だいぶ経ってしまいましたが・・・2013年ラ・フォルジュルネ&佐伯祐三 : 20130504 [音楽]
ずいぶんと経ってしまったのですが、
毎年のGWの楽しみでもあるし、今年だけブログにないのも寂しいので残しておこうと思います。
また、この日は見たいと思っていてなかなか見られなかった佐伯祐三の絵を6枚も見ることができたので、
その時のじぶんの思いも書いておきたいと思います。
2013年5月4日、色々とバタバタしている時期で、直前まで休めるかどうか分からなかった頃。
例年なら、2日間のチケットを買っておくのですが、「行けない」リスクもあって5月4日の分だけにしておきました。
ただ、朝10時から夜は20時頃まで、飛び飛びですが3つのコンサート。2013年のラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン。
朝一番、10時からは、今売り出し中の若手チェリスト、小澤征爾さんなどの先生である斉藤秀雄先生のチェロ「テストーレ」を引き継いだ宮田大君。
以前にテレビで見て一度ライヴでと思っていました。
曲はラヴェルの「 クープランの墓」、フォーレの「 エレジー op.24(チェロとオーケストラのための)」、
サン=サーンスの「チェロ協奏曲 第1番 イ短調 op.33」。
オーケストラはイプ・ウィンシー指揮、香港シンフォニエッタ。
宮田大君、思ったより小柄。体をいっぱいに使って出てくる音はダイナミックかつ瑞々しい。
フォーレのエレジーは好きな曲ですがオーケストラの入った演奏は聴いたことがなくて、サンサーンスの協奏曲も初めての曲。
きっと1700年代に生まれた「テストーレ」って気難しいのでしょうが、大君との相性も良い感じ。
席は2階でしたが、上まで熱気が伝わってきて若さあふれる演奏。言葉が足りないかもしれませんが、
「誠実さ」をすごく感じました。
こころが洗われるようです。忙しかったバタバタとか、たまった埃とか・・・それまでの色んなものを洗い流してくれて、
2013年のクラシックのお祭りもよいスタート。
2つ目のコンサートは夕方からなのでしばらく時間があります。
GWの丸の内、都会の真ん中。
お洒落なビルに囲まれて木漏れ日の下。 ふと掌を見れば柔らかい緑色です。
しばらく、PEN E-PL3 をつれてぶらぶらと。
この日のWalkman にはList の巡礼の年が入っていました。
前にも書きましたが、多崎作君の物語で知った曲。リストの概念を壊してくれた曲です。
優しい木漏れ日とお気に入りのピアノ曲。
丸の内の木漏れ日の下でも、一人だけのコンサートを楽しんでしまいました。
コンサートの合間にと、丸の内から八重洲方面に抜けてブリヂストン美術館へ。
せっかくの一人だけの時間です。
詰め込めるだけ好きなことを詰め込んでしまおうと、「Paris 、パリ、巴里 日本人が描く1900-1945」展を見に行きました。
以前訪れたときに、予告のポスターを見て絶対にと思っていた展覧会です。
目当ては、もちろん佐伯祐三。
折々の展覧会で何回か見たことはあるものの、今回の様に6枚も一度に見たことはありません。
美術館の2階に向かうエレベーターに乗った途端、わくわく、というよりも、好きなあの子に会うときのような、若い頃のドキドキとした胸の高鳴り。
黒田清輝、浅井忠、坂本繁二郎、藤田嗣治、岡鹿之助 etc etc ・・・。
そうそうたる画家たちの作品の中、展示室に入ると・・・その絵たちしか見えなくなりました。
≪ガラージュ 1927-28 60.6×73.6≫
フランスでブラマンクから、アカデミックと罵倒され、自分の表現方法を模索しこのような画風にたどり着いた佐伯祐三。
確かに、ブラマンク等のフォヴィズムの影響とちょうどこの頃見たのでしょう、ユトリロの影響がとても大きいのだと思います。
≪テラスの広告 1927 54.2×65.4≫
でも、その二人ともまた違う。
もっと繊細で、アルファベットの文字のせいでしょうか? リズムがあります。
≪レストラン 1927 54.5×65.4≫
佐伯祐三の絵を見ていると、純粋さ、ピュア・・・、そんなものがとても感じられます。
もちろん自分なんかとは比べられないけれど、カメラを連れて散歩していて、街の中で、そこだけ明るく見える新しいもの、ピカピカに綺麗なものや、しみじみとものを語ってくれるようなフォルムたちを見つけると、ファインダーを夢中で覗くことがあります。
そのときの気持ちは子供の頃と同じような気がしますが、パリで夢中になってキャンバスに見たもの気に入ったものを画いた佐伯祐三。
きっと、そんな感じだったのではないかな ?
