて違う絵柄になっていたり(間違い探しの様に違いを見つけるのも楽しいです)、また、刷る紙の違い(西洋紙と和紙など)によって印象が全然異なります。
じぶんにはとても面白い展示方法でした。和紙だと紙自体も色合いも印象が異なるし、黒の表現の深さ、諧調も西洋紙とは格段に異なっていました。
作品自体も、白と黒で室内のこの描写と質感、光の描き方はすごいと思いました。

<ヤン・シックス>1647年 エッチング、ドライポイント、エングレーヴィング 24.4×19.1cm パリ市立美術館蔵
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ここまでたどり着くのにかなり疲れました。小さな画面、細かい描写、興味をひかれるものばかりで、こんなに集中力を全開にしたのは久しぶりです。 せめて、展示室がもう少し明るければ・・・。

でも、最後の2つの版画、" 3本の十字架 " と" エッケ・ホモ " のバリエーションには再び(何回目の驚きだろう)びっくり。

<3本の十字架>1653年 ドライポイント 38.8×45.5cm 3/V  大英博物館蔵
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同じ題のついた版画ですが、ぜんぜん違いますよね。後に刷られた方がより暗くなり、描線も太くなって、何より画面に登場する人物の何人かは消えていなくなっています。十字架も2本しかよくは見えなくなっている。
同じ版を使っていはいるのでしょうが、作品自体としてはもう違ったものだと思うのですが。

版画は奥深いものだと改めて認識。少し勉強してみないと・・・。

<3本の十字架>1653年 ドライポイント 38.8×45.5cm 4/V  大英博物館蔵
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120点程のレンブラントの黒を基調とした作品を十分に堪能することができました。

確かに版画が主体なので、その意味では色彩という華やかさが少ない展覧会だと思います。
でも、それを補って十分なほど版画の素晴らしさ奥深さを見せてくれました。
" キアロスクーロ "、" 黒い版画 " 等の新しい言葉、和紙に刷られた版画の素晴らしさ、ステートという刷った時期の違いによるバリエーションがあること、etc etc ・・・、すごく楽しい展覧会でした。

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それにしても、地震や原発事故の影響で人も物も日本離れしている中、こんなにすごい作品を貸し出してくれている方達がいること、とても感謝です。

コンサートや展覧会のいくつかは中止になっているものもあるようですが、夏以降も予定通り、こういう素晴らしい展覧会を見ることができると良いな。

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友達と話しながら、京浜東北線に乗っていくところはやはり、秋葉です。 

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いつもの喫茶店で展覧会のこと、近況の報告などをして、定番のナポリタンをいただきました。
ここのナポリタンの盛りは尋常ではありません・・・。お腹いっぱいになりました(笑)

友達はまだアルコールがダメで、これだけはつまらないのですが。

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新しいインテルのプロセッサーも出たことだし、夏のボーナスが出たら、そろそろPC の中身を換えようかと思っています。
パーツ屋さんを覗いたり、こんな正体不明のものをチラリと見たり、秋葉の散歩も面白いです。

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今年は色々とあってなかなか心も落ち着かず、展覧会もようやく3つ目。
でも、なかなか面白いものを見ているなと思っています。レンブラント、期待に違わず見所たくさんの展覧会でした。本当に色々なリスクがあるのでしょうが、貸し出してくれた美術館の方達に感謝です。

そして、やはり、絵画は良いです(しみじみ)。

この後もゴヤや再びフェルメールなども予定されています。是非見たいと思っていますが、無事にそれらの展覧会が開催され、無事に大切な人類の宝たちが帰っていけるよう、願わずにはいられません。

それと、上野はパンダの影響もあるのでしょうが、かなりの人でした。
まだ本調子ではないのかもしれませんが、少しずつ街に活気が戻ってきているようです。 ^^

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" 2011/04/30 Rembrandt Chiaroscuro "
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Vermeer<地理学者>とオランダ・フランドル絵画展:10/37 フェルメール20110306 [絵画]

人は歴史の中で、時間とか空間とか色んなものを測る手段を作り出してきました。
でも、時に、神は、
それをあざ笑うかのように、既存の尺度では理解することのできない、超越的と言うしか表現のしようのないものを、ぼくらの前に出現させることがあるのだと思うのです。

