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西洋美術館ラファエロ展&今年初めての桜:20130317 [絵画]

外国には数回しか行っていなくて、美術館もそれほど見ている訳ではありません。

でも、一度の出会いで忘れられなくなった絵画たちもいて、フィレンツェを訪れたとき、短い滞在時間の中で2度ウフィツィに行ったのですが、そこで出会った何枚かの絵画たちもそうでした。

ラファエロの肖像画はそのうちの一枚。

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娘が生まれる前でしたから、もうずっーと以前のことになりますが、そのラファエロの肖像画と日本で会えるとは思ってもいませんでした。

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絶対に行かなくてはと、昨年から心に決めていました。
まして、海外に持ち出すのはきっと難しいのでしょうに、ラファエロの絵が20作品も来ると聴けば尚更です。

3月17日の日曜日、始動は遅くなってしまいましたが、西洋美術館で6月2日まで開催されている " Raffaello ラファエロ " 展に行って来ました。

花粉はひどいものの、天気は暖かくてうららかな日曜日。
上野公園は家族連れの方たちで賑やかです。
日曜日の10時30分、これだと美術館は混雑しているのかなと思いましたが、チケットを買う列も2~3人、西洋美術館はそれほどの混雑ではありません。
かえって、いつもより遅めに家を出て正解だったのかもしれません。

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そして、
出迎えてくれたのは、いきなりラファエロでした。
久しぶりの再開・・・。

ラファエロは1487年生まれなので、たぶん20代前半の頃の自画像。
どういう表情なのでしょう? 喜怒哀楽は? 強いて言えばすましている?

現代の日本ならばイケメンと言うのでしょうが、、静けさが漂う、整った顔立ちの肖像画。
でも、ずっと見ていると、ナルシスト、ナイーヴさの中から、ぼんやりとしているように見える目の中に、青年期特有の不安みたいなものも。
この絵は時間をかけて話すべき絵だなと思いました。

久しぶりの再会、しばらくして興奮状態からさめて、改めてよく見ると色んな気付きがありました。

イケメンの顔に気を取られてしまうので、 また栗色の髪の毛が隠しているので、すぐには気が付きませんが、首が顔と比較して太くて大きい。構図からは三角形でとても安定していると思うのですが、描写的にはおかしいのかもしれない。
このあとも肖像画が何枚かありましたが、特に初期のものにはこういう傾向があるようです。

それから、誰かに似ている・・・? 、最近良くテレビに出ている栗原類君に良く似ていると思いました 笑。

≪自画像≫ 1504-1506 47.3×34.8 ウフィツィ美術館
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レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロと盛期ルネッサンスの三巨匠といわれる、ラファエロ・サンティ。
活躍の時期は大きく3つに分けることが出来るそうです。誕生の街ウルビーノ、たくさんのことを学んだであろうフィレンツェ、そして2人の法王に愛されたローマの時代。

≪無口な女≫ 1505-1507 64×48 マルケ州国立美術館
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有名になって、誰もがラファエロを巨匠と呼ぶようになるのはローマでの活躍期ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチ、そしてミケランジェロの作品に多く触れ、それらを吸収し、じぶんの様式にまで昇華していったフィレンツェでの滞在期間は、重要だったのではないかと思います。

この " 無口な女 " はダ・ヴィンチのモナリザの影響が強いといわれている作品。

≪聖ゲオルギウスと竜≫ 1504-1505 307×26.8 ルーヴル美術館
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また、ダ・ヴィンチの影響を受けて、絵に大きな動きが加わるようになったのだそうです。

このように年代順に作品を並べて見せてもらえると、確かに、この頃から、ラファエロの絵に変化があるのが良く分かりました。

≪ベルナルド・ドヴィーツィー≫ 1516-1517 86.3×65.9 パラティーナ美術館
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この絵はこの前見たエル・グレコの作品に似ています(ラファエロが先ですが)。

と言うより、系譜をたどれば、ミケランジェロだと思います。マニエリスム、たくましさを感じるミケランジェロの体、左腕です。
確かに、ラファエロはミケランジェロも吸収している。