≪広告貼り 1927 73.4×60.2≫
残念ながら31歳で命を燃やし切ってしまったけれど、彼の足跡を辿ると悲しさや憐憫さを感じてしまうけれど、ここで会った絵たちからはそんなことは感じられません。突き放される孤独感とか悲壮さ等はなくて、どこか優しい。
とても優しい・・・。
≪休息(鉄道工夫) 1927 59.4×71.3≫
ぼくは今、佐伯祐三が好きです。
どの絵を見てもドキドキしてしまう。
いつまでもこの絵たちと一緒にいたかったのですが、そろそろ次のコンサートの時間。
後ろ髪を引かれながら、また訪れることを楽しみにして有楽町の方に向かいました( 実際、もう一度5月の末にもこの展覧会を見に行きました)。
次のコンサートは有楽町の読売ホールが会場でしたので、東京駅の前、丸の内を駆け足です。
若い頃から、綺麗だなぁ~。
年を経て女性としての魅力も、ピアノも円熟味が益々加わってきた仲道郁代さんと、
Ravel のCD を聴いてとても感動した、アンヌ・ケフェレックさんのピアノのデュオを聴きました。
仲道郁代さんのソロでドビュッシーの「子供の領分」、アンヌ・ケフェレックさんでラヴェルの「鏡」、そして二人のデュオでラヴェルの「マ・メール・ロワ」。
それぞれのソロも聴けたし、大好きなピアニストであるお二人の連弾を聴けたのも本当に嬉しかった。
ケフェレックさんの優しい素敵な笑顔が忘れられません。
人って、年をとるときれいになるんだとお二人を見て思いました。
なんだか、ほっとして? 展示ホール「エッフェル」で一休み。
本日一杯目のビール、
心が潤っているし、サントリーのプレミアモルツも最高においしかったです。
ビールも音楽を聴かせると余計美味しくなるのかもしれない 笑 。
この展示ホールには、コンサートのチケット(聴いた後の半券でも)があればいつでも入れます。
無料のコンサートを聴くことができます。
待ち時間をここで飲みながら過ごすのも素敵な時間。但し、飲みすぎには注意。
最後のコンサートは娘も聴きたいというので、この後は娘たちと合流しました。
貴重な一人の時間はここまで。
コンサートの前に腹ごしらえです。
新しい東京駅が正面から見ることができるということで、丸ビルの「CASABLANCA SILK 」さんへ。
ベトナム料理を頂きながら、本日2杯目のビール。
生春巻き、トムヤムクン etc etc ・・・。
ちょっと辛めでしたが、それも食欲とビールを誘います。
東京駅は、夕暮れ時。
5月の夕日は、
新しい駅舎のレンガに似合いの色。
ちょうど真正面から
優しい色。
改めて、東京駅、素敵になったな。
今年の自分のラ・フォルジュルネのしめは、コンセール・ラムルー管弦楽団、指揮はフェイサル・カルイさん、
ピアノは小山 実稚恵さんで、Ravel のピアノコンチェルトと、オケは亡き王女のためのパヴァーヌ。
フランス音楽が今年のテーマでしたが両方とも好きな曲です。
小山さんの Ravel 、さすが巨匠の雰囲気も漂わせる円熟のピアニストです、安心して聴けるピアノコンチェルトに満足して大きな拍手。
ところがこのコンサートはこれだけでは終わりませんでした。
何回か指揮者が舞台に現れた後に、主催者のピエール・マルタンさんが舞台に登場。
コンサートでサプライズがあると・・・、そして、その後、佐渡裕さんの登場。
聴衆は全員ビックリ、本当のサプライズでした。
佐渡さんの指揮で、同じくラベルのボレロを聴きました。
佐渡さん、そういえばコンセール・ラムルー管弦楽団を長年指揮していたのですね。フェイサルさん以上に、オーケストラも乗りに乗った演奏だったと思います。
ダイナミックで素敵な演奏に大きな拍手はいつまでも鳴り止みませんでした。コンサートホールから出ると汗がびっしょり。
今年のラ・フォルジュルネ、3つのコンサートともそれぞれ素晴らしかった。
来年は10周年なんだそうです。今までのテーマから何でもありとのこと。また、Mozart、 Beethoven、 Brahms なども聴けそうです、待ち遠しい。 ^^
2013年5月4日はとても良い日になりました。
朝、家を出るときには一人でこんなに長い時間過ごせるのかと思いましたが、いえいえ、時間は足りないくらい。
フランス生まれの音楽たちと、佐伯祐三がパリで画いた絵で、プチフランス旅行みたいな 笑。
バラの色の夕陽と東京駅の赤レンガ。2杯のビールもとても美味しかった。