じぶんには、音楽では、Wolfgang Amadeus Mozart 、そして、絵画では、Johannes Vermeer。

どちらも、時代、空間に属すことなく普遍性 絶対性のような、その意味では、神、そのものなのかもしれない作品たち。

渋谷 Bunkamura で3月3日から開催されている、
" フェルメール≪地理学者≫とオランダ・フランドル絵画展 " に行ってきました。

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今年2つ目の展覧会。
初めての展覧会はちょうど今日までの期間で東京国立博物館で開催されている " 平山郁夫と文化財保護展 " でした。
ブログに書く暇がなくて・・・、薬師寺の壁画、とても素敵だったので、どこかでまとめたいとは思っているのですが、
こうやって展覧会のことをブログにアップするのは3月になってしまいましたが、今年初めて。

テーマの通り、フェルメールの地理学者をメインの展示として、ドイツ、シュテーデル美術館のオランダ・フランドル「黄金期」の
絵画を全部で70数点集めての開催です。

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風景画、肖像画、静物・・・ etc etc 、いくつかのジャンルに分けて、貴重な、日本では普段あまり見ることのできないオランダの16世紀~17世紀の絵が展示されていました。

その中で印象深かったものを数点。

レンブラント・ファン・レイン <サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ> 1630-1631年 62.0×50.1cm
レンブラント20代半ばの作品。聖書のお話を題材とした作品です。サウル王のダヴィデを猜疑する心とダヴィデが奏でる竪琴の音色、暗い色調の部屋の中で交じりあうことなく更に闇を深くしていくような感じがします。
レンブラントもただものではありません。今月12日から展覧会がありますが、こちらにも是非行ってみたい。

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アールト・ファン・デル・ネール<月明かりに照らされた船のある川> 1660-1670年 35.2×49.6cm
1600年代のフランドル・オランダでは風景画が好んで画かれたようです。大航海時代、地図の白かった部分ににまた新しい発見が加わっていく地誌の時代。自分たちのネーデルランド、愛すべき土地、そんなものがあったのでしょうか。
この画、 月が登る頃を描いていますが、光と影、真ん中の帆船のシルエットにとても惹かれます。遠近法の消失点と光源が一致して書かれているそうです。なかなかやってくれる画家さんですね。

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ヤン・ファン・ホイエン<人々が休息する村の道> 1628年 38.9×66.8cm
見ていて単なる風景画とは思えませんでした。木にはさまれて窮屈そうな煙突?のある農家、曲がりくねった影のある手前の木。どこかで見たことがあるような。
さすが、オランダの画家さんです。

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バーレント・ファブリティウス<自画像> 1650年 70.1×55.7cm
肖像画もフランス・ハルスの描いた対になっている男性と女性のものなど何点も展示されていましたが、中でもファブリティウスのこの自画像を見てびっくり。
マイケル・ジャクソンにそっくりではないですか(笑)

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そして、フェル様です(笑)
今まで、記憶の中でちゃんと「見た」と言えるフェルメールの作品はこれで10点目。
現存するフェルメールの作品は37点(35点とも)と言われています。そのうち、10作品目がこの地理学者となりました。

ぼくが見たものの中で男性単独で描かれている作品はこれがはじめて。
それもそのはずで、フェルメールの作品のうち男性の単独像は、この地理学者とルーヴル美術館の天文学者のみなのです。
ルーヴルには行ったことがあるので、天文学者もきっと見ているはずなのですが、記憶がない・・・。もう一度ルーヴルに行かなくては(笑)。

フェル様の他の作品を見たときと同じく、この絵もとても綺麗な絵です。近くで見るよりも、少し離れてみることをお薦めします。
但し、この日もこの絵の前だけはかなりの混みよう。

朝、一番で行ったので、少し待っていたら一番前の真ん中で見ることもできましたが、午後になるときっと休みの日は混雑するのだと思います。少し離れて見るのは難しいかもしれないけれど、この画の綺麗さは離れると一層引き立ちます。

図録の解説にあるように、ジャポニズムの影響もあったり(着ているのは日本の着物に近いですよね)、また、敷いてある絨毯や、床と壁の間のタイル、壁の地図やタンスの上の天球儀 etc etc・・・。
じっくりと見るところはたくさんあって時間がいくらあっても足りないのですが、

それよりも、とにかく、感覚で見てください。ここに展示している他の絵画と明らかに違っています。一瞬の永遠性・・・。
ほんとうに感動です。フェルメールもモーツァルトと同じように、きっと神様が一時だけ天上からつかわした芸術家に違いないと確信しました。