≪エリザベッダ・ゴンザーガの肖像≫ 1504頃 52.9×37.4 ウフィツィ美術館
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絵の一部、肖像画の顔だけはってみましたが、
この額の装飾品、最初に見た時はネコに見えました。かわいい耳と尻尾。

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でも、よーーく見てみると「サソリ」なんですね。 展覧会でのこういう発見も楽しいです。

≪大公の聖母≫ 1505-1506 84.4×55.9 パラティーナ美術館
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ルネッサンスのグラッツィア、上品さ、優美さ。

聖母子像の画家といわれ、数多くの聖母子像を画いたラファエロですが、その作品の中でも名作といわれる" 大公の聖母 " にこの展覧会で会うことが出来ます。

なんて優しく綺麗なマリア様、" グラッツィア " そのもの。 この絵もいつまでも見ていたい作品の一つでした。

それからこの絵、
ラファエロが画いた時は背景は黒くなかったと、最近の調査で分ったそうです。展覧会で、下絵やX線の調査結果を使って説明していました。

なるほど、そう教えてもらうと、マリア様の向かって左側の髪の毛とか、幼いイエスの髪などを良く見ると、不自然なところがあるのが分ります。後から背景を黒く塗ったんだ。

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20作品をまとめて見せてもらえて、ラファエロのことが自分なりに少し理解できたつもりになりました。

ルネッサンス盛期の3人の巨匠ですが、レオナルド・ダ・ヴィンチとミケランジェロはそれぞれとても個性の強い巨人。そして、ラファエロは展覧会の言葉通り " 優美 (グラッツィア) " の人だったんだと。

人柄も皆に好かれたそうですし、作品もそれ以降、多くの画家の手本となったとか。優美、そして、中庸の人だったんだと思いました。
期待通りの展覧会でした。

ゆっくりとラファエロの作品を楽しんで美術館の外に出てみると、桜、ぼくにとって今年初めての桜に会うことができました。

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ここのところ急に暖かくなったので、上野の桜も開花したのですね。

彼岸桜の濃いピンク、ソメイヨシノの淡い桜色、とっても綺麗。

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まだまだ、灰色の枝が目立ちますが、少しだけなのに桜色が混じると周囲が急に春めいてきて、

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心の中まで何となく、そわそわ、わくわく、明るくなってきます。

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桜が咲く時期になると、上野公園にも色々な方たちが集まってきて、それぞれのパフォーマンス。

演奏をする方や、ネコ君たちを連れてきて桜と写真を撮る方も。

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ラファエロの肖像画との再会、十数年ぶりの再会の余韻に浸りながら、その後の変化がとても大きかったことを色々と思い返してしまいました。

何人かのかけがえのない人達を見送ったこと、決して順風満帆とは言えなくて生まれた時から色々とあって、娘はそれでも背が高くなり高校生に等 etc etc ・・・。
十数年も経つんだと、じぶんも年を取るはずだと・・・(笑) 。

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桜って、心を明るくわくわくさせてくれますが、眺めていると色々なことを思い出してしまうようです。

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今年も、色んなところの桜と会って、写真を撮りながら、色んなことを話してみたいと思います。

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上野公園で一通り写真を撮ってから、遅くなりましたが、ホワイトデーのお返しを東京駅で買ってから帰りました。

大丸で前から気になっていた、 " KEITH MANHATTAN " さんのケーキ。

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自分の分までふくめて3つ。

イチゴのタルト、柑橘系のティラミス、キャラメルアップルパイ。

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それぞれ写真を撮ろうと思ったのですが、イチゴのタルトとティラミスは、ぼくが席を外している間に既になくなっていました。

仕方なく? 残ったアップルパイをゆっくりと頂きました。 ^^;

他のも味見をしたかったのですが・・・、まあ、喜んでくれたから・・・それで良しとします。

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花粉はすごいですが、気温は高く一気に春が来た感じです。
昨日も赤レンガ倉庫、中華街など横浜を少し歩きましたが、桜が満開のところもありました。

鎌倉の様子も気になります。土曜日は出勤なので日曜日、天気予報はあまり良くないですが、できたら北鎌倉の桜たちにも会いに行きたいと思っています。

" 2013/03/17 Raffaello & Cherry Blossoms "
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