" 2013/05/04 La Folle Journée & Saeki Yuzo"
毎年のGWの楽しみでもあるし、今年だけブログにないのも寂しいので残しておこうと思います。
また、この日は見たいと思っていてなかなか見られなかった佐伯祐三の絵を6枚も見ることができたので、
その時のじぶんの思いも書いておきたいと思います。
2013年5月4日、色々とバタバタしている時期で、直前まで休めるかどうか分からなかった頃。
例年なら、2日間のチケットを買っておくのですが、「行けない」リスクもあって5月4日の分だけにしておきました。
ただ、朝10時から夜は20時頃まで、飛び飛びですが3つのコンサート。2013年のラ・フォルジュルネ・オ・ジャポン。
朝一番、10時からは、今売り出し中の若手チェリスト、小澤征爾さんなどの先生である斉藤秀雄先生のチェロ「テストーレ」を引き継いだ宮田大君。
以前にテレビで見て一度ライヴでと思っていました。
曲はラヴェルの「 クープランの墓」、フォーレの「 エレジー op.24(チェロとオーケストラのための)」、
サン=サーンスの「チェロ協奏曲 第1番 イ短調 op.33」。
オーケストラはイプ・ウィンシー指揮、香港シンフォニエッタ。
宮田大君、思ったより小柄。体をいっぱいに使って出てくる音はダイナミックかつ瑞々しい。
フォーレのエレジーは好きな曲ですがオーケストラの入った演奏は聴いたことがなくて、サンサーンスの協奏曲も初めての曲。
きっと1700年代に生まれた「テストーレ」って気難しいのでしょうが、大君との相性も良い感じ。
席は2階でしたが、上まで熱気が伝わってきて若さあふれる演奏。言葉が足りないかもしれませんが、
「誠実さ」をすごく感じました。
こころが洗われるようです。忙しかったバタバタとか、たまった埃とか・・・それまでの色んなものを洗い流してくれて、
2013年のクラシックのお祭りもよいスタート。
2つ目のコンサートは夕方からなのでしばらく時間があります。
GWの丸の内、都会の真ん中。
お洒落なビルに囲まれて木漏れ日の下。 ふと掌を見れば柔らかい緑色です。
しばらく、PEN E-PL3 をつれてぶらぶらと。
この日のWalkman にはList の巡礼の年が入っていました。
前にも書きましたが、多崎作君の物語で知った曲。リストの概念を壊してくれた曲です。
優しい木漏れ日とお気に入りのピアノ曲。
丸の内の木漏れ日の下でも、一人だけのコンサートを楽しんでしまいました。
コンサートの合間にと、丸の内から八重洲方面に抜けてブリヂストン美術館へ。
せっかくの一人だけの時間です。
詰め込めるだけ好きなことを詰め込んでしまおうと、「Paris 、パリ、巴里 日本人が描く1900-1945」展を見に行きました。
以前訪れたときに、予告のポスターを見て絶対にと思っていた展覧会です。
目当ては、もちろん佐伯祐三。
折々の展覧会で何回か見たことはあるものの、今回の様に6枚も一度に見たことはありません。
美術館の2階に向かうエレベーターに乗った途端、わくわく、というよりも、好きなあの子に会うときのような、若い頃のドキドキとした胸の高鳴り。
黒田清輝、浅井忠、坂本繁二郎、藤田嗣治、岡鹿之助 etc etc ・・・。
そうそうたる画家たちの作品の中、展示室に入ると・・・その絵たちしか見えなくなりました。
≪ガラージュ 1927-28 60.6×73.6≫
フランスでブラマンクから、アカデミックと罵倒され、自分の表現方法を模索しこのような画風にたどり着いた佐伯祐三。
確かに、ブラマンク等のフォヴィズムの影響とちょうどこの頃見たのでしょう、ユトリロの影響がとても大きいのだと思います。
≪テラスの広告 1927 54.2×65.4≫
でも、その二人ともまた違う。
もっと繊細で、アルファベットの文字のせいでしょうか? リズムがあります。
≪レストラン 1927 54.5×65.4≫
佐伯祐三の絵を見ていると、純粋さ、ピュア・・・、そんなものがとても感じられます。
もちろん自分なんかとは比べられないけれど、カメラを連れて散歩していて、街の中で、そこだけ明るく見える新しいもの、ピカピカに綺麗なものや、しみじみとものを語ってくれるようなフォルムたちを見つけると、ファインダーを夢中で覗くことがあります。
そのときの気持ちは子供の頃と同じような気がしますが、パリで夢中になってキャンバスに見たもの気に入ったものを画いた佐伯祐三。
きっと、そんな感じだったのではないかな ?