ヨハネス・フェルメール<地理学者> 1669年 53.0×46.6cm
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Bunkamura にいた時間のほぼ半分を地理学者と過ごして、とても充実した時間を過ごして・・・、美術館を後にしました。

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一緒に行った友達は、体調があまりよくなく、いつものようにお酒が飲めません・・・ (>_<)
何ヶ月か医者に通ったようですが、呼吸器の調子は劇的に良くなることもなく、薬を服用する毎日。少し、心配です。
本人は、前向きで、お酒が飲めない代わりに? 勉強をはじめました。
これもすごいと思うのですが、自分的には一緒に飲みながら話をしたい ^^;

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それで、
あろうことか・・・、渋谷で男2人で・・・不二屋さんに入ってしまいました・・・(笑)

不二屋さんも100周年なのですね。100周年記念メニュー、なるものがあって、2人でそれを頼みました。

ハンバーグと海老のグラタン、少しカロリーオーバーかもしれないけれど、美味しかった。

そして・・・、

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しめは、パフェ ♪

何十年ぶりに食べた? パフェなのでしょう・・・(笑)

確かに学生の頃は、コンパの後、吉祥寺の喫茶店で先輩達につられアイスクリームとか食べたことはあるし、男3人で飲んだ後に甘味屋さんでお汁粉などを食べたこともあるのですが、男同士でパフェは???
生まれてはじめての経験かもしれません・・・。

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これは、これで面白かったけれど、でも、やはりいつものように一杯やりながら話はしたかった。

早く、体を治してください。  ^^

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そして、フェルメール。

なんと、なんと、年末にまたじぶんが見ていない作品がやってくるのです。

<手紙を読む青衣の女>。現在修復中のこの作品が修復完了後、世界で始めて公開されるのだそうです。その他にも2点。

今から、年末12月23日が楽しみです。この絵もすごい・・・。

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少し、遅いでだしでしたが、今年初めては平山郁夫さんの壁画、2つ目はフェルメール。
とても素晴らしい作品から見ることができました。

次は、レンプラントです。
ただの画家さんじゃない。光と影と巧みに操って、劇的、キャンバスの中にドラマが詰まっている絵たち。

今日、北鎌倉に行く電車から友達にメールを打ちました。

「次は、レンブラント」

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展覧会から出て、記念品、絵葉書とか、図録とかの売り場に、ガシャポンがありました。

300円でフェルメールのマグネット8種類。メーカーのかわいいお姉さんお勧めもあり(笑)、300円を投入~。

出てきたのは、なんと、地理学者!!  あたりです。 ^^v

" 2011/03/05 Vermeer Geographer & Fujiyasan "
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カンディンスキーと青騎士展:20101123 [絵画]

" そろそろ展覧会に行こう。 "     " 賛成。 ^^ "
" 一杯飲みながら行こうか ? "    " ゴメン、アルコールは今はドクターストップ・・・。 ^^; "
" 了解 !! 飲みなしで行きましょう。 " 残念だけど・・・。

友達とのメールでのやりとり。

今年多くは展覧会に行けなかったけれど、それなりにはツボは押さえて見る事ができたのだと思います。
マネ、オルセー、ドガ、そして、青騎士。
今年の最後は 青騎士で締めくくりです。

丸の内の、三菱一号館美術館で11月23日から開催されている " カンディンスキーと青騎士展 " に行って来ました。

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初日マニア? のじぶん達は11月23日午前10時10分前に美術館にたどり着きました。
ぼくは9番目、友人は10番目の入場です。

初日って実は空いている ?  
 
ドガ展に引き続き展覧会の初日に訪れて、ふと、そんなことを思いました。
友人と,次も初日に行こうと(たぶんレンブラント?)。

面白い展覧会だったので、もっと早くアップするつもりだったのですが、
カタログの表紙にもなっている " 印象Ⅲ(コンサート) " 。 カンディンスキーがシェーンベルクの弦楽四重奏を聴いて描いたものだと知ったものですから、それでは是非その曲を聴いてからにしよう、そう思い今まで記事にしませんでした。
表紙にまでなる、シェーンベルクのこの曲、まだ聴いたことがなかったのです。

ようやく HMV からCD が届いたので、アップします(笑)