≪広告貼り 1927 73.4×60.2≫
残念ながら31歳で命を燃やし切ってしまったけれど、彼の足跡を辿ると悲しさや憐憫さを感じてしまうけれど、ここで会った絵たちからはそんなことは感じられません。突き放される孤独感とか悲壮さ等はなくて、どこか優しい。
とても優しい・・・。
≪休息(鉄道工夫) 1927 59.4×71.3≫
ぼくは今、佐伯祐三が好きです。
どの絵を見てもドキドキしてしまう。
いつまでもこの絵たちと一緒にいたかったのですが、そろそろ次のコンサートの時間。
後ろ髪を引かれながら、また訪れることを楽しみにして有楽町の方に向かいました( 実際、もう一度5月の末にもこの展覧会を見に行きました)。
次のコンサートは有楽町の読売ホールが会場でしたので、東京駅の前、丸の内を駆け足です。
若い頃から、綺麗だなぁ~。
年を経て女性としての魅力も、ピアノも円熟味が益々加わってきた仲道郁代さんと、
Ravel のCD を聴いてとても感動した、アンヌ・ケフェレックさんのピアノのデュオを聴きました。
仲道郁代さんのソロでドビュッシーの「子供の領分」、アンヌ・ケフェレックさんでラヴェルの「鏡」、そして二人のデュオでラヴェルの「マ・メール・ロワ」。
それぞれのソロも聴けたし、大好きなピアニストであるお二人の連弾を聴けたのも本当に嬉しかった。
ケフェレックさんの優しい素敵な笑顔が忘れられません。
人って、年をとるときれいになるんだとお二人を見て思いました。
なんだか、ほっとして? 展示ホール「エッフェル」で一休み。
本日一杯目のビール、
心が潤っているし、サントリーのプレミアモルツも最高においしかったです。
ビールも音楽を聴かせると余計美味しくなるのかもしれない 笑 。
この展示ホールには、コンサートのチケット(聴いた後の半券でも)があればいつでも入れます。
無料のコンサートを聴くことができます。
待ち時間をここで飲みながら過ごすのも素敵な時間。但し、飲みすぎには注意。
最後のコンサートは娘も聴きたいというので、この後は娘たちと合流しました。
貴重な一人の時間はここまで。
コンサートの前に腹ごしらえです。
新しい東京駅が正面から見ることができるということで、丸ビルの「CASABLANCA SILK 」さんへ。
ベトナム料理を頂きながら、本日2杯目のビール。
生春巻き、トムヤムクン etc etc ・・・。
ちょっと辛めでしたが、それも食欲とビールを誘います。
東京駅は、夕暮れ時。
5月の夕日は、
新しい駅舎のレンガに似合いの色。
ちょうど真正面から
優しい色。
改めて、東京駅、素敵になったな。
今年の自分のラ・フォルジュルネのしめは、コンセール・ラムルー管弦楽団、指揮はフェイサル・カルイさん、
ピアノは小山 実稚恵さんで、Ravel のピアノコンチェルトと、オケは亡き王女のためのパヴァーヌ。
フランス音楽が今年のテーマでしたが両方とも好きな曲です。
小山さんの Ravel 、さすが巨匠の雰囲気も漂わせる円熟のピアニストです、安心して聴けるピアノコンチェルトに満足して大きな拍手。
ところがこのコンサートはこれだけでは終わりませんでした。
何回か指揮者が舞台に現れた後に、主催者のピエール・マルタンさんが舞台に登場。
コンサートでサプライズがあると・・・、そして、その後、佐渡裕さんの登場。
聴衆は全員ビックリ、本当のサプライズでした。
佐渡さんの指揮で、同じくラベルのボレロを聴きました。
佐渡さん、そういえばコンセール・ラムルー管弦楽団を長年指揮していたのですね。フェイサルさん以上に、オーケストラも乗りに乗った演奏だったと思います。
ダイナミックで素敵な演奏に大きな拍手はいつまでも鳴り止みませんでした。コンサートホールから出ると汗がびっしょり。
今年のラ・フォルジュルネ、3つのコンサートともそれぞれ素晴らしかった。
来年は10周年なんだそうです。今までのテーマから何でもありとのこと。また、Mozart、 Beethoven、 Brahms なども聴けそうです、待ち遠しい。 ^^
2013年5月4日はとても良い日になりました。
朝、家を出るときには一人でこんなに長い時間過ごせるのかと思いましたが、いえいえ、時間は足りないくらい。
フランス生まれの音楽たちと、佐伯祐三がパリで画いた絵で、プチフランス旅行みたいな 笑。
バラの色の夕陽と東京駅の赤レンガ。2杯のビールもとても美味しかった。
" 2013/05/04 La Folle Journée & Saeki Yuzo"