" フランツ・フォン・レンバッハ<自画像> " 1903年 99.0×87.5cm
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カンディンスキーが活躍する前の芸術の都ミュンヘンのカリスマは、フランツ・フォン・レンバッハ。
ビスマルクやワグナーの肖像画で有名。1904年に没するまでかなりの影響力を持っていたそうです。
カンディンスキー達に対して保守派と言われていますが、じぶんには、十分に表現主義の画家だと思えました。

眼光、鋭すぎます。実は、最初の方に飾ってあったこの絵、しばらく眼光に負けまいと見つめていました。すごい絵だなって・・・。

" カンディンスキー <ガブリエーレ・ミュンターの肖像> " 1905年 45.2×45.0cm
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彼女に出会う前にカンディンスキーは結婚をしていたので、宗教上の制約から結婚はできませんでしたが、事実上の伴侶として製作期間の長い時を共に過ごしたミュンターの、カンディンスキーが描いた唯一の肖像画です。

美術学校の教え子だったそうです。なかなか、きれいな方ですよね。

" カンディンスキー <花嫁> " 1903年 41.5×28.8cm
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「彩色ドローイング」と呼ばれる技法で描かれているそうです。
暗色のカードボードにさまざまな大きさの色班をのせて描かれていますが、まるでステンドグラスのよう。
カンディンスキーの祖国ロシアを思い出して、メルヘンチックに描かれた作品かと。
カンディンスキーにこんな作品があるなんて知りませんでした。

" カンディンスキー <室内(私の食堂)> " 1909年 50.0×54.5cm
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見てきたあと、少し物足りない気が実はしていました。
それは、展覧会のテーマを的確に把握していなかったせい・・・。カンディンスキーの展覧会だと思って出かけたのですが、
この展覧会は「カンディンスキーと青騎士展」なのです。

カンディンスキーといえば抽象画の祖ですから、もっと抽象画の大作が来ているのだと。

" カンディンスキー <ムルナウ近郊の鉄道> " 1909年 36.0×49.0cm
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でも、展覧会のテーマは1911年から1914年の短い期間ですが、その後の美術界に大きな影響を与えた活動である青騎士。

そういう目で、もう一度見てみると貴重な絵画が今回来ているのだと思いました。

" カンディンスキー <冬Ⅱ>のための習作 " 1911年 33.1×45.0cm
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もう一度見に行く必要があるかもしれません (笑)

カンディンスキーは、ある展覧会で光り輝いている作品を見て衝撃を受けたそうです。その絵とはモネの"積み藁"。
ても、展覧会ではそれが積んだ藁に光が当たって輝いているのだとは分からなかった。
また、別の日、自分のアトリエに午後帰ってきたときのこと。床に倒れていて光が当たっている絵がとても素晴らしく、しばらくじっと見つめていたことがあったそうです。
気が付くとその絵はじぶんの描いた馬の絵。それがが倒れていて、いつもと違う角度から見たものだと。
そう分かると感動はなくなってしまったのだと。

こんな経験から、絵画において実はフォルム、形というものが邪魔なものではないかと。形のないものこそが純粋な芸術ではないかと。

青騎士年鑑表紙
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それでは絵画は何を描けばよいのか?

そこにあるものをそのままに描いてきた具象絵画、あるべく姿をそのまま残すすべは唯一絵画が持っていたものですし、それにより絵画の価値があった。

書くべき具体的なものがなくなったその時、絵画は何を描けばよいのか???

まるで一休さんのとんち話のよう。

" カンディンスキー <印象Ⅲ(コンサート)> " 1911年 77.5×100.0cm
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ちょうど、カンディンスキーたちがそれを試行錯誤していた時、それが青騎士の時代だったのではないかと。

" カンディンスキー <万聖節Ⅰ> " 1911年 502×54.8cm
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同じ頃、フォビズムやキュビズムが統一した画法を模索していたとき、青騎士は緩やかなしばり? 形式の中で、その答えのない(じぶんはそう思います)問いを解くべく試行錯誤を重ねていたのだと思います。

" カンディンスキー <コンポジションⅦ>のための習作2 " 1913年 100.0×140.0cm
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カンディンスキーは、確か? 「内面的必然性により絵画を描く・・・」 と言っていたそうですが、この意味はとても良く分かります。

芸術って、たぶん、絵画だけではなく、心の成長の積み重ねの中で育まれて来た感性がほとばしりざるを得ない、そんな環境の中から必然的にいずるもの・・・。

後代のじぶんは、ルネッサンスの絵画も、アカデミズムの時代も、印象派も、大好きなフェル様も、ルオーの絵画も、そして、抽象画も、そんな内面的必然性・・・、画家たちの心の中から出ざるを得ないほどのパワーの迸りを、自分なりの感性のアンテナで受けとめているのだと。

すいません、カンディンスキー。
心を打つ芸術。時代を超えて、技法や画法を越えて、ぼくらはあなたの言う内面的必然性を受けとめているのだと思います。

いえいえ、決してあなたを否定しているのではありません。青騎士、抽象画、それはやはり素晴らしい。

絵画の新しい姿を模索しそしてあなたは作り上げたのだと思います。

" フランツ・マルク <牛、黄-赤-緑> " 1911年 62.5×88.5cm
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それにしても、その感性の素晴らしさ・・・。
青騎士に集った画家達の内面的必然性の優しいこと・・・。その後の彼らのことを知るから余計そう思うのでしょうか。

じぶんは、マルクのこの絵が気に入りました。第一次世界大戦に出征し36歳でなくなってしまった。

" アウグスト・マッケ <遊歩道> " 1913年 51.0×57.0cm
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マッケ、彼も同じ戦争で27歳で早世してしまいました。もっと生きて・・・たくさんのあなたの絵を見たかった。

なんと優しい、彼の目。心の目なのでしょう。

" アウグスト・マッケ <私たちの大通り、灰色の空> " 1911年 80.0×57.5cm
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この絵も好きです。どこがルソーにも通じるところがあるような気がします。どうしてこんなに惹かれるのか?
マッケのこの絵の前でしばらくたたずんでいました。

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なんとなくの知識でしかなかった青騎士。

今回の展覧会で、そして、ブログを書くことによって、
なんとなくですが、自分なりに少しだけ理解できたような気になりました? (笑)

なかなか、日本では見ることのできない絵画たちだと思います。2010年を締めるにあたってよい展覧会だったのだと思います。

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そうだ、
それでシェーンベルクの弦楽四重奏第2番ですが(笑)、昔だったらじぶんには聴くことができなかった音楽なのだと思います。
Mozart Beethoven の四重奏と比べるとやはり聴きづらい。
でも、石田さんの本でバルトークを知り、ピアノ曲を聴いたことによりラベルの四重奏の素晴らしさに出会うことができ、そんな今の自分にはすっとシェーンベルクのこの曲も心に入っていきました。
きれいなものだけが美しいのではない、こころにぴったり来るものがそれが音楽も美しい。

シェーンベルクの、ちょうど、崩壊が? が始まるその頃の曲なのだと思います。調性から無調へ向かっていく正にその頃の作品。
その意味では、カンディンスキーの青騎士の頃とぴったりの曲なんだと。
第四楽章には四重奏なのにソプラノ独唱が加わるという、これも正に形式が崩れていく・・・、そんな曲。

シェーンベルク、ヴェーベルン、ベルク:弦楽四重奏曲集
ペーターゼン四重奏団、シェーファー(ソプラノ)

2番目に入っている Webern のLangsamer Satz for String Quartet, M 78 もとても素敵な曲です。

CD を聴きながら買ってきた図録をぱらぱらとめくっていきます。もちろん、ビールも (笑)

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"2010/11/23 Kandinsky and the Blue Rider & Schonberg Streichquartett Nr.2 "
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ドガ展とスプリングバレー:横浜美術館20100918 [絵画]

そろそろ、「展覧会行きたい」の臨界点が近づいていました。

6月に「オルセー展」へ行ってから、展示されていた絵画たちのあまりの情報量の多さと素晴らしさに、しばらく他の展覧会の話を聞いても、正直、ぴんと来ていませんでした。それでも、あれから3ヶ月・・・。
友人とも、そろそろ・・・と、メールのやり取りをしていました。

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まだまだ、絵と話をするには心の余裕がないのですが、せっかくの3連休です。
部屋でくすぶっているのももったいないし、展覧会の後のビールも飲みたいし(どっちがメイン ??? )、
横浜美術館の「ドガ展」に出かけてきました。

それにしても、季節が変わるのってとても急です。まだ気温は高いものの、秋の空、心地よい横浜の9月の風。
きっとビールが美味しいぞ!! (笑)

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ドガ展、9月18日(土)から。

展覧会の初日に見に行くなんて、生まれて初めてです。 

開館前に美術館に着きましたが、既に入場を待つ人達で列ができていました。
それでも、10分くらいの待ちで中に。
横浜美術館は造りが開放的で広いので、混雑している感じはありません。
また、帰りには列もなく、ドガ展、順調なスタート。初日に訪れるのも良いかもしれません。

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横浜美術館、気に入っています、他の美術館と比べて身近にアットホームに感じて、名画たちとの距離もとても近くに感じることができます。
わが街の美術館、それに小学生以下はこんなに素敵な特別展でも無料。
子供たち、この展覧会もたくさん見ると良いなぁ~。

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チケット売り場の横には、展覧会の目玉の一枚である「エトワール」の衣装が復元され展示されています。
心憎い演出です。

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肝心の展覧会ですが、

こんなにたくさんのドガの作品を一度に見るのはもちろん初めて。ドガといえば「踊り子」というイメージが強過ぎますが、展覧会を見て、それだけではないんだと知りました。
肖像画もたくさん描いているし、裸婦も(純粋に裸婦っていえるのかはよく分からないですが)、風景画も、写真も、そして、彫刻までも・・・。
ドガは踊り子だけではなくて、多彩な作品を制作しているのですね。

ドガはマネと仲が良かったそうです。多くのマネの肖像を描いているのですが、この絵、マネ夫妻を描いたものですが、マネによって奥さんのところは切り取られてしまったとか。
出来映えが気に入らなかったということです。ドガはどう思ったのでしょう?

" マネとマネ夫人像 " 1868 - 1869
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何年もかかって重厚な肖像画を描いたり、こんな感じの肖像画も。
ドガの肖像画からはそのモデルとなった人達の生活とか人生とか・・・色々なことが感じられるような気がします。もう少しじっくりと見て来れば良かった。

" テオドール・ゴビラール夫人 " 1869
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そして、馬も、競馬もたくさんテーマにして描いているのですね。
ただし、踊り子の絵と同じく(舞台の絵はほとんどありません)、レースの絵はないようです。これって、結構不思議。
劇的な本番ではなくて、その前とかその後の光景を好んで描いている。ドガの好みとか本質に関係ありそうです。

" アマチュア騎手のレース 出走前 " 1862
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この絵も色彩がやわらかくて、そして、画像の切り出し方がとても素敵だなって思いました。
後ろの鏡があることによって広がりが生じ無限の開放感が感じられます。

" 踊りの稽古場にて " 1884
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このアングルがドガは好きなようです。
写真を撮るものにとって、ドガの視点、ズームの仕方、アングル、断ち落とし、とても参考になると思います。
じぶんには何とかに真珠ですけれど。

" バレエの授業 " 1873 - 76
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そして、「エトワール」。

色んな素敵な絵がありましたが、この絵は、やはり格が違います。静かなオーラを発しています。
珍しく舞台の上で踊っている姿を描いたこの作品、画全体から光が発せられている・・・、光ってる。
ドガの多様性を知るのに良い展覧会ですが、この一枚だけでも見る価値は十分にあると思いました。

しばらく、この画の前に釘付けになっていました。
フットライトで足元から輝いて浮き立つ踊り子、舞台の背景の装飾は抽象的に描かれ、それが一層踊り子を輝かせ引き立てている。舞台のライトグレーの色彩がいいなぁ。白く浮き立った首の黒いリボン・・・、にくいです。

昨日を思い出しながら書いていますが、もう一度、このエトワールに会いたくなっています。会期は12月までありますので・・・。

" エトワール " 1876 - 1877
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風景画は数は少ないようですが、ドガの風景画、特色があっておもしろい。
この画も、写真でいえば前ボケを使って真ん中の2本の木に焦点を当てているんですよね。
色彩的にも惹かれた作品です。

" 村の通り、サン=ヴァレリー=シュル=ソンム " 1896 - 98
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そして、晩年へ。

" 草上の二人の浴女 " 1896
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目がかなり悪くなっていったようですが、そのせいでしょうか? 今までの画風とは異なり、また、テーマも異なります。

" 浴盤 " 1886
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裸婦、浴場で体を洗っている女性とかを画面いっぱいに描くようになっていきます。パステルの光がとてもきれいです。

競馬も、踊り子も、裸婦も、
アカデミー、古典的な決まり事から見れば、価値のないもの描いてはいけないもの。
それを、こっちの方が芸術なんだと描き続け、絵画の歴史の中で革新を成し遂げていった印象派の画家たち。ドガもその中の強力なメンバーなのですね。
改めて再認識。

" 浴後 " 1896
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写真からの影響もたくさんあるようです。

ドガは出始めの小型カメラを持っていたようで、彼が写した写真も今回、何点か展示されていました。
このように写真を撮って、それから描いたものもたくさんあるのでしょうね。

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久しぶりの展覧会、横浜美術館「ドガ展」、なかなかのものでした。

また、同時に横浜美術館が収蔵している絵画たちも何点か展示されています。

この美術館のシュルレアリスムの作品は結構すごいですよ。

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そして、お約束のスプリングバレー。

友人は少し体調がよくなかったようですが、じぶんが飲み始めると一杯だけと、ぐいっ !!
ちょっと心配ですが、ビールは美味しかったそうです(もちろんじぶんは一杯ではおわりませんでした)。

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ほろ酔い加減で、赤レンガのあたりをぶらぶらと・・・。

秋の横浜の海風、すごーーく気持ちよかったです。

やっぱり、何はなくても良い画とスプリングバレーと、横浜の海風 b^^

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3連休の初日から、リラックスしてしまいました。

今日は午後からまた出かける予定です。どこに行こう・・・(笑)

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" Degas Yokohama Museum Of Art 2010/09/18 "
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オルセー美術館展 :20100605 [絵画]

駒込で飲んできました。ビールを3杯と、その後ハイボールと、森伊蔵と・・・。
色々と、かなり飲みました。

結果、朝起きたら・・・、あらら、まだ、酔いがさめていません。食べずに飲むのはやはりダメですね。

速攻で、水を飲む!! ひたすら水を飲むーっ。 そして、もちろん、シャワーを浴びます。
飲みすぎたアルコールをひたすら抜かねば・・・。

もう少し寝ていたいと思いましたが、5日はオルセー美術館展に行く約束をしていました。二日酔いで素晴らしい画たちに会うのは申し訳ないです。

どうにか、外見は立ち直り(中はまだ少し二日酔い気味ではありましたが)、10時開館の約束の時間に、乃木坂駅6番出口改札口にたどり着きました・・・  ^^;

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展覧会のチケット(1500円也)は、駅の改札を出たところの臨時売り場で買いました。こんなところに臨時売り場ができているなんて、もしかするとすごく混んでいるのかと、少し心配に。
以前、 東京国立博物館に長谷川等伯展を見に行った際には、博物館の外で30分くらい待ったのです。

でも、この日は開館と同時に入ることが出来たので、外で並んで待つこともなく入場できました。

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肝心のオルセーの絵画たちです。

最初から、いきなりこんな画が・・・、いきなり左頬にカウンターを食らわされた感じ(笑)。
この画、すごいです。
なんといっても、この構図・・・。場面を切り取るトリミングの斬新さ、きっと当時の人たちも、どうして左下の踊り子をこんな風に切るのか?? 疑問符を2つ以上は付けたのではないでしょうか?

写真の影響でしょうか。
劇の一部のように画面構成を考えていた伝統絵画からは考えられない、刷新的な構図だと思います。

" エドガー・ドガ 階段を上がる踊り子 "
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今回のオルセー美術館展のテーマは「後期印象派」なのですが、モネの画も何点か展示されていました。有名な睡蓮の画の中でモネが一番最初に画いたものもありました。
何派とか・・・、そんなことに関係なく、やはりモネの色彩は美しいの一言に尽きます。

今回の数点の中でじぶんが惹かれたのはこの画。" 霧の中に差す陽光 "。
色彩の素晴らしさ・・・、それだけでもう十分なのですが、何よりもその一瞬の大気の質感を感じます。
空気の粒子一つ一つが霧の中の陽光にあたって静かに輝いている。モネの画いた大気の絵、素晴らしかったです。

" クロード・モネ ロンドン国会議事堂 霧の中に差す陽光 "
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この展覧会はすごい。
115点、来日しているのですが、そのどれもが傑作なんだと思います。普通の展覧会では、少し申し訳ないですが、鑑賞の間に息を抜けるものが何点かあります。でも、この展覧会にはそういう作品が全くありません。
さっと、前を通り過ぎることの出来る画は一枚もありませんでした。
年をとってくたびれている脳には、いささか情報量が多過ぎかもしれません(笑)。

そして、ゴッホの自画像・・・。少しずつ画を見る列が画に近づいていきます。鼓動が高鳴ります。
なぜドキドキするのか・・・?
自分でも良く分からなかったのですが、パワーのある画は見るものに緊張を強いるのかもしれません。
自画像・・・、どうしてじぶんの顔をこんな風に画くのでしょうか?
鼻を中心として画かれた線が顔全体を鳥の羽のように覆っています。左の耳の赤の色が妙に気になりました。

" フィンセント・ファン・ゴッホ 自画像 "
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隣に展示されていたのが、" 星降る夜 "

実は今回の展覧会でじぶんが一番気に入った画です。
自画像でドキドキしていた心臓が、ようやく元に戻りました。

街には街灯の明かりが、空には星たちが瞬いています。水面に映る天上と地上の優しい光り・・・。
その中で肩を寄せ合う恋人達。テーマも色彩も、なんて静かで優しいのでしょう。

カタログではこんな色ですが、実物の夜空のブルーの深さ、北斗七星の瞬きはとても素晴らしい。少し離れて見てみましたが、この画だけ周りの画から浮き立って見えました。

じぶんにはゴッホの画は少し重たくて、あまり沢山は見ていないのですが、でも、" 星降る夜 " は一目で好きになりました。

" フィンセント・ファン・ゴッホ 星降る夜 "
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いくつかのテーマ毎に115枚の画が展示されていましたが、その中で画家の名前だけで一つの区切りがなされていたのが、このアンリ・ルソーでした。
2枚の大作が展示されています。" 戦争 " と" 蛇使いの女 " 。
" 戦争 "、じぶんのルソー感を覆すようなインパクトのある作品です。戦いで死んだ男たちを、黒いカラスがくちばしを赤くしながらついばんでいます。その上をたいまつを左手に、細身の剣を右手に持った女性が黒い褐色の馬とともに走り抜けていく・・・。
ゲルニカとか、渋谷の岡本太郎の壁画とかにも通じるような、こんな、メッセージ性を持ったルソーの作品ははじめて見ました。

そして、" 蛇使いの女 " 。これは、文句なく素晴らしい作品です。
以前からルソーのジャングルを描いた作品はとても気になっていましたが、実物を見るのははじめて。
満月の夜、逆光の中で顔かたちが良くは分からない女性。大地にしっかりと足を付けたシルエット・・・。
沢山の種類の植物が生い茂る静かなジャングルの夜に、横笛を吹いて蛇を操ります。
なんて神秘的、魔術的でさえあります。
しばらく、この画の前にたたずんでいました。不思議だけれど、怪しさはなく・・・、むしろ透明感があるような、河辺の涼しい風が吹いてくるようなそんな感じがしました。

この2枚のルソーを見るだけでも、この展覧会に行く価値はあるかと。

" アンリ・ルソー 蛇使いの女 "
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おまけです。なんていうとロートレックに怒られそうですが、とても特徴的な表情をしていました、この女性。
忘れられないこの目つき(笑)。

" アンリ・ド・トゥールズ・ロートレック 黒いボアの女 "
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印象派によって、物自体の輪郭、質感、そういうものが究極なまでに排除されたキャンバスのその後。
ものは光の輝きの集合なのだという主張から、物自体へ回帰していく、そんな過程を垣間見た気がしました。
ただ、そんなことは関係なく、素晴らしい画が来ています。
質の高さでは、近年まれに見る展覧会かと・・・、などと友達と話をしながら、新美術館を後にしました。

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さらに二人の電脳仲間? と秋葉で待ち合わせをしていました。

早速、FMV-BIBLO LOOX U50XN のVISTA モデルにXP をのせるにはどうしたらよいか? 等に話が咲きます。
友達がトライしたのですが、音だけどうしても鳴らすことが出来ないとのこと・・・。
ああでもない、こうでもない・・・(笑)

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とある秋葉のお店のバルコニーで、もちろん美味しいビールを頂きながら、展覧会の話と電脳の話しは尽きませんでした。

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久しぶりに土日の連続した休みです。
でも、やりたいことが沢山あって、二日では足りません・・・ ^^;
展覧会にも、秋葉にも行きたかったですし、鎌倉の紫陽花とかも気になります。あっ、大分髪が伸びたので床屋にも行かなくては・・・。
本を皆読んでしまったので、本も探したいです。
何かお薦めの本がありましたら、教えて下さると嬉しいです。 ^^

" Musee d'Orsay 2010/06/05 "
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